30周年を迎えたロボットアニメ「勇者シリーズ」8作品が大集合『超勇者展』オフィシャルレポート

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超勇者展--それは、2020年に30周年を迎えたロボットアニメの人気作「勇者シリーズ」の全8作品(『勇者エクスカイザー』『太陽の勇者ファイバード』『伝説の勇者ダ・ガーン』『勇者特急マイトガイン』『勇者警察ジェイデッカー』『黄金勇者ゴルドラン』『勇者指令ダグオン』『勇者王ガオガイガー』)の貴重な資料を、OVAやゲームオリジナルの勇者である『勇者聖戦バーンガーン』、公式サイトのエイプリルフール企画や、各種玩具展開なども網羅し、公開する企画だ。

展示内容は前期・後期に別れており、前期は『勇者エクスカイザー』『太陽の勇者ファイバード』『伝説の勇者ダ・ガーン』『勇者特急マイトガイン』『勇者警察ジェイデッカー』の5作品の資料が展示されている。今回は、その前期展示の内覧会のレポートをお届けしよう。


会場に入ると、まずは各作品の主役ロボが集合した、本展のために描き下ろされたメインビジュアルの巨大看板が来場者を迎える。続く通路部分にも、それぞれのロボが単体で、人間とほぼ同じサイズに巨大印刷されており、壮観だ。同じ並びには、シリーズの年表と、サンライズのプロデューサー・吉井孝幸、シリーズを通してメカニックデザインに携わった大河原邦男、シリーズで監督を務めた谷田部勝義、高松信司、望月智充、米たにヨシトモのコメントを掲載したパネルも掲出されており、30年の歴史の重みを感じさせる。


その通路を抜けると、まずはショーケースの中に、テレビ放映時に販売されたシリーズの主役ロボの玩具が展示されている。本展示のポイントのひとつが、「勇者シリーズ」があくまで玩具展開との連動ありきで企画された作品であることを、きちんと資料を通じてみせること。そのため、玩具自体はもちろんのこと、タカラトミーの協力を得て、玩具に関連した資料類も、企画書やデザイン案のラフ、玩具の試作品などが多数展示されている点もみどころだ。

『勇者エクスカイザー』初期の企画検討書は本邦初公開



玩具のショーケースから先に進むと、シリーズ第1作の『勇者エクスカイザー』から順番に、作品単位での展示がスタート。その『勇者エクスカイザー』のコーナーでは、本展が初公開の場となる、シリーズ初期の企画検討書が注目ポイント。完成した『勇者エクスカイザー』のキャラクターデザインは平岡正幸、メカニックデザインは大河原邦男だが、検討段階の『エクスカリバー』(仮題)では、キャラクターはいのまたむつみ、メカニックデザインは石垣純哉が担当。キャラもロボも、ほぼ同時期に製作されたターゲット層の近いタイトルである『魔神英雄伝ワタル』『魔動王グランゾート』を思わせるファンタジーテイストでまとめられている。のちのスペースには、タカラトミー(当時は「タカラ」)側からの初期企画案も展示されており、ゼロベースからオリジナル企画が立ち上がる瞬間のダイナミズムを一望することができる点が興味深い。


続く『太陽の勇者ファイバード』『伝説の勇者ダ・ガーン』『勇者特急マイトガイン』『勇者警察ジェイデッカー』の展示も、企画初期のラフ案から正式なものに至るまでのデザインの変遷が、通時で追いかけられる展示内容になっている。アニメーター向けに配布された作画参考の資料では、各種の注意書きもそのまま展示されている。キャラクターを魅力的に見せるためのポイントを記したものもあれば、主な視聴ターゲット層を意識したNG項目の注意もあり、大人の目線でそうした配慮を感じ取るのもまた一興だ。『勇者特急マイトガイン』のコーナーで、作品の最終回を覚えているとニヤリとできるメモ(制作デスクの古里尚丈によるもの)がさりげなく配置されているのも、細かい点ではあるが、ファンにはみどころだ。


玩具、制作資料以外にも、各作品の番宣ポスターや、本編や版権イラストのために作成された貴重なセル画も展示。セル画は、アニメーションの制作工程がデジタル化された現在では、特殊な事情がない限りは生まれないもの。生素材の迫力は、こうした展示でしか味わえないものなので、じっくりと堪能してほしい。


サンライズの資料課には、まだまだ膨大な資料が


協力・監修を務める株式会社サンライズの木内拓馬は、本展について、こうコメントする。

「『勇者シリーズ』は、広くファンのいる人気シリーズです。ですから、こうしたイベントを開催する上では、濃いファンだけを意識しても、逆にライト層だけのことを考えてもダメなんです。そこのバランスと、各タイトルごとのバランスには、非常に気を使いました。

みどころのひとつは、エイプリルフール企画でしょうか。2017年に続いて、2020年のエイプリルフールにも企画を準備していたのですが、コロナ禍の状況で発表を取りやめたんです。しかし、そのための動画を用意したり、新番組風に設定を起こしたり、かなり手のこんだことをやっていたので、この機会に表に出すことにしました。本気の作りになっているので、ぜひ会場でお楽しみいただければと思います。

グッズ関係も力を入れています。今回、商品用に約30体の勇者ロボの描き下ろしを依頼しました。現在、メカを描けるアニメーターの存在は大変貴重です。主役機だけでなく、二号ロボ、三号ロボまで合わせたこれだけ大量の『勇者シリーズ』の描き下ろしは、前代未聞です。しかも、主役の8体は、ベテランの中谷誠一さんに、別作品の現場もお忙しい中、無理をいってお願いしてしまいました。ほかの勇者ロボも、精鋭アニメーターにお願いしています。今回のラインナップにないロボも、ファンのみなさんの声が大きければ……。ぜひ、ご来場の折には、物販にも注目していただけるとうれしいです。

サンライズの資料課にはまだまだ、機会があればぜひみなさんにお見せしたい、膨大な資料が残されています。今回展示したのは、アニメーション研究家の五十嵐浩司さんにご協力いただいて厳選した、あくまで一部です。そうしたものを表に出せる機会もあればと思いますが、まずは前期・後期と、超勇者展をお楽しみいただければ幸いです」


物販コーナーでは、描き下ろしイラストを使用したアクリルスタンドやパスケース、ステッカー、モバイルバッテリー、クリアファイル、描き下ろしイラストを収録したアートワークなどを販売。ほかにも、絵馬やTシャツなど、ユニークなアイテムが揃っている。また、同コーナーには、グッドスマイルカンパニーや千値練、コトブキヤ、バンダイといった各社から販売予定の新アイテムの参考展示も。今後の展開への期待も、否が応でも高まる展示会となっていた。

取材・文:前田久

当記事はSPICEの提供記事です。

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