ギズモード・ジャパンの中の人が選ぶ「2020年ベスト音楽」

shutterstock_1379296166000
Photo: Shutterstock.com

いつも以上にテクノロジーと音楽が近かった年。

コロナ禍のため、ライブやフェスなどがことごとく中止になり、現場で音楽を体感することが難しかった2020年。さまざまなアプローチのオンラインイベントが行われて、ギズモードでも多くの取材やインタビューをさせてもらいました。フォートナイトの中で米津玄師がライブをしたり、RADWIMPSがバーチャルライブを開催したり…日本人アーティストも出演したポーター・ロビンソンのオンラインフェスなんかもありました。

こんな時代だからこそ、音楽に救いを求めた人も多かったはず。ギズモードの中の人もしかり。ぼくらの「2020年ベスト音楽」を選びました。

『No Fear No More』Madeon




2020年、唯一行ったライブが、1月中旬のMadeon(マデオン)のライブでした。

高校生のころに知り、初めて生で見たMadeonのパフォーマンスは、(マデオンもガジェット好きなので)すごく親近感がありつつ、ミックスからVJまで最高にクールでした。

そんなGood Faith Liveのなかで披露されたなかの一曲、『No Fear No More』はライブ後にもっとも聴いた1曲。

「そもそも今はもう“ジャンルが破壊された後の時代”で、この状況こそが『ポストEDM』だと思う」と語った彼の、前向きさが現れたすごく清々しい1曲です。

(動画ディレクター・山本勇磨)

『The Plan(From the Motion Picture "TENET")』Travis Scott




オンラインイベントやオンラインフェスも、とても楽しかったんです。だけど、生で、爆音で、全身で音楽を浴びたいという欲求は、今年はなかなか叶えられませんでした。

そんななかまったくノーマークだったのが、今年一番楽しみにしていた映画『TENET』のエンディングで流れたトラヴィス・スコットの楽曲。 没入感たっぷりの『TENET』の興奮も相まって、9月中旬のまだあまり人の戻っていない映画館に響きわたる重低音に、胸がいっぱいになってしまいました。

4月に開催された『フォートナイト』上でのバーチャルライブは、のちに続く多くのオンラインライブに影響を与えるイノベーティブなものだったし、PS5やマクドナルド、NIKEなどのビッグブランドとのタイアップも大成功。トラヴィス・スコット=2020年の象徴といってもいいのでは?

(編集・トダサチコ)

『Delete Forever』Grimes




お気に入りの曲が102曲。

今年に入ってからSpotifyで音楽を聴き始めました。それ以前はどうやって生きてきたのか不思議になるぐらい、今では日々の暮らしに欠かせません。プレイリストはあまり作らず、もっぱら「お気に入りの曲」リストに惚れこんだ曲をボンボン入れていくずぼらスタイル。四季折々に好きだった楽曲が地層のように重なって、「春にはこんな音楽に囲まれてたんだな」と過去をふりかえるきっかけにもなっています。

2020年はとにかくエモい年でした。コロナ関連のニュースに一喜一憂し、ゴツいヘッドホンで防御壁を作ってひとりだけの世界に浸ることが増えました。

「ここではないどこか」へ行きたい欲求が爆発しそうになった時に聴いたのはMondo Grosso、Bearcubs、Rei Harakami、Roth Bart Baron、Spangle Call Lilli Line、林ゆうきさん。気分をアゲたい時にはくじら(ボカロ系のほう)、YOASOBI、くるり、サカナクション、DMA’S、Rina Sawayama、Friday Night Plans、米津玄師さん。

でもおそらく今年いちばん聴いたのはGrimes(グライムス)です。仕事がきっかけでアルバム『Art Angels』を聴いてから、猛烈な勢いでハマりました。今年発表された『Miss Anthropocene』は評価が分かれているようですが、わたしにとってはGrimesの魅力がぎっしり詰まっているアルバム。自分の作品に対する圧倒的な執着心が伝わってくるところがいい。妥協は一切なし。

熱中できるコトやモノやヒトやオンガクを見つけたら、人間ってこんなにもクリエイティブになれるんだ、と励まされました。「好き」のちからって偉大!

