佐藤ミキ『名もない花』インタビュー デビューまでの多彩な道のり

2020年12月2日にソロアーティスト・佐藤ミキさんがメジャーデビューした。デビュー曲は、SACRA MUSICよりリリースされるシングル『名もない花』。本楽曲は、10月3日よりTOKYO MXほかにて放送がスタートしたTVアニメ『魔法科高校の劣等生 来訪者編』のエンディングテーマとして絶賛オンエア中だ。

佐藤ミキさんは幼少の頃より音楽に触れ、留学を始めとした様々な経験を通して、繊細さと力強さを兼ね備えた”シルキーボイス”を磨いてきた。

『名もない花』のサウンドプロデュースは、今年7月に公開された佐藤ミキさん初のオリジナル曲『Play the real』、8月にリリースされたプレデビュー曲『A KA SA TA NA』に続き、家入レオ、Little Glee Monster、Aqoursなど数々のメジャーアーティストを手掛ける”イワツボコーダイ”と、Rin音、あさぎーにょ等に楽曲を提供する新進気鋭の”maeshima soshi”という、異なるフィールドで時代をリードする2人の異色タッグによるものとして、話題を集めている。

切なさが幾重にも折り重なった美しいバラードである本楽曲には、どのようなメッセージが込められているのか。メジャーデビューまでの道のりも含めて、佐藤ミキさんにお話をうかがった。

◆メジャーデビューまでの道のり
アクシデントを経て”やっと”デビューできた。

――生まれて初めて感動された音楽はなんでしたか。

佐藤 小さい頃に、泣きながら『SWEET 19 BLUES』を歌っている安室奈美恵さんの映像を見たんです。安室さんは涙を見せない強い女性というイメージだったので驚いて……感動したのを覚えています。

――プロフィールを拝見したところ、小学生の頃に単身でオーストラリアに留学されたとありましたが、これはご自分で行きたいと思われたのでしょうか。

佐藤 私の母親が、元々「小学校6年生になったら、海外にひとりで行かせる」と決めていたみたいで。急に「今年の何月に行ってきてください」って言われて。でも、その時に「行きたくない」とは思いませんでした。行けるなら行ってみようって。

――オーストラリアのどちらへ?

佐藤 ゴールドコーストです。すごく都会で、なんでもありますね。あとはブリスベンの牧場と、町中にも行きました。

――オーストラリアは高校の頃にも行かれていますが、こちらはどのような経緯だったのでしょうか。

佐藤 「うちはみんな留学してもらいますよ」という高校だったんです。場所はオーストラリアかカナダと言われたので、じゃあ、もう1回オーストラリアに行きたいって思って。

――オーストラリアでの生活で、印象に残ったことはありますか。

佐藤 色々な国の人が来ていて、楽しかったですね。日本語で話しかけてきてくれたりもして。優しい人が多いなっていうのが印象的でした。

――留学されたことで好きになったアーティストはいますか?

佐藤 留学中に勧められて、アリアナ・グランデさんを好きになりました。

――大学の頃には中国にも行かれたとのことですが、どういった活動をされたのでしょうか。

佐藤 全国から選抜された、日本の大学生100人で大使館に挨拶に行ったり、中国の大学に行って出し物をしたりしました。立食パーティーにも参加して。

――文化交流のようなプログラムだったんですね。

佐藤 そうですね。

――高校・大学での音楽活動はいかがでしたか?

佐藤 高校の3年間は、ガールズグループを組んでいました。大学は北海道で通っていたのですが、レッスンやレコーディング、撮影を東京で行っていました。勉強して、レッスンを受けてという生活でしたね。

――北海道と東京を行き来しながら、レッスンをたくさんされていたんですね。メジャーデビューが決まった、率直なお気持ちはいかがですか。

佐藤 私の中では「やっと」という思いです。レッスンなど準備をして、「これでデビューできる」って思った時にコロナが流行ってしまって……。アクシデントが重なりましたが、ようやく12月2日に決まったので、よかったなって思っています。

◆『名もない花』
温かさの中に切なさや儚さがあると思った

――『名もない花』はTVアニメ『魔法科高校の劣等生 来訪者編』のEDテーマとしてオンエア中ですが、共感できたり、気になるキャラクターはいますか?

