リクルート関連会社員が就活生にわいせつ行為で逮捕。OB・OG訪問アプリ側の対策は?

日刊SPA!

◆令和になってもなくならない前時代的な就活セクハラ。対策は?

コロナ禍で厳しさを増す就職戦線、活路を模索する学生にとって新たな就活チャネルとなっているのがOB・OG訪問のマッチングアプリだ。OB・OGのツテがない学生にとって、アプリを介してカジュアルに現役社員のリアルな声を聞けるメリットは大きい。

就活本『就職活動が面白いほどうまくいく 確実内定』の著者で、就活事情に詳しいトイアンナ氏は最近のOB・OG訪問についてこう解説する。

「OB・OG訪問は2パターンあり、会社指示のもと指定された社員が訪問を受けるケースと、社員が自発的に受けるケースに分かれます。前者のOB・OG訪問では本音を聞き出しづらいことから、近年はアプリなどを経由したがOB・OG訪問が人気です。しかし、本来忙しい社会人が何の見返りもないOB・OG訪問を受けるので、なかにはよからぬ下心を持つ人間が混ざるリスクが排除できません」

最近もOB・OG訪問アプリを悪用した事件がニュースとなった。今月3日、株式会社リクルートコミュニケーションズの社員が、7月にOB・OG訪問アプリ「Matcher」(マッチャー)で会った女子大生に睡眠薬を飲ませ、暴行を働いた疑いで再逮捕された(同社員は今年6月、30代女性に睡眠薬を飲ませて性的暴行を加えたとして逮捕されていた)。複数の就活生が同様の手口で性被害に遭ったと報じられている。

男が在籍していたリクルートコミュニケーションズは「当社ではこの度の事態を深刻に受け止め、このような事態を二度と起こさないよう、社内教育の徹底等の再発防止策に努めてまいります」とコメントを発表し謝罪。立場の弱い学生につけ入る卑劣な行為は、令和になっても根絶できていない。

◆安全への取り組みは? Matcherからは回答得られず

大部分のOB・OGが真面目に学生の相談に乗っており、ごく一部の悪意あるユーザーが問題であることは間違いないが、マッチングアプリ側で安全性を高める余地があるのではないだろうか。Matcher株式会社へ安全性に関する質問をフォームから送信したが、現時点で回答は得られていない。

「社会的な新卒採用の課題解決」をコンセプトに、就活支援アプリ「社長と晩ごはん」を運営する株式会社TUMにも同様の問い合わせをしたところ「利用目的以外の活用に関してはサービス内にて検閲を行い防いでいます。モラルを守ってご利用頂くため、経営者(人事決裁者)と学生には、本名且つフルネームの提示を徹底することで一定の抑止力としています」との返答があった。

現在「社長と晩ごはん」に登録している経営者の男女比は、男性9:女性1(学生の男女比は男性7:女性3)。男女比の偏りについて尋ねると「昨今の女性経営者の増加傾向に合わせて今後女性ユーザーも増えていく見込みとしています。弊社は社会的な新卒採用の課題解決としてサービスを運営しており、女性経営者が増加して頂くことは学生様にも新たな視点が入り楽しみでございます」と回答し女性経営者の利用を歓迎している。

また、今後の取り組みとして「お食事中に何かあればSOS申請が出来るよう運営体制の強化並びに整備を進めて参ります。2021年度にアプリ自体のリニューアルを考えており、都度バージョンアップしていく方針です」と、体制の強化に務めていくとしている。

◆学生側の自衛策としては、OB・OG訪問もオンラインで

アプリ側の取り組みとあわせて、利用する学生側の自衛意識も重要となる。前出のトイアンナ氏は就活生に次のようにアドバイスする。

「新型コロナウイルスの影響から、現在はオンラインでのOB・OG訪問が可能になりました。Facebookメッセンジャー、Skype、Zoom、Googleチャットなどを活用しましょう。

対面の場合でも、昼に都心部で会うべきです。昼もにぎわうエリアであれば、安全性は高まります。その際、可能であればお友達を誘い2名以上で訪問すると安心です。お手洗いも交互に立つことで、飲食物に薬を盛られるリスクも防げます」

その場では問題がなくとも、後日何かと理由をつけて会うことを要求されるケースもある。リクルートコミュニケーションズの元社員も「就活用のPR動画撮影」を口実に女子大生を誘い出し、犯行に及んでいる。

「もし『飲みにいかない?』と誘われても、『面接・バイトがあるので』といった理由で辞退しましょう。それでも引き下がらず付きまとわれることもあり、私もかつて経験しました。その場合は人事部へ相談しましょう。そこで誠実な対応を取ってくれないのであれば、その会社への応募自体を見直すべきです」(トイアンナ)

就活生にとって喉から手が出るほど欲しい内定。それをチラつかせ関係を迫るような行為は言語道断だ。OB・OGは会社を代表する人間としての振る舞いが求められることを、いかなる時も忘れてはならない。〈取材・文/栗林 篤〉

●トイアンナ氏 慶應義塾大学卒。P&Gジャパン、LVMHグループでマーケティングを担当。独立後は主にキャリアや恋愛について執筆しつつマーケターとしても活動。著書に就活本『就職活動が面白いほどうまくいく 確実内定』。Twitter→@10anj10

【栗林 篤】

不動産、マネー、ネットカルチャー分野を得意とするフリーライター。社会事情についても執筆する。

著書に『サラリーマンのままで副業1000万円』(WAVE出版)。Twitter:@yuutaiooya

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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