●自分の実力は関係ないと考えていた
昨年、所属事務所を移籍し、新たなスタート切った岡田結実。きょう7日にスタートする読売テレビ・日本テレビ系ドラマ『江戸モアゼル~令和で恋、いたしんす。~』(毎週木曜23:59~)では、1860年の江戸から現代の東京にタイムスリップした吉原の花魁・仙夏を演じる。
これまでのドラマ主演は「前の所属事務所のおかげ」と謙そんする岡田。移籍後初主演となる今作に、どのような心境で臨んでいるのか――。
○■自分は諦めやすい性格…「マネできない」役柄
――今回のオファーを聞いたときの率直な気持ちを教えてください。
「私が主演で良いのか?」とびっくりしました。初めてお着物を着てかつらをかぶり、花魁(おいらん)のメイクをしてポスターやティザー動画などの撮影をさせていただいたのですが、「本当なのかな?」といまだに実感がわきません。主演を務めることは正直、もう二度とないだろうと思っていたので。
――そう思ったのはなぜですか?
これまで主演をやらせていただけたのは、前の所属事務所のおかげで、自分の実力は一切関係がないと考えていて。そんな中でこの役を頂き、すごくうれしかったです。求めてくださる方がいることに純粋に泣きそうになりました。
――原作はお読みになりましたか?
読みました。原作に目を通して「現代に来ちゃう花魁ってどうなるんだろう?」と思っていたのですが、実際に脚本を読んでみると、似てるところもあれば違うところもありましたね。
――脚本を読んでみての感想はいかがでしょうか。
胸に刺さるセリフやグッと熱くなる言葉、思わずウルっとくるシーンがいくつもありました。その上で、じゃあ、自分はどう演じようかなと。仙夏はすごく濃い人生を歩んできた女性。彼女が生きてきた時間の濃度に比べたら、自分の経験値なんて1ミリくらいです。私が演じる仙夏で、蔵地や泉美ちゃんの心を動かすことができるのか不安もあります。すごく難しく、今までやったことのない役ですが、仙夏を演じきれたときに、自分の成長につながるんじゃないか、ステップアップできるんじゃないかと、不安と楽しみが一緒になっています。
――特に胸に刺さったセリフは?
仙夏が言っていた「今ここで咲く」というセリフが心に残っています。どんなに厳しい状況や悲しい状況に置かれても、咲き誇るんだと決めて突き進む仙夏の生き様がこの力強いワードに表れているような気がして、諦めやすい性格の私としてはマネできないと感じました。憧れますね。
――憧れというと、ご自身と比べて、仙夏は遠いところにいるイメージなのでしょうか。
めちゃくちゃそうだと思います。でも、似てるところもあるにはあるんですけどね。たとえば、ポジティブなところとか。仙夏は幼い頃に身売りされて吉原での生活しか知りません。そこからタイムスリップして、現代で目の当たりにするものすべてに驚き、「すごい」と前向きに捉えているのですが、私も無駄にポジティブな人間なので(笑)。演じている自分も元気をもらえそうです。
○■花魁姿になるのは「予想以上にハード」
――初めて花魁の衣装に袖を通しての感想はいかがですか?
もう、衣装もかつらもメイクもめちゃくちゃ素敵で。これまでおぼろげだった仙夏のイメージを少しつかめた気がします。
――時代劇の衣装を着るのも初めてですか?
初めてですね。「着物ってこんなに重いんだ」とか「髪を結うってこんな大変なんだ」とか「こうやって白塗りするんだ」とか、裏の部分を知ることができたのは良い経験です。メイクさんと「江戸時代の人すご過ぎじゃない!?」と話していました(笑)
――花魁の姿になるまでどれくらいかかるのですか?
3時間ぐらいかなぁ。予想以上にハードでした(笑)
●コロナ禍での移籍、人生や仕事で自問自答
――2020年は所属事務所も変わりました。今後は女優業に力を入れていきたいとお考えですか?
役者にしぼらず、バラエティやモデルの仕事も全部180%ぐらい、フル回転でやっていきたいんです。だから、最近思うのは身体がもう1つ欲しい。もしくは、無睡眠でも仕事ができる人間になりたい。私、しっかり12時間睡眠取っちゃうタイプなので(笑)
――事務所を移籍して何か心境の変化はありましたか?
前の事務所は大きかったこともあり、以前は心のどこかで「大丈夫でしょ」という安心感があったように感じます。でも、今のグラグラの事務所では、自分もグラグラグラっとしちゃって(笑)。ちょうど事務所を移籍するタイミングでコロナの自粛期間に入ったこともあって、どう仕事と向き合っていくべきか、めちゃくちゃ考えましたね。自分の人生についても考えたし、仕事への向き合い方がこれでいいのかと自問自答もしました。
とはいえ、自粛期間前半は1人でゲームをしたりして遊びまくっていましたけど(笑)。後半は早く仕事がしたかったですね。
――では、見どころと視聴者へのメッセージをお願いします。
仙夏の「今ここで咲く」という考え方や、現代ではあまりなじみのない“粋”という価値観に注目していただきたいです。ほかにも、蔵地たちとの四角関係や、仙夏がお世話になるお家でのほっこりとした会話など、見どころはたくさんあります。私自身、仙夏のまぶしい生き方をすごくまぶしいと思いながら演じていくので、彼女から発せられる何か熱いものを感じ取っていただけたらなと思います。
●岡田結実2000年生まれ、大阪府出身。01年、1歳で子役ファッションモデルとしてデビュー。11年から13年まで『ニコ☆プチ』、14年から15年まで『ピチレモン』の専属モデルを務め、17年映画『傷だらけの悪魔』で女優デビュー、19年『私のおじさん~WATAOJI~』で連ドラ初主演を務める。20年、所属事務所をオスカープロモーションからViivoに移籍。21年1月7日スタートのドラマ『江戸モアゼル~令和で恋、いたしんす。~』に主演。