佐藤 一番好きなのは司波深雪です。冷静沈着で優等生で容姿端麗で落ち着いていて。でも、お兄さんのことになるとあたふたしてしまう姿が可愛いなって。

――今作は、作曲のイワツボコーダイさんと共同で作詞をされていますが、今まで、作詞の勉強はどのようにされていたのでしょうか。

佐藤 作詞の勉強というか……毎日とりあえず1曲は書いていました。

――今回は、自分の思うままに書くのとはまた違うスタイルで作詞をされたと思うのですが、苦労したところはありますか?

佐藤 『名もない花』では、私が書きたいものとイワツボさんが書こうとしているものが、ほぼ同じ方向を向いていたんです。今回の作詞は、最初に書いてみたものを出して、イワツボさんからも出していただいて、また書いて……というやり取りでだんだん詰めていきました。とてもスムーズに進められたと思います。

――最初の段階から、コンセプトが一致していたんですね。

佐藤 はい。お陰で、どうしたらもっと良くなるかっていうお話ができました。

――佐藤さんは、どんな時に歌詞が思い浮かびますか?

佐藤 私は北海道出身なんですが、北海道の中でも旅行で行けるところがたくさんあるので、そういうところに行ってイメージしていました。大学は片道2時間くらいかかるところだったので、ほぼ毎日旅行みたいになっていたんですが、通学バスの中のようなリラックス空間や、ちょっと落ち着いた時、無音の時に思いつくことが多いです。

――楽曲を最初に聞かれた時は、どんな印象を抱かれましたか。

佐藤 本当に最初に思ったのが、「超バラード」。至極のバラードだなっていう印象があって。アニメ作品のEDとして書きたいことが乗りそうな曲だなと思いました。

――歌う際に工夫されたことや、意識されたことはありますか。

佐藤 この楽曲には、温かさの中に切なさや儚さがあると思ったんです。例えば作品の中でいうと、司波深雪は「妹」だから、今好きな人であるお兄さんと一緒にいられる。それで不満はないけど、本当は特別な感情を抱いていて。だけど、それは知られてはいけない、表に出してはいけないという想いなので、ただ温かい声だけではなく、切なさから来る悲しさだけの声でもなく、両方感じられるような歌い方ができるように意識しました。

――どのような雰囲気のレコーディングでしたか。

佐藤 この曲は、初めてリモートでレコーディングしたんです。新しい挑戦でした。

――リモートでディレクションしてもらうという流れだったのでしょうか?

佐藤 はい。ディレクターさんだけスタジオに入っていただいて、イワツボさんはリモートで参加していただけました。お互いのイメージの部分は相違なくできたと思います。コロナによりレコーディングまでの期間があったので、いろいろな表現や自分の中で見える絵を突き詰めてから収録できました。私の中では充実していたと思います。

――レコーディングに臨む前に、ご自分の気持ちと向き合えたのですね。

佐藤 はい。同じ曲を歌うのでも「すごく楽しかった」っていう時と「すごく嫌なことがあった」っていう時では、伝えたいフレーズが変わることもあるだろうし……。何回も歌詞を読んだりしていると、「こういう曲だと思っていたけど、こうかもしれない」っていう、見える空気のようなものがだんだん深くなっていくんです。なので、時間をいただければいただくほど、歌も変わっていくというか。そうした部分を『名もない花』でも出せてよかったなと思います。

――MV撮影についてですが、メイキング動画を拝見しました。初めてとおっしゃっていましたが、緊張されましたか。

佐藤 緊張しました。今まで写真を撮ってもらうことはあったんですが、MVの撮影は初めてだったので。MVだと、自分がどういう風に見えているのかわからなくて……良い絵が撮れているかな、大丈夫かなって。でも、とりあえずついていこうって。楽曲のイメージや印象を表現することに集中しようと思っていました。

――MVの衣装ですが、すごく楽曲に合っていると感じました。こちらの衣装は、佐藤さんもご一緒に相談されたりしたのでしょうか。

佐藤 そうですね、色は白がいいなと思っていました。デビューシングルでもあったので、まっさらな状態というか……ここからどんどん色がついていくっていう意味も込めています。MVも、だんだん色がついていくという演出になっているので、注目していただきたいです。

