東山奈央、10周年アニバーサリーライブに佐倉綾音も登場 『Special Thanks!フェスティバル』オフィシャルライブレポートが到着

SPICE


12月5日(土)・6日(日)に東京ガーデンシアターで開催された、東山奈央の10th アニバーサリーライブ『Special Thanks!フェスティバル』のオフィシャルライブレポートが到着した。

このライブは、2020年8月にリリースされたキャラクターソングベストアルバム「SpecialThanks!」の収録曲を中心に、“声優・東山奈央”がこれまで歌ってきた数々のキャラクターソングや、出演した作品の主題歌をカバーした楽曲を披露するという、今回限りのスペシャルなライブ。10周年という特別な節目だからこそ実現できた、プレミアム感満載の公演となった。


初日の開演時間となり、観客の期待が最高潮に高まるなかでトップバッターとして登場したキャラクターは、TVアニメ『艦隊これくしょん -艦これ-』の金剛型四姉妹【金剛・比叡・榛名・霧島】。彼女たちの歌う「進め!金剛型四姉妹」は東山が1曲の中でひとり4役を演じ分けながら歌うという離れ業に挑んだ楽曲だ。キャラクター4人分のパワーが込められた楽曲はライブの開幕にふさわしく、ステージ上に吹き上がる炎(これもキャラクターイメージカラーの4色が用意されていた)と共に会場を大いに盛り上げた。

続いてはTVアニメ『ハロー!!きんいろモザイク』より、九条カレンの「わたしいろダリア」。元気いっぱいのカレンが歌うバックではアニメ本編の映像が流れ、会場及び配信で見ていた観客の表情も自然と笑顔になったはず。
(C)原悠衣・芳文社/きんいろモザイク製作委員会
(C)原悠衣・芳文社/きんいろモザイク製作委員会

2曲を歌い終えたところで、まずは「大変な状況の中で、さまざまな条件を守って応援しに来てくださった皆様の温かさに感謝しております。配信で見るという選択をしてくださったあなたも、ありがとうございます」と、会場と配信の両方で見ているファンに向けて感謝の言葉を述べる東山。今回のライブは新型コロナウイルスの感染拡大がいまだ収まらないなか、最大限の感染防止対策をした上で開催されたもので、どうしても観客は今までのライブのような声を出しての応援などが制限された状態で参加することになる。それでも温かい拍手による応援や、配信で見ているファンの思いはコメント等を通じて伝わり、10周年という大事な舞台に臨む東山を勇気づけていた。

3曲目「Secret Cafe」もまた、ラジオ『東山奈央のドリーム*シアター』の企画を通じて、ファンと共に作り上げた楽曲。歌の途中には「桃山奈央」が「黄山奈央」からのメールを読み上げるという一幕があり、番組のリスナーだった人には懐かしく感じられたことだろう。4曲目「Silent Hacker」はTVアニメ『マクロスΔ』から生まれた戦術音楽ユニット・ワルキューレの楽曲のうち、レイナΔ東山奈央がメインボーカルを務めているナンバーで、レイナのウィスパーボイスを存分に堪能できるものとなっている。

5曲目はTVアニメ『はたらく魔王さま!』より、佐々木千穂の「Respect? < LOVE!! 」。千穂の純粋で一途な恋心を歌った楽曲で、観客もクラップで一体となって恋を応援。曲の途中でダンサーが作品の舞台であるハンバーガーショップの店員風の衣装に着替えて登場し、モップやトレイといった小道具を使ったパフォーマンスで楽しませてくれた。TVアニメ『GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』のレレイ・ラ・レレーナが歌う「とうめいな、みずうみ」では、透き通った中にもしっかりと芯のある歌声を会場全体に響かせる。ここまで6曲、ライブはまだ始まったばかりだが、ひとつとして同じキャラクターも歌声もなく、改めて東山の表現の幅の広さに驚かされるばかりだ。


中盤ではダンスパートとして、「Expose」(TVアニメ『蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-』八月一日静)と「ReSTART "THE WORLD"(Logos Art Form in Dark)」(TVアニメ『トリニティセブン』リーゼロッテ=シャルロック)を4人のダンサーを従えて披露。まったく異なる作品の楽曲を並べて聴くことにより、また新たな発見があるというのも今回のライブの醍醐味だろう。「ニセモノ注意報」(『終焉ノ栞プロジェクト』 B子)は、今回のセットリストの中でも特にレアな楽曲のひとつ。ダンサーもバンドメンバーもいなくなったステージには東山ただひとり。……のはずが、目の前で歌っている東山とは別に虚ろな表情をした東山のドッペルゲンガー(?)がステージのあちこちに現れては消えるという、モニター画面と巧みに連動させた不思議な演出は見る者の脳を混乱させるには十分すぎるほど。BPM300超という人間の限界に挑んだ東山の鬼気迫る歌声と相まって、恐怖すら感じさせるような時間となった。そして、舞台を覆うスクリーンに映し出された壮大な歴史絵巻と共に、まだ幼さの残る少女のあどけない声で歌う「にんげんのうた」(TVアニメ『まおゆう魔王勇者』メイド妹)で、4曲連続となった怒涛のブロックは締めくくられた。


