年収2000万円サラリーマンが妻子も家も仕事も捨てた…人生の真理に到達?

日刊SPA!

◆「自分らしく生きていきたい」は単なるワガママなのか

「好きな人がいるんだ。お互いに別の人生を歩むことを考えよう」と妻に言い、家を出て1年。年収2000万円のエリートサラリーマンの田中充氏(仮名・48歳)は、“本気で愛している”恋人が毎日のように通うアパートで一人暮らしをしていた。2人いる子どもは思春期真っ盛り。私立校に通い、今も、これからも教育費が山のようにかかる。そんな時期になぜ……という疑問がわく。

「20年近い結婚生活の中で、価値観が大きくズレてしまったことが1番大きいですね。とはいえ、家族に対する責任はあるし、家族を犠牲にしちゃいけないから、経済的には責任を持ち、別居前とは変わらない生活を保障しています。だから自分自身の生活は質素になりました。でも、今の方が満足度は高いです」

田中さんが現在付き合う彼女、亜希子さん(仮名)と出会ったのは約2年前。既婚者合コンを手がけるLOVERSのディスコナイトの日だった。その会場で彼女は誰よりも美しく、魅力的に見えたという。

「タイプだと思い、自分から声をかけました。私も彼女も友達と来ていたので、4人で別の場所で飲みなおすことになり、そのまま、3次会、4次会と流れ、気づけば明け方。そして2人きり。さて、どうしようかと言いつつも、当然ホテルへ……そんな流れで付き合いが始まりました」

田中さんにとって浮気は初めてではなかった。既婚者合コンで出会った人妻と軽い付き合いをしたこともあった。けれども、なぜ、彼女だけに本気になったのだろうか。

「これまで出会った女性の中で1番きれいな人だと思います。いつもニコニコしていて優しいところも好きですね」とのろける。だが、もちろんそんな表面的なことだけで、恋愛にのめり込むわけがない。若くして結婚した過去を持つ彼女の離婚の理由が壮絶なDVだったこと、シングルマザーとして3人の子供を育てあげてきた苦労人だったことも、田中さんの気持ちを惹きつけた。

だが、決して不幸な過去に同情したのではないという。「この人と一緒の人生なら、自分らしく生きていける」と感じるようになっていったから……というのが田中さんが惚れ込んだ理由だ。

◆人生観の変わる出来事で自分を見つめ直した

田中さんが亜希子さんとの出会いから遡ること数年。田中さんには「人生そのもの」や「なぜ働いているのか」などを根本から考えさせられる出来事が起きた。

「よく刑務所に1年間入ったら人生観変わるって言いません? それくらい大きな出来事が起きたんですよ。業務上のことなので詳しく言えないのですが……。その時の仕事仲間の何人かは離婚し、会社を辞め、鬱になり自殺をした者も……。みんな人生観が変わっちゃったんでしょうね」

田中さんはその出来事をきっかけに、「このまま人生を送っていっていいのだろうか」「自分に素直に生きていきたい。人生をやり直したい」と思い詰めるようになっていったという。

「中年の思春期がやってきちゃったんですよね」と語る田中さん。そして出した結論がこれだ。

「今後、20年も生きないのであれば、やりたいことをやって、本当に好きな人と一緒に生きていきたい、我慢して生きるのはやめようと思ったんです」

◆積み重なっていった価値観のズレと生きる世界の違い

「実は、若い頃から自分で商売をしたいという夢があったんです。それを実現したいと強く願うようになったんです。もちろん子供への責任がありますから、すぐにという話ではない。でも、子育ての目処がたったら会社を辞めたいと、人生設計を妻に話したんです。

でも、『会社辞めるなんてありえない』とか『あなたの馬鹿げた夢に家族を巻き込まないで』とけんもほろろに反対されました。加えて『あなたが商売をやっても絶対にうまくいかない』と、僕自身の否定もするようになったんです」

