後ろ向き「チャイルドシート」何歳まで!? 世界の常識と正しい設置法

ウレぴあ総研

普段、乳幼児をマイカーに乗せる際、チャイルドシートに座らせていることでしょう。

日本では1歳くらいまでは後ろ向きチャイルドシートを使用するのが推奨されていますが、年齢については、国によって異なり、2歳まで、3歳まで、4歳までが良いなど、さまざまのようです。実際のところ、年齢に関わらず、子どもにはできるだけ長く後ろ向きチャイルドシートに座らせるのがいいようです。

そこで今回は、後ろ向きチャイルドシートのそもそもの意味や、子どもに後ろ向きチャイルドシートが必要な理由、チャイルドシートの正しい設置方法、妊婦のシートベルトの装着法などを、スウェーデンの自動車メーカー「ボルボ」の研究所の見解からご紹介します。

■そもそもチャイルドシートを「後ろ向き」に設置する意味は?

スウェーデン、イェーテボリのボルボ・カーズ・セーフティセンターのシニアテクニカルリーダーであり、交通安全学の博士でもあるロッタ・ヤコブソン(Lotta Jakobsson)さんは、チャイルドシートについてさまざまな情報発信を行っています。

その中でも、特に後ろ向きチャイルドシートは幼い子どもにとって重要だと述べています。

そもそも、チャイルドシートはなぜ必要なのか、そしてなぜ後ろ向きに設置する必要があるのかを確認しておきましょう。

■「後ろ向きチャイルドシート」は衝撃を分散させ負傷リスクを大幅に下げる

チャイルドシートには、衝突事故発生時に子どもの身体にかかる衝撃を比較的強靭な部位へ、最善の形で分散させるという役目がありますが、後ろ向きのチャイルドシートは、車が衝突したときの負傷リスクを大幅に下げるので、激しい正面衝突があった場合などは、生死を分ける要因にもなるといいます。

正面衝突の場合、前方を向いて座っているドライバーや同乗者の頭部は非常に大きな力で前方へ投げ出されます。その頭をつなぎとめているのが首ですが、大人の首はその衝撃に耐えられる力を持っています。

しかし、幼い子どもの首では耐えることができません。

後ろ向きチャイルドシートなら、その力は子どもの背中全体と頭部という広い面積に分散することができます。一般的に、後部追突事故では、身体が受ける衝撃はそれほど強くないのだそうです。

■「後ろ向きチャイルドシートはできるだけ長く」が理想の理由

ボルボでは、後ろ向きチャイルドシートをなるべく長く、少なくとも子どもが4歳になるまで使用するよう推奨しています。

なぜ後ろ向きチャイルドシートは、なるべく長く使用する必要があるのでしょうか?

■軟骨部は徐々に骨化する

新生児の頸椎は、骨と骨の間を軟骨がつなぐ形になっており、まだ骨格が固まっておらず、この軟骨部は、生後3年をかけて徐々に骨化します。そのため、子どもが十分成長するまでは、進行方向とは逆を向いて座らせるのが基本なのだといいます。

ボルボ・カーズ・セーフティセンターには、自動車における子どもの安全性に関して50年以上もの経験があり、そうした経験を踏まえ、子どもは後ろ向きで保護するのが一番適切だということがわかっているといいます。

■「4歳まで」は目安。子どもの身体や発達に合わせ、できるだけ長く使用するのを推奨

後ろ向きチャイルドシート使用の推奨年齢は、国によって違いがあり、スウェーデンでは「4歳までが基本」という考え方が浸透しています。

ただし、「4歳」と言った場合、実際には子どもたちはひとりひとり異なるという意味での幅を持たせているといいます。身長も違えば、身体の部位の配置も違い、頭の大きさも違うため、4歳と言ってもある程度の幅があります。

つまり後ろ向きチャイルドシートは、年齢に限らず、子どもの身体や発達に合わせ、できるだけ長く使うことが、子どもを守る最善の方法であるということです。

■後ろ向きチャイルドシートの素朴な疑問Q&A

続いては、後ろ向きチャイルドシートにまつわる素朴な疑問への回答について、ボルボの資料からご紹介します。

■Q.後ろ向きチャイルドシートを選ぶ際のポイントは?

