町田啓太「30歳になって、家族のことを考えるようになった」<『今際の国のアリス』インタビュー>

 

町田啓太さんが、12月10日(木)より全世界独占配信されるNetflixオリジナルシリーズ『今際の国のアリス』に出演しています。

『今際の国のアリス』は、麻生羽呂さんによる大人気サバイバル漫画の実写映像化作品。

人生に夢を見出せず曖昧に生きてきたアリス(山崎賢人さん)と、どんな苦境でも生きる意味を探し続けるウサギ(土屋太鳳さん)が、突然放り込まれた謎の世界“今際の国”で信頼を築き、生き延びるために理不尽な現実に挑む物語です。

町田さんは、アリスと共に今際の国に送り込まれた高校時代からの親友・カルベを力強く演じました。

めるもでは、町田さんにロングインタビューを実施。『今際の国のアリス』出演に際しての熱い思い、共演の山崎さんや、同じ劇団EXILEの青柳翔さんとのエピソードに加え、プライベートでは30代に突入した町田さんの“変化”のあり・なしなど、余すところなく語っていただきました。

 

 

――非常にスケールの大きな作品です。カルベ役でオファーを受けたときの心境は?

町田啓太:高揚感しかなかったですね。僕、Nexflixさんが、もともと大好きだったので、「いつか関わりたい」思いが強くありましたし、以前(『OVER DRIVE』で)お世話になったROBOTさんの制作で、しかも絶対ご一緒したいと思っていた佐藤(信介)監督という組み合わせだったので……! ここまで揃ったら、「絶対に、やばいことになるだろうなあ」としか思えなくて。原作も読ませてもらっていたんですけど、カルベはすごく魅力的ですし、普段の僕とは異なる印象を持っているキャラクターなので、そこを任せてもらえたのが本当に嬉しかったです。気合いも入りましたし、「何がなんでも頑張ろう」という心境でした。

 

――実際、カルベを演じるにあたって、何を大事にされましたか?

町田啓太:カルベの親友はアリス(山崎さん)とチョータ(森永悠希さん)で、この三人は学生時代からずっと一緒なんですよね。アリスは知能が高い、カルベはフィジカルが強く、チョータは人としてユーモアにあふれている。漫画を読んでいるときから、この三人は絶妙なバランスだな、と思っていたんです。共通点として、三人は世間からちょっとはみ出していて、その鬱憤がたまっていたりもして。「そういうのって、あるよなあ」と僕自身、共感もしましたし、そこからカルベを広げていけたらいいな、と思って演じていました。

カルベは、アリス、チョータ、彼女など、基本的に誰かを守る人生を送っているんです。自分の大切な人を守ることで、カルベ自身も救われるし、自分が勇気や力を与えることで、自分にも勇気がほしい人物なんだな、と捉えました。そのパワーはすごく大事にしていましたね。

 

――「世間からちょっとはみ出していて、その鬱憤がたまっている」は、わかる部分なんですね。

町田啓太:そうですね。やっぱり……「どうせこうでしょう?」とか、見た目だけで判断されるとかもあるでしょうし。僕なんかも、イメージ先行で何かを言われることもありますし、それは息苦しかったりもします。自分がやりたいようにやれていない、本来だったらこうありたい、としている自分に近づけていないことへの鬱憤だったりするのかな、と。エネルギーはあるんだけど出しどころがない、どう出していいかもわからないところは、僕も結構あったりするので、すごく共感していました。

 

――そして、“げぇむ”に入っていくと、カルベのパワーは増幅されますよね。

町田啓太:“げぇむ”では、カルベはずーっと怒りがあるんですよね。「なんでこんなところに?」、「こんなところに、クソッ!」って。セリフでも「クソッ」っていうのが結構あって。その熱量は大切にしていました。

 

――町田さんから出る「クソッ!」は新鮮でした。しかし、似合っていました。

町田啓太:ありがとうございます(笑)。僕自身、声を荒げたり、世間的に良しとされていない言葉遣いをすることを、あまりしてこなかったんです。僕は、そのほうが生きやすかったから。でも、カルベの場合は、そっちのほうが生きやすかったんだなと、そこは自分との大きな差だと思っていました。カルベとして口にするとき、その言葉がなじんでいないといけないので、普段から少し言葉遣いも意識していましたね。現場にいるときって、いつも僕はちょっとローテンション気味だと思うんですけど、少し上げて入っていくようにもしていましたし。

