リモートワークベビーはコロナ下の思わぬ福音か。夫婦たちの証言

日刊SPA!

 コロナウィルスへの感染防止の一環として始まったリモートワーク。その普及によって、普段いなかった夫が家にいるようになったという方は多い。妻は自分のペースで家事や育児をできなくなり、夫も外で息抜きする時間が減る。リモートワークによって、夫婦の関係性がコロナ前と大きく変わったと言う声は珍しくない。世間では“コロナ離婚”なんて言葉も聞こえてくるが、逆に夫婦仲が良くなったパターンも多々あるようだ。

◆リモートワーク中の同僚が、次々と……

IT企業のマネジメント職として働く前田洋文さん(仮名・38歳)は、アパレル営業職の奥さまと7歳の娘さんの3人家族だ。毎週行われる社内メンバーとオンライン近況報告で驚いたことがあった、と話す。

「先日のオンライン会議終わりに、妻が妊娠安定期に入ったことを同僚に報告をしたんです。そしたら、『実はうちも年明けにもう一人生まれる』、『今、嫁さんがつわり真っ最中で』という話が湧いてきて……」

なんと、参加者10人のうち、前田さんを含め3人が奥さんの妊娠を報告したのだ。時期こそ異なるが、皆リモートワーク中のご懐妊だったのだ。

「うちの会社はリモートの導入が早く、2020年3月から週5のフルリモート。私の妻は営業職だったので出社する日もありましたが、夫婦ともに家での時間がぐっと増えました。同僚たちも、リモート環境のなか子作りしていたってことですよね」

◆始業前、朝のルーティンでスッキリ

夫婦の時間が増えたとはいえ、奥様と“急接近”したのにはきっかけがあるのだろうか。前田さんはリモートワーク用に環境を整え、自宅での仕事にも慣れてくると、毎日のルーティンができたという。

「通勤がなくなって運動不足になったので、朝、夫婦でウォーキングすることにしたんです。帰ってきてからシャワーを浴びて始業するのですが、『どうせならもう一汗かこうか』と冗談で誘ってから、セックスすることが増えたんですよ」

少なくとも週1、多いときは週3回も! 朝のウォーキング終わりの夫婦の営みがルーティンになった。これだけ回数を重ねていたら、できるべくしてできた、という感じだ。

「妻とも、あんなにしてたらそりゃできちゃうよね、と笑い合いました。同僚たちも、リモート下で回数が増えたんじゃないですかね。満員電車で通勤していたときに比べると精神衛生上いいし、頭も体もスッキリしますよ(笑)」

◆熟年夫婦の仲が復活、年の離れた2人目妊娠も

中学受験を控える一人息子さんがいる堀田知美さん(仮名・42歳)も、最近妊娠が発覚した一人だ。

「緊急事態宣言後、主人が完全リモートワークになったんです。それまでは3LDKの間取りを、息子の部屋、私の寝室、主人の寝室、と家族一人ずつ使っていたのですが、急遽主人の仕事部屋を作ることになりました」

必然的に、堀田さんの寝室が潰され、ご主人の仕事部屋に。その結果、夫婦が一緒の寝室になったという。結婚から15年超、ずっと寝室を分けてきたという堀田さん。今さら寝床をともにするのは煩わしいと感じてしまいそうだが、なんだかとても嬉しそうだ。

「2人きりで寝るのなんて、10年以上振りだったんですよ。これまでは通勤に1時間半くらいかかっていたんです。今は通勤時間がなく、朝はのんびり過ごせる。息子が学校へ出かけたあと、朝の小一時間が夫婦水入らずの時間です」

来春に生まれてくる赤ちゃんは、上のお子さんと一回り差。堀田さんは、「もう1人子どもができたのは、コロナのおかげもあるのかもしれないですね」と笑っていた。

◆リモートワークだから不妊治療に専念できる

出社ベースの働き方が変わったことで、自分の時間を持てたという人は多い。このリモート下は、不妊に向き合う時間になったという人もいる。増田葉子さん(仮名・32歳)は、長らく目を背けてきた不妊治療にトライしてみることになったと話す。

「新卒で入社して10年。これまでがむしゃらに働いてきましたが、少しは自分のために時間を使おうかなと思って……。仕事で忙しいときは病院の予約をとるのも憚られていたので。不妊治療は時間の制約が多いので、フルタイムで働きながら取り組むのは難しいんです」

結婚後すぐ、不妊治療のはじめのステップであるタイミング法を行ったもののうまくいかず、その後の治療は頓挫していた。

「夏頃に夫と話し合い、『まだしばらくはリモートワークが続くよね。だったら腰を据えて治療に専念してみようか』ということに。早く子供ができればベストですけど、あまり焦らず、自分たちのペースでやっていこうと思います」

新型コロナウィルスの流行により、世界的に未曾有の事態に見舞われ、これからの生活に不安が多かった2020年。先を案じて子作りを躊躇する人もいる一方で、リモートワークによって夫婦仲が復活したり、仕事にとらわれない時間の使い方や働き方のなかで、妊娠に向き合えた人もいたようだ。

2021年に誕生する予定の“リモートワークベビー”。彼らが歩き出す頃には、コロナが収束し、自由に外へ出かけられる世界であることを願うばかりだ。

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

あなたにおすすめ

ランキング

ランキングをもっとよむ

注目ニュース

注目記事をもっとよむ

あなたにおすすめ