滝沢秀明がジャニーズ副社長になって激変──消えるジャニーズタブー

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 山下智久や手越祐也が、長く在籍したジャニーズ事務所を去った2020年。これまで週刊誌が所属タレントのプライベートを“スキャンダル”として報じても無視を決め込むことの多かったジャニーズ事務所だが、昨年は明確な変化が起こっていたようだった。

まず3月、デビューしたばかりのグループであるSnow Manのリーダー・岩本照が、未成年女性とラブホテルで飲酒をともなう合コンを開いていたと「FRIDAY」(講談社)が報じた。

合コン自体は2017年に行われたものであったが、未成年がいる酒席に参加していたということ自体が<社会人としての自覚と責任が欠如していることの表れ>であるとして、ジャニーズ事務所は岩本の芸能活動を約4カ月間自粛させた。Snow Manは滝沢秀明副社長が特に可愛がってきたグループであり、この動きはファンたちにも驚きを持って受け止められた。

その後、日本国内でも新型コロナウイルスの感染が急速に広がり、4月には緊急事態宣言が全都道府県に拡大。ジャニーズ事務所は「Johnny’s Smile Up ! Project」というチャリティー企画の一環として、医療機関へのマスク・防護服の寄付や、タレントが手洗いや外出自粛を呼びかけるなどの社会貢献活動を活発化させた。

そんな最中でも、NEWS(当時)の手越祐也が複数の女性とパーティーを開催していたことを「文春オンライン」および5月13日発売の「週刊文春」(文藝春秋)が報じる。ジャニーズ側は手越の軽率な行動を重く見て、チャリティー企画の特別グループ・Twenty★Twentyから手越を外すと発表した。

その直後、5月23日付「文春オンライン」にて、手越は再び六本木のバーやラウンジで女性と朝まで飲み明かしたことを報じられた。これを受けてジャニーズ事務所は、手越の芸能活動自粛を発表。その翌月、手越は謹慎が明けるのを待つことなくジャニーズ事務所を退所した。

8月には、山下智久と亀梨和也(KAT-TUN)にも未成年女性との飲酒スキャンダルが報じられた。これも「文春オンライン」だ。記事によれば、山下は飲酒後にタレント活動をしている女子高校生と滞在中の高級ホテルに行き、ひと晩を過ごしたともあった。

これを受けてジャニーズ側は亀梨に「厳重注意」、山下は「芸能活動自粛」にすると決定。その後、山下は海外から映画出演のオファーがあったことなどを理由に10月31日付でジャニーズ事務所を退所している。コロナの影響で発売が延期となっていた、亀と山P名義のアルバム『SI』は、完成していたにもかかわらず発売中止となった。

2020年にデビューしたばかりの期待の若手から、事務所を支える人気中堅タレントまでスキャンダルに見舞われた2020年。ジャニーズ事務所の“長男”にも醜聞が報じられた。

11月には、近藤真彦が25歳年下の女性と5年にわたって不倫関係にあると「週刊文春」で暴かれた。同月、ジャニーズ事務所は<家庭を持つ一社会人による振る舞いとして大変軽率であり、自覚と責任に欠ける行動であったと弊社といたしましては重く受け止めております>とコメントを出し、近藤は無期限の芸能活動自粛に。デビュー40周年記念のコンサートも中止となった。

ジャニーズJr.の不祥事も、今まで以上に厳正な対処があった。

10月2日付「文春オンライン」にて、ジャニーズJr.のグループ・宇宙Sixのメンバーである山本亮太が闇営業のスロット店に出入りしていることが報じられ、すぐさま契約解除となった。

その後、宇宙Sixの残りのメンバー3人が話し合った結果、<連帯責任なので、けじめとして解散という形をとらせていただけないでしょうか>と会社に申し出たためグループは解散した。

この結末に対して、山本と20年近く親交のあった滝沢秀明副社長は、日刊スポーツに対して<彼が苦労していた時や楽しい時に一緒に過ごしていた時間もあったので、個人的には非常に期待もしていましたし、ある意味かわいい後輩の1人という感覚><ですが、やはり今回のことは、かばいきれなかった。悔しい思いが強いです>とコメントしていた。

一方、山本は翌11月にSNSのアカウントやYouTubeチャンネルを立ち上げソロ活動を始めている。

ジャニーズJr.のスキャンダルは他にもある。12月20日付「文春オンライン」は、ジャニーズJr.のグループ・美 少年の佐藤龍我と女優・鶴嶋乃愛が交際していると報じた。佐藤は東京郊外で一人暮らしする鶴嶋の自宅に泊まり、仕事や高校に行っていたという。

これを受けてジャニーズ事務所は佐藤の芸能活動自粛を発表。恋愛だけでこのような処分をくだすのは行き過ぎのように思えるが、ジャニーズ事務所としては「佐藤がまだ高校に在学中の未成年であること」「コロナの感染に注意しなければならない社会状況にも関わらず、軽率な行動をとっていること」を問題視したようだ。

このように2020年、ジャニーズ事務所はあらゆるスキャンダル報道をスルーせず向き合った。前述のようにジャニーズ事務所といえば、週刊誌などでスキャンダルを報じられても、刑事事件でない限りは無視し、息のかかったスポーツ新聞やテレビ局、週刊誌の版元も後追いしないのが当然となっていたことを考えれば大きな変化だ。

2019年7月に創業者のジャニー喜多川氏が亡くなり、ジャニーズ事務所は姪である藤島ジュリー景子社長・滝沢秀明副社長という体制に移行。特に滝沢氏はジャニーズ事務所の体質を変えて、クリーンな芸能事務所に生まれ変わるよう尽力しているようだ。

コロナの影響でコンサートや舞台の中止が相次ぐなか、手越や山下のような人気タレントまでもが事務所を去るという、ジャニーズ事務所にとっては災難続きの2020年となった。年末には少年隊の錦織一清と植草克秀も退社。今年3月にはTOKIOの長瀬智也も辞める。

すでに看板グループの嵐も活動を休止し、いよいよ新しい時代のジャニーズ事務所をつくらなくてはいけない。いつまでも旧時代のやり方に則っていては、進化が止まってしまう。YouTubeをはじめとしたネットメディアへの進出も、タレントの不祥事への介入も、ベクトルは同じだろう。SMAPと嵐がいなくなった2020年代、ジャニーズ事務所は次の“国民的アイドルグループ”を生み出すことは出来るのだろうか。

当記事はwezzyの提供記事です。

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