Image: 国立天文台 冬の夜空はサンタとトナカイ、だけじゃない。
12月の天体ショーといえば、ふたご座流星群が有名ですが、今年は12月中旬から下旬にかけて約400年ぶりの「土星と木星の大接近」が見られます!
公転周期が約12年の木星と、約30年の土星は20年に一度、同じ方向に並ぶ「会合」という接近状態になります。ただ、土星と木星の公転軌道がわずかに傾いているせいで上下方向にずれるため、「会合」のたびに大接近するわけではありません。新月のたびに日食が起きないのと似ていますね。
AstroArtsによると、12月中に地球から見た2つの惑星の間隔は、約2度未満になるんだとか。天体の見かけの距離感やサイズは角度で表現するそうで、2度未満というと50cm先にある1円玉の直径と同じくらいの距離感になります。それが17日から25日くらいまでは0.5度未満(1m先にある50円玉の穴程度)にまで近づきます。つまり、肉眼では1つの星に見えるほどまで近づくということです。
観測可能な大接近は約800年ぶり!
最接近する21日夜から22日未明にかけては、望遠鏡を使えば土星と木星だけでなく、木星の衛星ガリレオも同じ視野で見ることができます。これほどの大接近は1623年以来。1623年とは、まさにガリレオ・ガリレイの時代です。
ただ、アリゾナ州にあるローウェル天文台のケビン・シンドラー氏は
National Geographicに「このときは両惑星が太陽に近い位置にあり、観測はむずかしかったと思われる」と語っています。同氏いわく、観測可能な「大接近」となると1226年以来になるそうで、これはぜひ見たいですね!
Image: 国立天文台 土星と木星が今期最接近するのは、12月22日の午前3時ころ。ただ、この時間日本では両惑星ともすでに地平線の下に沈んでしまっているので、私たちが一番接近した状態を見られるのは、21日と22日の日没直後になります。南西の低い空にあらわれるので、見晴らしのいい場所で観測するのがおすすめです。
次の大接近は60年後になるので、寒さ対策を万全に遠きガリレオに思いを馳せながら、冬の天体ショーをお楽しみください!
Source:
National Geographic 、
国立天文台、
AstroArts