 

――そうでしたか。アリス、カルベ、チョータの三人の場面について、もう少しお伺いしたく。演じた山崎さん、森永さんとの撮影における思い出も含め、お聞かせください。

町田啓太:すごくいっぱい思い出があるんですけど……、とある話数には三人の回想シーンが出てくるんですね。インして、すぐそのシーンの撮影だったから、関係性も探り探りかなと思っていたんですけど、賢人くんと悠希くんとはすぐ打ち解けられました。あの場面はト書きしかなかったので(※台詞がない)、エチュード的にみんなでお芝居を作っていったんです。それぞれが原作のキャラクターを深堀りしていたので、そのキャラクターのまんま会話ができて、すごく楽しかったです。あのシーンを撮った後、佐藤監督が僕らのところにきて、「ちょっともう、泣きそうだったわ」と、おっしゃってくださって……。親友三人の雰囲気がきちんと醸し出せたことはすごくよかったですし、佐藤監督からの言葉もすごく励みになった、思い入れの深いシーンです。

 

――読者の皆さんも、ご覧になったらすぐに「あそこだ」とわかる、いいシーンですよね。3人乗りの自転車も、じんときます。

町田啓太:自転車ね~!! あそこは、僕が運転して賢人くんと悠希くんが乗る、しかもちょっと上り坂、というシーンだったから、「町田くん、ふたりを乗せて漕げる? 大丈夫!?」みたいな感じだったんです。僕も「あ、これはやばいぞ」と思って、撮影前からジムで自転車を漕いだり、重めの負荷をかけてやってはいました。いざ本番、ふたりを乗せて漕いだら意外とすいすいうまくいって…(笑)。賢人くんと悠希くんが、バランスを取るのがすごく上手だったんです。すごくいいチームワークでしたね。3人乗りなんてしたことがなかったので、楽しかったなあ。

 

――実年齢でいけば、町田さんはおふたりよりも、ちょっとお兄さんですよね。お兄さんっぽさを発揮した場面はありましたか?

町田啓太:いえ、たぶんないと思います(笑)。強いて挙げるなら、ちょっと風呂に行ったり、トレーニングに行ったりとかを、誘い合ったくらい……ですかね(笑)。

 

――主演の山崎さんとは初共演でした。ご一緒しての印象はいかがでしたか?

町田啓太:とっても素直にお芝居をされますし、普段もすごくニュートラルにいる印象を強く受けました。すごくいい意味で。……賢人くんは、いるだけでパワースポット的な感じがあるかもしれないですね。

 

――「いるだけでパワースポット」、それこそパワーワードですね。

町田啓太:話している中で感じたのが、人の痛みがすごくちゃんとわかってる人なんだな、って。例えば、誰かの陰口や悪口だったりを、賢人くんは一切言っていないですし、というか、現場中聞いたこともなくて。そういうのを言っているような想像すら、つかないですし。撮影中、1回、泊まっているホテルで、ふたりでゆっくりごはんを食べたり、お酒を飲んだりしたんです。会話しているときに、「ああ、素直だなぁ」と感じて、ものすごい武器だと思ったんですよね。僕はあれこれ考えてしまうところがあるから、本当に魅力的だと思いました。

 

――様々な“げぇむ”シチュエーションがありましたが、撮影ではどれが一番大変でしたか?

町田啓太:どれも違う大変さがありました。そもそも全話を通して、生き残りをかけた“げぇむ”の展開がすごく大事になるので、緊張感が少しでも抜けると世界観を壊してしまうんですよね。そこはすごく気を張っていました。集中力をキープして演じるのが、面白みでもあるし、大変なところでもありましたね。
第1話は「生きるか死ぬか」で、制限時間内に正解のドアを見つけて建物の外に出る“げぇむ”なんです。密室で数日かけて撮っていたんですけど、部屋が進んでいくごとに、緊迫感を増やしていかないといけないという大変さがありました。あと、何と言っても第1話じゃないですか。まずは、ここでワクワクドキドキしてもらわないと、今後の“げぇむ”を楽しく観られるかどうかに関わってくると思ったので、その緊張感も持ってやっていましたね。

 

――続く第2話「おにごっこ」は、マンション内でおにから逃げる内容で、制限時間を過ぎると建物が爆発するという、とんでもなさでした。

町田啓太:そうなんです。おにから銃で狙われる中、見知らぬ人たちと逃げるシチュエーション……なので、普段だったら絶対にないじゃないですか!? 想像力を振り絞りながら、また違う緊張感を持ってやっていましたね。

 

――この第2話では、同じ劇団EXILEの青柳翔さん(アグニ役)との共演もあります!