A.チャイルドシートは、子どもの身体に合った大きさのもの、また車に安定して取り付けられるものを選びましょう。

日本で販売されているチャイルドシートは、年齢や体重の目安が記載されているものが多いです。

後ろ向きチャイルドシートはできるだけ長く使用するのが良いといっても、子どもの身体に合わない場合は、使用してはいけません。よく年齢や体重の規定を見て、子どもの身体に合ったものを使用するのが基本なので、注意しましょう。

ちなみにボルボの後ろ向きチャイルドシートは、9か月~3-6歳くらいの子ども向けで、体重9~25kgまでの規定となっています。

■Q.後ろ向きチャイルドシートの取り付け方法を教えてください。

A.チャイルドシートの取扱説明書に従って、確実に取り付けてください。

ベビーシートやチャイルドシートの取り付け方式の国際標準規格、ISOFIXが採用されていれば、チャイルドシートをより簡単に着脱できます。ISOFIXの取付具は、正しく装着できたときに、カチッという音と緑のボタン表示で確認できる仕組みになっています。

車のシートベルトで固定するタイプのチャイルドシートでも、正しく固定されていればISOFIXの固定方式と同レベルの安全性を発揮します。ただし、シートベルトがきちんと締められているかどうか、必ず確かめましょう。

シートの取り付けで困ったことがあれば、迷わずシート製造元に問い合わせましょう。

■チャイルドシートに関するQ&A

後ろ向きチャイルドシートについて学んだ後は、日頃のママが抱えるチャイルドシートに関する素朴な疑問も解消しておきましょう。

■Q.子どもがチャイルドシートに座りたがりません。どうすればいいですか?

A.車を一旦止めて、休憩しましょう。赤ちゃんの場合は、まず家の中で使いはじめ、徐々に慣らしていくのもよい考えです。

■Q.チャイルドシートの最も安全な取り付け位置は?

A.ボルボの車なら、運転席以外のどの位置でも安全性に差はありません。どの位置にチャイルドシートを装着するかを決める要素は、他にあるでしょう。

子どもにすぐ触れられるよう、助手席に後ろ向きチャイルドシートを装着する場合は、助手席のエアバッグを必ず作動停止状態、つまり無効化しておかなければなりません。

助手席のエアバッグを無効化できない車の場合は、必然的に後部座席が唯一の選択肢となります。必要に応じて助手席のエアバッグを無効化できる車もあるので、取扱説明書などを参考に、車両内にスイッチがあるか確認しましょう。

また、国によって法規制もさまざまです。子どもを助手席に乗せることを法律で禁止している国もありますので、この点にも注意が必要です。

ちなみに日本では、助手席にチャイルドシートを設置するのは違法ではありません。しかし、乗せる場合は、エアバッグの無効化は必ず行いましょう。

■Q.チャイルドシートの代わりに、大人の膝の上に乗せても大丈夫?

A.絶対に、子どもを膝に乗せた状態で走行してはいけません。子どもを車に乗せる際は、必ず全員が座席に座り、それぞれの年齢や身体の大きさに合ったレストレインツ(身体拘束装置)を着用してください。

■Q.シートに座る子どもに、人形や携帯デバイスなどを持たせるのは危険ですか?

A.固定されていないアイテムは、衝突事故が起きた場合に、凶器になる可能性があります。常に子どもがきちんと座った姿勢であること、ベルトが正しい位置で締められていることを確認しましょう。

■Q.子どもが頭を横に垂れるようにして眠ってしまいました。どうすればいいですか?

A.子どもが苦しそうにしていなければ、それほど心配はいりません。どうしても気になる場合は、車を停めて、枕やクッションで頭を支えてあげましょう。

■妊婦のシートベルトの着用方法

ところで妊婦にとっても、車に乗るときにはシートベルトの着用が必要。でもお腹が大きくて着用しにくいですよね。

「お腹に赤ちゃんがいる間も、シートベルトを着用したほうがいいのか?」という疑問を持つ妊娠中の方もいると思いますが、妊娠中はもとより、いかなるときもシートベルトをしっかり装着しなければなりません。

そこで、正しい着用方法を確認しておきましょう。

■妊婦のシートベルトの着用方法

・シートベルトはたるみやねじれがなく、身体にぴったり沿うように装着する。

・ショルダーベルト部分は、肩の真中から胸の中心をななめに通し、脇腹へと通す。

・ラップベルト部は、太ももの外側にぴったり当たるよう、腰のなるべく低い位置で締める。腹部を横断する高さまでずり上げてはいけない。

・車を運転する場合は、ハンドルとペダルに手足が楽に届く範囲内で、腹部とハンドルの距離が十分確保できるよう注意し、無理のない姿勢で座る。



チャイルドシートについて、より子どもの安全を守るための知識をご紹介してきました。

普段、あまり意識していなかった人も多いのではないでしょうか。この機会により子どもの安全を守るために、チャイルドシートを見直してみるのもいいかもしれません。

【監修】ボルボ・カー・ジャパン

当記事はウレぴあ総研の提供記事です。

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