井上真央「私生活を充実させたい」焦りを経て たどり着いた自然体の今

 『花より男子』(TBS系)シリーズ、NHK連続テレビ小説『おひさま』、映画『八日目の蝉』(2011)、そして昨年12月にスペシャルも放送されたドラマ『少年寅次郎』など、その年代ごとに代表作を放ってきた女優・井上真央。今月9日に34歳を迎える彼女にとって2021年の幕開けとなるのが、主演映画『大コメ騒動』だ。

1918年、全国規模の大暴動へと発展した史実「米騒動」を題材にした本作で、井上が演じるのは、米の高騰を受けて家族のために行動を起こすおかか(女房)の1人・いと。静かなタイプだったいとが、やがて皆を率先していく強い女性になっていく。そんな変化を演じた井上に、映画について、さらに井上自身の変化を聞いた。

■ ヒロインたちの姿は、今の時代にも通じる

「米騒動」。歴史的な単語として聞いたことがあっても、実際それがどんな風に始まったのか、どんなものだったのかを知っている人は少ないはず。井上も、漠然としか知らなかったと明かす。

「富山の女性たちが発端となって広がっていったといわれていることを、今回初めて知りました。脚本では、女性たちがぶつかり合いながらも声を上げ、立ち上がっていく姿が生き生きと描かれていて、今の時代にも通じるものがあるように感じました」。そして、「一人の女性の成長していく姿に共感してもらえるのではないかと思います」と話す。

はじめは声を上げるタイプではなかったが、勇気を出して変わっていくいと。その変化が心に残る。演じる井上自身も、これまでの歩みの中で少なからず変化してきたはず。

■ 「もっと私生活を充実させたい」と焦っていた頃を経て

長い俳優生活について尋ねると照れ笑いを浮かべた井上。「自分で意識することはないんです。でも周りから言われることが多いので、『そうかぁ』とは思いますね。年上の方から『先輩ですね』と言われたり」と明かす。これまでのことを改めて振り返り、一番大きく変化したのは「自分を俯瞰で見られるようになったことかな」と考えを巡らせる。

ここ数年のインタビューで、周囲のスタッフなどへの感謝の言葉が特に増えてきた気がしていたのだが、“みんなで作り上げている”という意識はもともと強かったという。ただ、そこに加えて「最近は、自分自身を信頼できるようになってきた」のだとか。

「主演という立場に立たせていただくこともあったので、『頑張らなくては』との思いが強く、自分自身にプレッシャーをかけていたときもありました。でも今では、少し力を抜いて、全体の中での自分を俯瞰で見られるようになってきました。周りのことを見られるようになったというより、自分自身を見られるようになったのかな」。

また私生活とのバランスに関しては、もともと「仕事と私生活を分けてとか、バランスを取ることが苦手だった」そうで、「趣味を増やそうとか、何か資格を取ってみようとか、もっと私生活を充実させたいと思った時期もありました」というが、今ではそうした焦りがなくなったと話す。

「プライベートが反映される仕事ではありますが、普通に生活していくなかで、『自然に自分の好きなことをできればいいのかな』と。無理に何かを探そうとは思わなくなりました」と、肩の力が抜けて自然体で過ごせている現在についても明かす。

■ 真っ黒な日焼けメイク スタッフに気づかれないことも

2021年のスタートダッシュをかける『大コメ騒動』では、真っ黒に日焼けしたおかか(女房)として、堂々と立つ。

「脚本を読んだ段階では、まさかあれほど真っ黒になるとは思っていませんでした」と苦笑いしつつ、「最初は黒すぎるかなと思いましたが、だんだん慣れましたね」と述懐。共演の夏木マリも、室井滋も鈴木砂羽も、みなが真っ黒だ。

「スタッフに私だと気づかれないことも多かったです(笑)。女優陣は、お昼休憩に、そのままランチに行ったり、私も日焼けメイクのままで、撮影所の前の喫茶店でコーヒーを飲んだりしていました。いい思い出です」と振り返り、「ラストはとても爽快なシーンになっていると思います」とアピール。

仕事での気負いも、プライベートでの焦りからも解放され、外からも、穏やかな余裕を持ち得ているように映る井上。本作でのいとからにじみ出る強さも、さらなる活躍を期待させるのに十分だ。(取材・文:望月ふみ 写真:高野広美)

映画『大コメ騒動』は1月8日より全国公開。富山県では先行公開中。

当記事はクランクイン!の提供記事です。

あなたにおすすめ

ランキング

ランキングをもっとよむ

注目ニュース

注目記事をもっとよむ

あなたにおすすめ