正月から深夜残業…コロナのしわ寄せで休めなかったメーカー社員の年末年始

日刊SPA!

 2021年が幕を明けたが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大防止の政府の提言により、10連休以上の休みをとったという人も。

のんびりとした年明けを過ごした者も多い中で「休み? そんなもん2日間しか取れませんでしたよ……」、そう重い口ぶりで話すのは都内の電機メーカーでマネージャーとして勤務する原田匠さん(仮名・33歳)。これまでも何度か、モンスター派遣社員に悩む姿を取材させてもらっている原田さん。今回は、正月休みを返上して激務に追われていた彼の年末年始を紹介したい。

◆コロナのせいでさらに激務に

「今はSEという立場上、シフト勤務なんです。SEはただでさえ人手不足なのに、コロナで遅れた新商品の発売がまとまったものだから秋から徐々に激務になっていきました。11月は午前8時に出社して深夜2時、3時までは当たり前。会社から家までタクシーで帰ると6000円以上かかるので、会社の近くに住んでいる同僚の家やネカフェで2時間ほど寝てまた出社……なんて日も。先日なんて久しぶりに終電で帰れたのに、あまりにも疲れていて電車で寝過ごしてしまったんです。終点まで行ってしまったので家まで帰るのにタクシーで7000円もかかってしまい、その日の残業代がすべて飛んでいきましたよ……」

さらに、12月に入るとシフトどおりに休めない日も増えたという。

「一応、週休2日なのですが、あまりにも人出不足なので急に休みが変更することも。特にクリスマスは派遣社員のほとんどが休みたいと言い出したので、僕の休みはギリギリまで決定しませんでした。結局、休みがとれたのは21日でそれも前日に『明日、休みで』と言われました。クリスマスは彼女と過ごす予定だったのですが案の定、24日と25日は人が足りずに僕ともう1人のマネージャーで深夜1時まで残業していましたね……」

◆同僚が濃厚接触者になったせいで……

年末になると、さらに追い打ちをかけるような出来事が起きたという。

「他のマネージャーの家族がコロナに感染してしまったんです。彼自身が濃厚接触者となってしまったので、自宅待機を終えるまで僕を含めて3人のマネージャーで回さなければいけなくなってしまいました。それまで平均10時間勤務だったのが1人足りなくなったことでさらに激務に……。会社からは『これ以上残業はしないでほしい』と言われても、終わらないものは無理じゃないですか。しかも、2週間分ほど残っている有給も消化しないといけないので正月はせめて三が日まで休みたいと申請したんです。しかし、直前に却下されてしまい31日と元旦の2日間しか休めませんでした……」

◆正月早々、終電帰り

1月2日、午前9時に出社し、マネージャー2人で終電まで業務をこなしたと語る原田さん。さらに3日は午前9時~午前3時まで就業したという。

「しかも、ただでさえ忙しいのに派遣社員からやたら相談の電話やLINEが来るようになったんですよ。初めは業務相談だったのですが、だんだん『会社を辞めたい』という相談になり、時間かまわず電話がかかってくることも。大晦日の夜中に電話が来て、同棲している彼女に疑られて大喧嘩になりましたよ。激務のせいでここ数ヶ月、夜のほうもサッパリなので機嫌が悪いというのもあるようですが、毎日疲れすぎてとてもそんな気分になれませんね……」

現在、システム管理以外にもカスタマーサポートの派遣社員の管理にも追われているという原田さん。コロナにより繁閑の格差が広がる現代社会。「忙しいのはよいこと」とは言うが、原田さんの疲れきった顔を見るとそんな言葉をかけることはできなかった。<取材・文/結城>

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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