(ライター・山田ちとら)

『XS』Rina Sawayama




2020年のポップミュージック界は、特に女性アーティストたちがキラッキラ輝いていた印象です! Doja Cat(ドージャ・キャット)の「Boss Bitch」、Dua Lipa(デュア・リパ)の「Physical」、Miley Cyrus(マイリー・サイラス)の「Midnight Sky」、Lady Gaga, Ariana Grande(レディ・ガガ、アリアナ・グランデ)の「Rain On Me」…。

そんななかでもっとも気になったのが、Rina Sawayama(リナ・サワヤマ)の「XS」。独自の世界観をガッツリと放ちながら、現代のキャピタリズム(私たちがすっかり慣れ親しんでいる消費習慣の裏側で忘れがちなこと)をうまくクリティカルに表現していて、あぁこれはじっくり解釈させてください!という気持ちになる一曲です。

とはいえ曲調はポップで、ミュージックビデオは全体的にコミカル。ところどころでRina Sawayama本人が惜しみなく顔芸を披露してくれているのもポイントです。

前奏で和風なメロディーが流れたと思ったら、まるでアクション映画が始まるかのようなタンタンタンターン!というキレの良いリズム、そして「ヘーイ」とはじまる彼女の芯のある歌声にどんどん引き込まれていきます。まだの方はぜひ一度、MVをどうぞ!

(ライター・Rina Fukazu)

『清濁あわせていただくにゃー』わーすた




転げ落ちるようなドラムに導かれ、6本の狂ったハガネの振動が世界を震わせる。

そんなイントロが示す通り、本曲はロックバンドUnison Square Gardenの田淵智也作詞作曲による、いまどき珍しいバンドサウンドを貴重としたアイドル楽曲だ。まず何よりも「清濁合わせていただくにゃー」という曲名がいい。毎月のように一変し続ける社会情勢に我々人類は悲しみ、ときにぬか喜び、あるいは疲弊した。そんな2020年を肯定して次の“小節“へ歩みを進めるには「清濁合わせて食い尽くせ」という本曲のステートメントは力強く、可愛く、軽やかだった。

和声をはじめ基本的な構造こそJ-POPだが、5人のボーカルを駆使し常に歌声が途切れないコンポジションは“別角度“からの世界基準ポップへのアプローチと言えるだろう。そして、一度しか現れないAメロを歌い、鮮やかなキックを決める、若き日のミック・ジャガーのようなルックスで全盛期のリアム・ギャラガーなみの“無敵チンピラ感“を醸す三品瑠香が白眉だ。「だって美味しさってさ/期限付きだもん」というアイドルに対するメタ視点を含むセンチメント全開ラインに続く、「この瞬間駆け抜けなくちゃ/NO NO NO NO NO NO NO NO でしょ!」という三品が歌うミドルエイトを聴いていると、1950年代にブルースエードシューズを踏まれた少年の激情劇場が憑依してしまい、そのあまりの熱狂に発狂し、2階の窓を突き破って地面に激しく打ち付けられながら転げ回った挙句に大雨に打たれ大笑いする。その刹那、目覚めたのは真っ白な広い部屋。そう、新しい世界が僕を待っていた。「知らない天井だ」。

(ライター・照沼健太)

『炎』LiSA




なんといっても、劇場版『鬼滅の刃 無限列車編』主題歌の『炎』でしょう。といっても、聴くようになったのは映画をみたからではありません。元モーニング娘。の後藤真希さんが、自身のYoutubeチャンネル「ごまきのギルド」で「うたってみた」で『炎』を披露してから。彼女の表現力も良いんですが、改めて、歌詞に注目したら泣けてきたというか。

道ゆく小学生や息子が『炎』を歌いまくっているので、耳から離れないというのもありますね。

いろいろと理由はありますが、『炎』は私の中で2020年を象徴する名曲であることは間違いないでしょう。

(ライター・中川真知子)

当記事はギズモード・ジャパンの提供記事です。

あなたにおすすめ

ランキング

ランキングをもっとよむ

注目ニュース

注目記事をもっとよむ

あなたにおすすめ