忘年会自粛でパーティースペースに特需? 初期投資40万円で副業にも最適

日刊SPA!

◆飲食店での忘年会、新年会は自粛ムード。一方、レンタルスペースは?

例年とは違う過ごし方が求められる今年の年末、都内の飲食店は短縮営業を余儀なくされ、忘年会も自粛ムードが漂っている。そんななか不特定多数との接触を避けて、気心知れた仲間内で楽しめる貸し切りのパーティースタイルが注目を集めている。都内で4件のレンタルスペースを運営する深瀬氏(Twitter:@mardoc96)は期待を滲ませながら語る。

「今年はコロナのせいで散々な1年、10月の月次も昨年と比べて半分ほどでした。せめて12月の繁忙期くらいは前年超えまでいかずとも、前年比90%くらいの売上を出して新年を迎えたいですね」

室内には除菌ジェルを設置し、利用者には定期的な換気をお願いするなど、コロナ対策に気を配りながら12月の営業に臨む。

「私はパーティーに特化したレンタルスペースを都内で2つ運営していて、去年は1部屋で月100万円の売り上げを叩き出すこともありました。今年になってコロナで落ち込んだ売上は現在も回復しておらず、特に15名収容の大部屋が深刻です」

コロナ対策で必要となった新たな経費負担も悩みの種となっている。

「プロの清掃業者にお願いしている清掃も、コロナ前は週1,2回の頻度だったのを今は毎日除菌スプレーで拭き掃除してもらってます。清掃の外注費用も上がって月に5万くらい。痛い出費ですが、背に腹は変えられまえん」

◆少人数向けスペースは回復の兆し。CM放映の援護射撃も

足元ではまだまだ厳しい状況が続くが希望もある。

「大箱は依然として厳しいですが、少人数向けのパーティスペースは前年並み程度の回復が期待できます。ソーシャルディスタンスを考慮して利用人数を8名から6名に減らしたことでより安心感を持ってもらえたようです。ほかには2,3名で利用する貸し会議室も運営していて、こちらの需要はテレワーク、会議、面接などで前年以上に好調です。今後も少人数向けのレンタルスペースの需要は底堅いと思います」

レンタルスペースマッチングサイトを運営するスペースマーケット社は、貸切でのクリスマス会や忘年会需要へ訴求するテレビCMを放映中だ。深瀬氏のようなレンタルスペースオーナーにとっては心強い援護射撃となる。

「CMには期待していて、気のおけない仲間たちでのレンタルスペース利用が文化のように定着すると、業界的にも明るい。最近はおうちデート的に、カップルが借りて映画鑑賞や手料理を楽しむ使い方も増えてます。居酒屋より感染リスクがないプライベート空間であることが好まれているようで、二人での利用だと単価を下げざるを得ない面はあるものの、空いてるより利用があった方がありがたい」

本来であれば忘年会やクリスマスパーティーがある12月は予約で埋まり、最大の書き入れ時となるはずだったが、2020年12月の予約状況はほどほどの滑り出しとなっている。

「去年は11月時点で12月の予約が7割くらい埋まってましたが、今年は週末を中心に予約が入ってる状況です。みなさんコロナ感染者数の様子を見ながら予約を入れてる感じなのでしょう、TVCM効果で12月の駆け込み予約を期待したいです」

◆初期費用は1年で回収できる

コロナ禍で苦境にあるものの、少人数向けスペースは堅調傾向にあり手堅いサイドビジネスに成り得る。深瀬氏がパーティールーム開業のため備品にかける費用は約40万円ほどで、立地さえ間違えなければ初期投資は1年で回収できるという。

「新宿、渋谷は需要がありますが家賃も高いエリアです。それよりは池袋、上野、五反田あたりの家賃は安いけど需要もある地域が狙い目です。最近大塚でレンタルサロンを開業しましたが、家賃は5.5万円で備品は15万円と初期投資は抑えめ。普通のサラリーマンの方でも貯金で始められる事業だと思います」

レンタルスペースの出店で大事なのはマーケティングだと強調する。

「競合の調査や、エリアマーケティングは欠かせません。私のパーティスペースは韓流ブームで賑わう大久保から近いので、妻のセンスでK-POP好きな女性が好みそうなインテリアにしました。女子会需要を取り込めた結果、男女比5:5の利用だったのが、今は女性客が7割です」

◆忙しいサラリーマンに向いている

忙しいサラリーマンであっても、外注を活用すれば清掃や予約管理も問題ないとのこと。

「私は江ノ島在住で頻繁に都内には行けません。そこで売上の10%で運営を代行してくれる業者に外注して管理をお願いすることで、オーナーがやるべきことに専念できます。今は次なる出店に向けてのリサーチや物件探しに力を入れていて、物件(立地)選びで8割勝負がつくので妥協はしたくないです。ただ不特定多数の出入りがNGの物件が多くて、レンタルスペース向きの物件は感覚的に100件中1件くらいの割合ですね」

深瀬氏のパーティスペースがある新宿歌舞伎町は、需要の強い立地である一方、場所柄なのか運営の苦労もあると明かす。

「酔っ払ったお客さんに、テレビやドアを壊されたことがあります。ほかには騒ぎすぎて警察呼ばれたことも。近隣の迷惑になるので現在は深夜営業は止めて24時までの営業にしています。まあ、苦労もありますが工夫したことがすぐに予約という結果に現れるのでやりがいのあるビジネスですよ」

新しい生活様式で人々の行動が変様した今、小規模レンタルスペースにビジネスチャンスを見出す個人が増えそうだ。

〈取材・文/栗林 篤〉

【栗林 篤】

不動産、マネー、ネットカルチャー分野を得意とするフリーライター。社会事情についても執筆する。

著書に『サラリーマンのままで副業1000万円』(WAVE出版)。Twitter:@yuutaiooya

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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