平行線を辿った話し合いで見えてきたのが、夫婦の間にある“価値観のズレ”だった。

「結婚した時は好きでしたし、一緒の未来を見つめていました。でも、彼女は専業主婦で、僕は社会に出て働いている。20年間の生き方の違いの中で、いつしか価値観が全く合わなくなっていたんです」

例えば、結婚記念日や給料日後などのタイミングで、田中さんは「そろそろ子供も大きくなってきたし、2人でご飯食べに行ったりしようよ」と誘っていた。夫婦2人の時間を楽しみたいと思っていたが、妻は子供優先。「子供を置いていくのはちょっと」と断るばかり。

はたまた、「子育てもひと段落しただろうから、好きなことを探して、仕事でもしてみたら?」と提案しても「まだ、手がかかるから働かない」の一点張り。仕事を楽しむ大人同士の会話を楽しみたい田中さんの希望は叶えられなかった。

「子どもの教育に関しても、ブランド私立を受験させたい。いい大学に入って、いい会社に入れれば、安定した幸せを手に入れられると保守的。自営業や独立は悪いことで、フリーランスという働き方はプー太郎としか思ってない。一事が万事そういう調子で、あなたは昭和の時代に生きているの?と聞きたくなるほど。

きっと、『時代は変わった』とうっすら感じていても、専業主婦をしていたら、どう太刀打ちすればいいのかわからないんだろうね。僕の両親とも折り合いが悪いし、これまで積み重ねてきた不協和音が浮き彫りになってしまったんです」

夫婦は、子供を育てるパートナーであり、父母という立場も持つ。だが、それ以前に、大人同士で一緒に未来を築き上げていこうとかつて誓った男と女である。その土台は土台として、結婚から何年経っても必要な立ち位置なのだろう。

「そうこうしている間に、僕が好きな人と出会っちゃったんです。しかも、夢を話したときに彼女は応援してくれた。僕個人としての夢や思いをないがしろにされ続けてきた時に、認めてくれる存在があるとそっちになびいちゃうよね」

◆体の相性……男女の仲はそれも大事だと痛感した

実は田中さん、亜希子さんとの関係を妻に打ち明ける前に、バレそうになったことがあるという。カーナビの履歴を消し忘れたことが原因だが、その浮気を疑われた時に、妻は「私だって恋愛がしたい」とつぶやいたという。その際、田中さんは「彼氏とか作ったら?」と提案した。しばらく経った後、「彼氏は見つかった?」と妻に聞いてみたところ、結局、子育てが忙しくて出会いすらないという返事が返ってきたそうだ。

気づけば夫婦の時間は4~5年持っていなかったと言う。オーラルでの前戯もしてもらったことはなく、「これをしてほしい」と要求をすることも、「あんなことをしてみたい」と願望を話し合ったりすることもできない関係だったと言う。

「やっぱり男と女においては、それってすごい大事じゃないですか。少し喧嘩をしたってすれば仲直りできるタイミングにもなる。それに、僕はなんでも楽しみたいタイプなんですよ。人生も楽しみたいし、だから男女のことも楽しみたい。つまらないベッドタイムは過ごしたくないじゃないですか」

この男女の行為も“価値観が違う”のだと、結婚20年経って気づいたそうだ。

「妻のことは今でも嫌いではないです。何か大きな欠点があるかといえば、それも見当たりません。真面目で、いい人だと思ってます。何が悪いとか、何かきっかけがあったとかじゃないんですよね。生活の積み重ねの中で、気づけば価値観が大きくずれていってしまった。そのことで同じ未来を描けなくなってしまったんです」

現在、副業として自分の商売を始めていると言う田中さん。この副業が本業と同等レベルに稼げるようになったら本業を辞めて離婚して、亜希子さんと再婚したいのだと語る。

夫婦の間に起こる不協和音。それは、日々の生活の中ではどうしても起こる。ちぐはぐが小さなうちにチューニングできていれば、再びしっくりいくだろう。でも20年も積み重ねてしまうと、ずれを合わせていくのは非常にしんどい作業になる。「今更調律するよりは…」と別の人生でリスタートを切る方が良いという結論になることもあるのかもしれない。

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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