町田啓太:いやー(笑)、ビックリしました! この作品の出演に際しては、「青柳さんと一緒に」というお話ではなく、それぞれ別々にお声がけいただいたので、たまたま一緒になったんです! 聞いたときに「えっ、青柳さん!?」と思って(笑)。それこそ、自社制作以外で一緒にお芝居することが、今までなかったんですよ。嬉しさももちろんあるんですけど、ふたりでは、「なんかちょっとゾワゾワするね」って言い合ってて……(笑)。「ちゃんと芝居できるかな!?」みたいな(笑)。やっぱり(劇団で)長くずっと一緒にいるので、普段の青柳さんのことも知っているから、役を通した関係性に「どうなるんだろうね!?」って。けど、何よりこんな大規模な作品にふたりが呼んでもらって、一緒にお芝居できるって「本当にありがたいことだね」と言い合っていました。ゾワゾワ感もありながら、結局は「楽しみだね」という話に落ち着くんですけど……(笑)。

 

――そのお話も感慨深いです。いざ共演してみると、お気持ちはどうでしたか?

町田啓太:すごく安心感がありました。やっぱり……青柳さんはすごいんです、素晴らしいんです。役作りの面で言っても、あれだけ体も大きくして、すごく迫力があって、その上で内面を出すって、なかなかあそこまでできないですよね。青柳さんの持っている素晴らしいものだなと思いました。もし、僕がアグニをやったら、たぶんああは絶対なれないので。青柳さんの役への没入感や取り組みの姿勢は、すごく学びになりました。

 

――フィジカル面でもですし、アグニの目と肝が座っていて屈強な感じも、青柳さんならではでした。

町田啓太:そうなんですよね。目が座っているというか、青柳さんはいつも自分で「目が死んでるんだ、俺は…」とギャグで言っていますけど(笑)。でも……その中でも強い芯があることが見えるじゃないですか。青柳さん自身もそうなんですよ。本当はすごく繊細だし、すごく芯を持っている、情の厚い方なので。そこはやっぱりアグニとリンクしていて、ばっちり出ていたんだなと思うんです。怖さだけじゃない部分を表現していて、本当に素晴らしいと思いました。

 

――げぇむでは究極の選択を迫られる場面も出てきますが、町田さん、「自分だったらどうする」は考えましたか?

町田啓太:自分だったら、たぶん生き残ることしか考えないと思いますね、はっはっはっ(大笑)! 一瞬、カルベがそうなったように、ちょっと狂気じみた感じになるかもしれないですし。大切な守るべき存在がいればいるほど、たぶんそうなってしまうんだろうなとは思うんですけどね。まあ、自分だったら生き残る選択をずーっと諦めずに考えると思います。

 

――今回、渋谷の街など、すべてセットだと伺っています。足を踏み入れてたまらない気持ちになったのでは?

町田啓太:セットに立って……本当に驚きました!「こんなに!?」というくらいすごくて、渋谷なんか……もう、渋谷でしかないので、もはやセットじゃないですよね(笑)? みんなと、最初「この中で、お芝居できるんだ…!」って、ちょっと浮き足立っていましたね。マンションやアパートでも、弾着(※銃で撃った後、壁に残る跡)がポコッとなっていたり、本当にリアルだし細かいんですよ。世界観も壮大だし、こんな大きな規模感のところでお芝居させていただけることは早々ないので、楽しむだけ楽しもうとやっていました。本当に『今際の国』に行っている感じが、すごくありました。

 

――完成作を拝見していると、どこからどこまでがCGなのか、わからなかったです。

町田啓太:そうですよね、どこまでがCGなのか、わからないですよね!? やっている僕も、現場にいるから当然「ここからが(CG)だろうな」とわかってるつもりですけど、それでもまったく気づきませんでしたし、気にも留められなかったです。そこのすごさは観ている方にもちろん届くと思っているので、絶対的にみどころのひとつだと思っています。

 

――もともと大好きなNexflixシリーズへの出演であり、オープニング映像では、大きく「KEITA MACHIDA」と名前も出ますよね。観たときは、どんなお気持ちになるんですか?

