10代で女優として活躍した後、20代で2児の母になり、ファッション誌の表紙を次々に飾るモデルとしても成功。お子さんのロンドン留学をきっかけに環境問題に目を向け始め、個人的にボランティア活動を続ける中、昨年は社会支援活動をする一般社団法人「Think The DAY」を立ち上げた。そして現在は、牧場経営主に。紗栄子さんはまさに、人生をアップデートし続けている人! 「経営困難になってしまった牧場経営のお話を頂き、昨年8月に栃木県に引っ越しました。殺処分されてしまう馬を引き取り、お客様が乗馬体験や自然に触れるための牧場作りをしています。広大な土地の管理や動物の飼育、そしてもともと働いていた方たちの雇用の確保など、容易ではないところに足を踏み入れたわけですが、ゆかりのない土地に飛び込んだとはいえ一日も寂しい思いや、不安を感じたことはなくて毎日が幸せ。私自身、支援の輪が広がっていくのを目の当たりにできたり、一人でやるよりも大勢が集まった時に発揮される力がどれだけ大きいか、同じ目標を達成できるんだということを知っていたから、新たな仲間が増えてうれしいんです」
「自分のデュアルライフ(いくつかの拠点を行き来する生活)の中にまた一つ牧場が加わり、そこに守るべき家族が増えたという感じかな。私って、もともと時間や場所に囚われて生きていないんですが、こういう自分に育ててくれたのは両親であり経営者の父。誰にでも平等に接し、地域のボランティア活動にも積極的に参加していた父から学んだのは、短期目標を一つずつクリアしながら長期目標を達成することでした。たとえば牧場内のレストランで食材が必要ならできるだけ自分たちの手で野菜を育てるところから始め、採れた野菜や果物でジャムやドレッシングを作り、これを訪れてくださったお客様に購入いただき、こうやって牧場で働くスタッフのみんなや馬たちが安心して、安全に働いていける環境を守っていく。そうすればお客様もこの商品を選択してくれたことが何に繋がっていくかとてもわかりやすいと思うんです。私自身も口に入れる野菜がどこでどうやって作られたものなのかをわかっていることが安心だし、自分が心地いいことをしているだけで誰かのためにもなっているのって最高。自分の幸せが人の幸せになり、そして人の幸せがまた自分の幸せになるんですよね。芸能活動を始めた10代の頃から決められたレールに乗れるタイプではなく、違うと思ったことには自分が納得しないと首を縦に振れない性格で。当時はその性格がもどかしかったけど、今はそうやって意思を持って生きてこられたことは誇りになっています」 ■ HISTORY