パンデミックで、宅飲みの量が増えたという記事がありました。
実は、2020年の我が家もそうでした(2021年は減酒予定)。
車社会のアメリカ暮らしなのでもともと外飲みは少なかったのですが、パンデミックで宅飲みが加速し、ふと気づいたらワインの消費量がアップしていました(汗)。
調子にのって飲んだ翌日には頭痛がしたり喉がカラカラに乾燥したり。
記憶が飛んだり嘔吐したりすることはないのでまったく意識していませんでしたが、
それも二日酔いなのだとか。そう言うのは、イギリスの神経精神薬理学者のデイヴィッド・ナット医師。飲酒が脳や体に与える影響についてくまなく述べた新著『Drink?: The New Science of Alcohol and Your Health』は、彼の40年におよぶ研究の集大成だそうです。
Drink?: The New Science of Alcohol and Your Health
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二日酔いの体内で起きていること
二日酔いについて、ナット医師は「アルコール離脱症候群」だと断言します。
(二日酔いの時)体の中で起こっていることは深刻です。
それは、アルコール離脱症候群です。アルコール依存症の人が経験するよりも症状はそれほどひどくはなく、命にかかわることもないかもしれません。
でも、どんな言い訳をしても、脳と体にはアルコール離脱の症状が起きているのです。
引用:Idea.TED.com
たかが軽い二日酔いだと思っていたけれど、そう言われるとちょっとショック。
ナット医師によると、二日酔いのとき、体内には次のようなことが起こっているそうです。
1. アセトアルデヒドが発生する
アルコールが体内で代謝されるとき、アセトアルデヒドが発生します。
ナットさんはアセトアルデヒドは毒であり発ガン性物質だと述べています。
アセトアルデヒドの分解が遅いと、
吐き気や心拍数が上がるなどの症状がでます。
2. 神経伝達物質のGABAとグルタミン酸のバランスが崩れる
神経伝達物質のバランスが崩れることで、意識、記憶、判断力に影響がおよびます。だから、昨晩の記憶がないようなことも起こるんですね。
3. 炎症反応が起きる
炎症反応は、吐き気、嘔吐、頭痛、ふるえ、そして慢性うつなどの症状を起こします。
4. ミトコンドリアDNAに損傷がおこる
細胞内でエネルギーを生み出す役割を持つミトコンドリアは、
アルコール摂取で生成されるフリーラジカルによる損傷を受けやすいそうです。特に、肝臓のミトコンドリアは影響を受けやすいのだとか。
二日酔いにならない飲み方
ナット医師が二日酔いにならない飲み方のトップに挙げているのが、
「量を減らす」(自明)。それが簡単にできれば、二日酔いになるまで飲むこともなくなるのでしょうが…。
そのほかにも、いくつか方法があります。
1. ゆっくりペースで飲む
標準的なアルコールが分解されるのに必要な時間は、1時間から1時間半。
ゆっくり飲むと血液中のアルコール度がそれほど高まらず、二日酔いの症状も少なくなることがわかっているそうです。それなら、飲む時間をたとえば午後8時から10時までのように制限することも効果がありそう。
2. お酒と水を一緒に摂取
お酒と水を交互に飲むのはわたしもやっていますが、お酒の摂取量を減らすのに効果があると思います。
宅飲みならトイレへのアクセスを心配することもありません(これ重要)。
ナット医師は、氷の量を増やしたりお酒を水で薄めることもすすめています。3. 小さな容器で飲む
小さめのグラスだとつぐ回数が増えて、結局同じ量や飲みすぎにつながりそうで少々不安ですが、一晩の飲酒量を減らすのに効果があることがわかっているそうです。
大きなグラスで1杯の代わりに小さなグラスで3杯のように決めて、それを守れば量を減らせます。
二日酔いになってしまったら?
二日酔いの時には血糖値が下がります。
水分補給をしたり、何かを食べたりするといいそうです。ナット医師のおすすめは、栄養価の高い卵です。
また、
覚醒効果のあるカフェインを摂取したり、
体を動かすと代謝スピードを上げられるので、二日酔いの解消にプラスだそうです。
ただ、英語では「hair of the dog」と呼ばれる迎え酒。
これは、二日酔い対策にはならず、症状を長引かせるだけだそうです。お酒とじょうずに付き合う
2020年2月、ポッドキャスト「London Real」に出演したナット医師は、イギリスでは飲酒が大きな社会問題になっていると述べていますが、禁酒を説いているわけではありません。
飲酒が人間関係の潤滑油になることもあり、楽しい時間を過ごすために飲むのはOK。それに異論はありません。
パンデミックが続く今は外飲みはなかなかできませんが、帰路を心配しなくていい宅飲みでついつい飲みすぎて翌日に後悔することがないように、お酒とうまくつきあっていけたらと思います。
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Getty ImagesSource:
Ideas.Ted.com,
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