次に歌うのは、10年間という東山の声優人生の中で、最も長い期間に渡って演じているキャラクターにまつわる2曲。全3シーズンで由比ヶ浜結衣を演じたTVアニメ『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』シリーズより、第2期にあたる『続』のエンディングテーマのソロバージョン「エブリデイワールド-Ballade Arrange-Yui Solo Ver.」と、オープニングテーマ「春擬き」のカバーを続けて披露した。同じくカバー曲の「これから」は劇場アニメ『たまゆら~卒業写真~』主題歌。東山自身にとっても思い入れの深い、この温かい楽曲は、作品の舞台となった広島県竹原市の風景と共に届けられた。


ここまでしっとりとした雰囲気の楽曲が続いているが、たとえ声を出せなくても、着席のままだったとしても、ライブはやっぱり楽しく盛り上がっていきたいもの。「皆さん盛り上がって行きましょう!」の掛け声とともにフロア全体が激しい光に包まれた後、おなかを出したキュートな衣装に早着替えをした東山が姿を現しラストスパートへと突入する。

まずはゲーム『GRANBLUE FANTASY』より、ルリアの「キミとボクのミライ ~Lyria Ver.~」。さわやかで疾走感のある楽曲で勢いづくと、TVアニメ『ゆるキャン△』オープニングテーマをカバーした「SHINY DAYS」ではステージ上にテントが出現! 東京ガーデンシアターはあっという間にキャンプ場へと変貌し、東山は一時の間ダンサーズとのグルキャンを満喫した。「Jumping!!」(TVアニメ『きんいろモザイク』)と「一度だけの恋なら ~ReinaSolo~」(TVアニメ『マクロスΔ』)はそれぞれRhodanthe*、ワルキューレという、作品から生まれたユニットで歌った楽曲のソロバージョン。どちらもユニットの代表曲といえるナンバーだけに、会場の盛り上がりも格別なものとなっていた。本編のラストを飾るのはTVアニメ『異国迷路のクロワーゼ TheAnimation』より、湯音の「ここからはじまる物語」。今から約10年前に、初めて主人公を演じた作品のエンディングテーマであるこの曲を最後にしたのは「この曲を歌って、皆さんとよりいっそう心がつながれたら」という思いから。ライブの開催前には「なおぼうと一緒にキャラソンライブで歌おう!合唱プロジェクト」と題して、曲の1フレーズを歌っている動画をファンから募集しており、その動画は実際の歌唱中にモニター画面に映し出されて、文字通りに「一緒に歌おう!」が実現した。

この日限りのサプライズも


アンコールの拍手を受けてステージに戻ってきた東山は「皆さん、ズドラーストヴィチェ!」となぜかロシア語を交えて挨拶。歌うのは、ロシア人少女ジーナ・ボイド役で出演したTVアニメ『ダンベル何キロ持てる?』のオープニングテーマ「お願いマッスル」だ。これはキャラソンベストアルバムにも収録されていない、完全にこの日限りのサプライズ。あまりにも意表をついた選曲に配信のコメントでは「出オチ」の声も上がりつつも、現場は大盛り上がり。ちなみに、曲中で披露した“筋肉体操”のスペシャルサンクスポーズは同作品で共演し、オリジナルの歌唱担当でもあるファイルーズあいと石川界人の2人にアイデアをもらいつつ考えたとのこと。

同じくサプライズで披露したのはTVアニメ『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』より、古賀朋絵として参加したエンディングテーマ「不可思議のカルテ」。これもまた人気が高く、記憶にも新しい作品だけに、声は出せずとも観客たちの喜びようは伝わってきた。最後はまたキャラソンベストアルバムの収録曲に戻り、TVアニメ『異国迷路のクロワーゼThe Animation』湯音の「風にまかせて」とTVアニメ『神のみぞ知るセカイ』より中川かのん starring 東山奈央の「ハッピークレセント」で締めくくる。

東山奈央の原点・中川かのん


今回のライブタイトル「Special Thanks!フェスティバル」には10周年のお祭りということだけでなく、いろんなキャラクターが登場する音楽フェスという意味も掛けられており、その意味ではフェスのトリを飾るのは東山奈央の原点であり、今なお根強い人気を誇るスーパーアイドル・中川かのんしかいないだろう。大勢の観客が見守るなか「東京ガーデンシアター、制圧!」を果たし、盛りだくさんの内容で送る1日目は幕を下ろした。

2日目の公演ではセットリストの半数近くが入れ替わり、TVアニメ『魔法戦争』相羽六の「DearestWish」、TVアニメ『ニセコイ』桐崎千棘の「ブルースケジュール」など、1日目で歌わなかったキャラソンベストアルバム収録曲が次々と披露された。TVアニメ『ノブナガ・ザ・フール』ヒミコの「DEDICATE」では暖かい光がステージに灯るなか、作中で命を落としたヒミコの魂にささげるかのように歌う姿が印象的だった。