町田啓太:一言、感動です!! 「本当にちゃんと携われたんだな」って、活力にもなるんですよ。本当に感慨深いです。エンド(またはタイトル)ロールを観ると、毎回「よし! もっと頑張ろう」と思いますけど、特に今回は強く感じました。しかも、Netflixだと世界190ヵ国以上で観てもらえるんですよね。そう思うだけで、ちょっと鳥肌が立つというか……。僕はまだ全然ペーペーですけど、「あっ、この人が出てるんだ。面白そうだな」と思って観てもらえる俳優になりたいな、と常々思っているんです。「次は何してくれるんだろう」と期待してもらえる存在にもなっていきたいので。まだ全然なれていないので、これからもっとそこを目指してやっていきたいですね。

 

――2020年は町田さんが30代に入られた年でもあります。この先、どう過ごしていきたいですか?

町田啓太:ずっとそうですけど、自分が自分に恥ずかしくないようには生きたいと思っています。けど、30代だからといって気張ることも、僕の中ではあまりなくて。周りからの目が変わったのかなと思っているんです。30になると、またちょっと「もう30になったね」と、社会人として、よりしっかり見られてる感じがありますよね。大胆に、丁寧に、いろいろなことにアグレッシブにチャレンジしていきたいです。

 

――町田さんは今、社会人何年目ですか?

町田啓太:大学2年生からこの世界でやっているので、ちょうど10年経ったぐらい、ですかね?

 

――10年記念、30歳記念で、何かを買ったりとかもなさらなかったですか?

町田啓太:「記念だからこれを買おう!」とはならなかったんですけど、衣食住はやっぱり大事だなと思いました。なので、とりあえず家の中を整理したりして。そんな中で、机に向かったり、本を読んだり、少し書いたりとかの時間が多いことに気づき、椅子は買ったんですよ。

 

――オシャレな椅子を?

町田啓太:オシャレ……かどうかはわからないですけど、少し大きめでゆったりするような感じの椅子を買いました(笑)。

 

――お仕事面での気持ちは先ほど伺いましたが、プライベートと言いますか、内面での変化もありませんでしたか?

町田啓太:少し変化していることを言えば……、自分の家族や身内のことを、ちゃんと考えるようにはなってきました。これまでは自分のことに一生懸命で、やりたい放題やっていましたし、視野もすごく狭かったですし、親孝行、おじいちゃん・おばあちゃん孝行もできていなかったんです。……おばあちゃんは、僕がこうやって出た作品を病院で長い時間いるときに観て、楽しんでくれているそうなんです。すごく嬉しい反面、前まではちょっと恥ずかしい気もしていたんですね。けど、今は純粋に喜びですし、「もっと喜んで観てもらえるものに出たい」とか「頑張っていかなきゃ」と思うようになりました。そこは変化してきたのかなと感じています。

 

――長い時間、たくさんお話いただき本当にありがとうございました。最後に『今際の国のアリス』を楽しみにしている読者に、熱いメッセージをください。

町田啓太:僕自身、観た後に「これは絶対に楽しんでもらえる!」と確信したので、もう何も情報を入れなくても大丈夫ですので、まずはご覧になっていただきたいです。大きなメッセージ性も持っている作品ですけど、単純に「わあ!」と爽快感があるような作品だとも思います。ぜひ、お楽しみください!(取材・文:赤山恭子、写真:iwa)

 

 

Netflixオリジナルシリーズ『今際の国のアリス』は、2020年12月10日(木)より全世界同時配信。

キャスト:山崎賢人、土屋太鳳、村上虹郎、森永悠希、町田啓太 ほか
公式サイト:https://www.netflix.com/今際の国のアリス
(C)麻生羽呂・小学館/ROBOT
※山崎賢人さんの崎は「立つ崎」が正式名称

WRITER

  • 赤山恭子
  •        

  • エンタメ雑誌編集部に勤務後、ハリウッド映画の版権を買い付け日本国内で販売するディストリビューターを経て、フリーの映画/エンタメライターに。現在は、監督・俳優のインタビューを中心に、現場取材、映画紹介コーナーほかも担当。相手の心に寄り添い、時に突っ込みながら深めてゆくインタビューが持ち味。

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