――MV撮影の中で、印象に残ったことはありますか。

佐藤 すごく照明にこだわってセッティングしてくださったんです。設営だけじゃなく、撮ってみてのやり直しも含めて、時間をたくさんかけていただきました。

◆『Play the real』と『A KA SA TA NA』
「こういう曲を歌いたかった。こういう曲がやりたかった」

――シングルの中の『Play the real』と『A KA SA TA NA』について、それぞれ楽曲の印象をお願いします。

佐藤 『Play the real』は『名もない花』よりも先にいただいていました。この曲は、イワツボコーダイさんとmaeshima soshiさんが提供して下さった初めての楽曲だったんですが、初めて聞いた時に「こういう曲を歌いたかった。こういう曲がやりたかった」と思って。歌詞の内容に関しては、”佐藤ミキ”として最初に世の中に出す楽曲であること、コロナが流行している時期に届ける曲ということから「どんなことがあっても一緒に乗り越えていきたい」という、新たな未来への決意、意志の強さを出せたらいいなと思いました。『A KA SA TA NA』を聴いた時は、すごくおしゃれでメロウなサウンドだなと思って。これは恋愛の曲にしたいって思ったのと、リズムがいいので、ちょっと言葉遊びみたいなものを入れたいと思いました。Bメロのフレーズの頭の文字をとると「あかさたな」になってるんです。あとは、コロナの影響で、近距離・遠距離関係なく好きな人や大切な人に会えない人が多いと感じたので、今年ならではの楽曲になればいいなと思って共作で作詞をしました。

――注目してほしいフレーズはありますか。

佐藤 『Play the real』のラスサビの前に《手を伸ばせよ》というところがあるんですが、自分の中ではここがポイントです。結局、”響く言葉”ってすごく単純な言葉なんじゃないかって思っているので。

――確かに、シンプルに歌われているからこそ、ぐっと心に入ってくるような。

佐藤 そうですね。あと『Play the real』は、ただひたすらにポジティブということではなく、誰しもが抱えているであろう、辛い感情にも目を向けているんです。《深く傷負うから 分かり合える気持ちがある》っていう歌詞があるんですが……これは、辛い思いをしたからこそ、同じように苦しんでいる人に手を差し伸べられるんじゃないかという思いで歌っています。

――『A KA SA TA NA』は、先ほどもおっしゃっていたBメロの言葉遊びがやっぱり素敵ですね。

佐藤 注目ポイントはそこですね。縦読みは「あかさたな、はまや」で終わっているんですが、「ら」以降の音がないのは「未来は自分たち次第だよ」という意味を込めています。

◆アニメ盤収録曲『Mirror』
表現の部分では、自分の持っているイメージを大事にした

――『Mirror』は安田レイさんのカバー曲ということで、オリジナルとは少し違う気持ちで歌われたのかなと思っておりますが、いかがでしょうか。

佐藤 レッスンやレコーディングのプリプロでカバー曲を歌うことはありましたが、”収録される”というのは今回が初めてで。オリジナル曲を歌う時との違いですが、原曲を研究して、ブレスの位置や拍、譜割りなどは崩さないように意識しました。でも、表現の部分では自分の持っているイメージを大事にしたいなと。それが私には新しい挑戦だったので、とても勉強になりました。

◆好きな音楽やライブについて
ダンスミュージックやR&Bが好き

――特に好きな音楽のジャンルはありますか。

佐藤 ダンスミュージックやR&Bが好きなので、今後はそういう楽曲もやっていきたいです。

――現在はライブの開催が難しい状況ではありますが、やってみたいパフォーマンスはありますか。

佐藤 二面性、三面性のあるライブをしたいなと思っています。ダンスの入れられる楽曲を歌ったり、雰囲気変えてアコースティックギターやピアノで弾き語りをしたりとか……。

――色々な側面から曲が楽しめますね。佐藤さんはダンスをされるんですか?

佐藤 ダンスは好きです。今はスタジオでレッスンするのが難しい状況なので……ちょっとやり方を変えて、今後も続けていきたいです。

――どのようなジャンルに挑戦されているんですか?

佐藤 これからジャズ系やヒップホップ系が合わさったものをやっていきたいなと思っています。

――佐藤さんのご活躍を心待ちにしているファン、注目したいと思っている方々にメッセージをお願いします。

佐藤 私の歌を聞いてくれている人や私の活動を見てくれている人が「強くなれる、頑張れる」と思える楽曲を発信していきたいし、そう思ってもらえるような活動をしていきますので、応援よろしくお願いいたします。

当記事はアニメージュプラスの提供記事です。

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