TVアニメ『月がきれい』の挿入歌である「fragile」は東山奈央個人名義で発表したものであり、厳密にはキャラクターソングではないが、作中の主人公たちの気持ちを歌っているという部分でキャラクソンに近いものとしてアルバムにも収録されている。Every Little Thingのヒット曲のカバーであるこの曲は『月がきれい』EDIT Ver.としては1コーラスしか制作されていないが、今回は特別にロングバージョンで披露されるという、これもうれしいサプライズとなった。

TVアニメ『THE UNLIMITED 兵部京介』ユウギリ starring 東山奈央の「未来物語」は天涯孤独に育った少女が初めて知った温かい気持ちを歌に乗せたもの。曲の後半に行くにつれて、彼女の「家族」となった人物たちのシルエットがモニター画面に浮かび上がり、それと目を合わせたり手を取り合ったりする演出が涙を誘った。TVアニメ『魔法少女育成計画』の「ユメトユメ」はスノーホワイト(姫河小雪)とラ・ピュセル(岸辺楓太)によるデュエットソングで、しかも1番をスノーホワイト、2番をラ・ピュセルがメインで歌うという構成になっている。

「記者さん、書いておいて!


すると、2コーラス目に入ったところでラ・ピュセル役の佐倉綾音がステージ上段に登場! ステージ下段にいる東山=スノーホワイトに想いを届けるかのように熱唱するが、すでに物語中でラ・ピュセルはこの世を去っているためにその声は届かないかのよう。決して2人が視線を交わすことはなかった。結局、一度も目を合わせることなく、曲が終わると同時に佐倉はステージを去っていく。「私、そうちゃんの姿が見えた気がする……」とつぶやく東山だったが、もちろん出番がこれっきりということはなく、改めてシークレットゲストの佐倉綾音をステージに呼び込む。さっそく「奈央の王子様だよ!」とイケメンぶりを発揮する佐倉に、大喜びの東山はたまらず「記者さん、書いておいて! 大きく見出しにして!」と絶叫。さらに佐倉の衣装はラ・ピュセルをイメージしてスタイリストが新規に作ったものであり、髪も今回のために切ってきたということを聞いて、東山は笑顔が止まらなかった。
(C)2016 遠藤浅蜊・宝島社/まほいく
(C)2016 遠藤浅蜊・宝島社/まほいく

TVアニメ『神のみぞ知るセカイ』中川かのん starring 東山奈央の「らぶこーる」は、作中でかのんがアイドルからスターへと生まれ変わるきっかけとなったバラードで、東山にとってはちょうど10年前の2010年12月4に初めて人前で歌ったという、運命的な巡り合わせの楽曲。「あれから10年たって、私もゆるやかに、かのんちゃんと並び立つ二つ星になれてきたんじゃないかな」という、10年分の思いも込めた「らぶこーる」を歌い終えた後には、客席全体で光るサイリウムの海を見て「とても懐かしいです。これが私の始まりの景色だったなと思います……!」と感動で胸がいっぱいの様子だった。

2日目の本編はTVアニメ『ニセコイ』桐崎千棘の「Heart Pattern」でかわいくフィナーレとなり、アンコールでは佐倉綾音が再び登場。仲よしの2人によるトークはお互いを褒めあう展開となり、見ていて何だか微笑ましい雰囲気に。そんな2人が選んだサプライズの1曲は、TVアニメ『ラブライブ!』より、μ’sの「Snow halation」。



これもまた予想外すぎる選曲で、イントロが流れ出した瞬間に客席から思わずどよめきの声が漏れていたほど。実はこの2人、東山が高坂穂乃果の妹・雪穂役、佐倉が絢瀬絵里の妹・亜里沙役と、それぞれメインキャラクターの妹役として出演しており、作中ではスクールアイドルに憧れながらもステージに立つ姿まではアニメで描かれなかったことから「その先の未来で、きっとこういうふうになっているんじゃないかな」という思いで選曲したとのこと。その思いを受け取った観客は、素敵な夢を見せてくれた2人に惜しみない拍手を送るのだった。

ラスト2曲は「ここからはじまる物語」と、前日と同様に「ハッピークレセント」で締めくくる。10年間の東山奈央の歴史を辿るかのようでもあった2日間の公演は、また原点に立ち戻って終わる形となった。それはまた、ここからの新しい歴史の始まりでもある。「あまりに素晴らしいステージを用意していただいて集大成な感じはしますが、でも私は集大成とは思っていません! 今日は本当に楽しかったし、もっともっとやりたいことわいてきたし、これからも表現者として、エンターテイメントの一端を担う者として、皆さんにいっぱい楽しんでいただけるよう頑張っていきたいと思います!!」


声優であり、歌手であり、表現者。東山奈央はまだまだ無限大の可能性を秘めている。

文=仲上佳克

当記事はSPICEの提供記事です。

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