諏訪部順一「声優としてプロの矜恃をお見せしたい!」前代未聞の音楽朗読劇in日本武道館に挑む

SPICE


ソニー・ミュージックエンタテインメントと藤沢文翁による音楽朗読劇「READING HIGH」。朗読劇の常識を打ち壊すべく様々な演出に挑戦してきたシリーズ第6弾は音楽の殿堂・日本武道館での公演となる。演目は『ALCHEMIST RENATUS(アルケミスト レナトス)~Homunculus~』。「READING HIGH」記念すべき第1作『~Homunculus~』をそのまま再演するのではなく、会場に合わせ装いを新たにした作品で挑むあたりも「READING HIGH」らしさを感じる。SPICEでは、本作にてシドニウス役を演じる「REDING HIGH」常連の諏訪部順一にインタビュー! 「READING HIGH」シリーズに感じる魅力や関わり方、音楽朗読劇では前代未聞となる武道館公演に対する思いなどを語ってもらった。
長兄・シドニウス役:諏訪部順一さん
長兄・シドニウス役:諏訪部順一さん

――『~Homunculus~』という作品の印象を教えてください。

物語の舞台は16世紀あたりの近世ヨーロッパ的世界。錬金術師やホムンクルスが登場するファンタジー的な要素もありつつ、その軸はヒューマンドラマです。“命”をテーマに、様々な絆が描かれていく非常にドラマティックな作品だと思います。

――第1回公演を生で見れなかったので、再演はとてもありがたいです。

そのように言っていただけるのは大変うれしいことなのですが、本公演は一応、「再演」ではなく「リスタート」のような位置付けとなっています。ですので、同じところもあれば新たになったところも。というわけである意味、ご鑑賞くださるすべての皆様にとって「新作」です(笑)。

――シドニウスというキャラクターをどのように捉えていらっしゃいますか?

物静かで責任感のある、いわゆる長男気質の塊のようなキャラクターです。自分も長男なので、彼の行動原理には共感するものが結構あったりします。

――日本武道館での公演は、藤沢文翁さんも「前代未聞の挑戦」とおっしゃっています。

自分が知る限りでも、日本武道館で本格的な音楽朗読劇の公演が行われたという記憶はありません。前人未踏のことに取り組めるのは非常に光栄ですね。ワクワクしています。
第1回公演 『Homunculus ~ホムンクルス~』より (C)︎ READING HIGH
第1回公演 『Homunculus ~ホムンクルス~』より (C)︎ READING HIGH

――先日、諏訪部さんがゲスト出演された藤沢さんのラジオ(ガクのネ「藤沢文翁の音楽朗読論」)で、「武道館公演の視覚的な演出については言えない」といった藤沢さんのコメントがありました。諏訪部さんは「READING HIGH」常連なので、台本から想像する演出などがあるのではないでしょうか?

藤沢さんをはじめ、演出サイドのスタッフさんともお話する機会があったので、舞台セットや照明、特殊効果などの視覚的な演出プランはある程度聞いています。本番がとても楽しみです。従来の「朗読劇」の静的なイメージを覆す、超ド派手な演出が「READING HIGH」公演の見どころでもあったりしますので、今回も大いにご期待いただいてよろしいかと思います。

――視覚的なものもすごいですが、ストーリーや声優さんの表現に心揺さぶられる印象が強くあります。

朗読キャストも大いに心を動かしながら演じていますので、ご鑑賞くださる皆様の心の中に、様々な感情を湧き上がらせることが出来たのであれば幸いです。

――朗読をじっと聞きたいけれど、音楽も聞きたいし、演出を体感したい。見ているほうも体力を使うと感じています。演じる側も体力を使うのではないでしょうか?

個人的には、他の朗読キャストたちとの掛け合いに加えて、バンドの皆さんが生で奏でる音楽との掛け合いも藤沢朗読でパフォーマンスする上での重要なポイントだと思っています。音楽は単なるBGMではありません。あくまでも朗読と音楽は対等な立場なんです。たとえば、朗読に気持ちが入り過ぎて尺が長くなってしまった時はバンドさんがそれに合わせて演奏を延ばしてくれたり、曲中の盛り上がりなどに朗読陣の方がうまくテンポを合わせてセリフを落としていったり…なんてことも。このコンビネーションがバッチリ決まると快感です。もちろん疲労はありますが、それを越える楽しさがあるからクセになるんです(笑)。

様々な趣向を凝らしたステージではありますが、完成するのはやはりご鑑賞くださった方の頭や心の中。多くの演出はあくまでも触媒です。想像力をフル稼働させていただくと、より一層お楽しみいただけると思います。
第1回公演 『Homunculus ~ホムンクルス~』より (C)︎ READING HIGH
第1回公演 『Homunculus ~ホムンクルス~』より (C)︎ READING HIGH

――個人的には、生で見たいと思わせてくれる公演と感じていますが、今回はライブ配信もあるので、そちらの楽しみ方も気になります。

周りの目を気にせず、飲食しながら、お風呂に入りながらなど、好きな環境でご覧いただけるのはライブ配信ならでは。このご時世、あれこれ気にせずエンタテインメントに浸ることができるというのもよろしいのでは。今という時間を共有している感覚をぜひリラックスしながら味わっていただきたいですね。我々は、すべての観客の皆様に向けてパフォーマンスをします。その思いを配信組の皆様にも受け取っていただけるとありがたいです。

――生の公演で衝撃を受けた立場としては、一度は会場で体感してほしいと思っています。特に今回は日本武道館なので、特別なものになりそうな予感がします。

温度や湿度、振動、匂いといったような刺激は、やはり会場でご覧いただかないと伝わらないもの。確かに「READING HIGH」というエンタテインメントには、それらの要素も魅力のひとつとして存在しているのは事実です。今はなかなか厳しい状況ですので、気軽にオススメすることは口憚られますが、いろいろと環境が整いましたらぜひ一度は生で…恐縮です。

昨今、様々な芸能分野の方々が朗読劇に取り組んでおられますが、声優にとって朗読は本業のスキルが大いに発揮できるホームグラウンドのようなものです。今回の公演でも、プロの矜恃をきちんとお見せしなければと思っています。声で表現する世界がこれほどの広がりを持っているとは……と驚いていただけるように。
第1回公演 『Homunculus ~ホムンクルス~』より (C)︎ READING HIGH
第1回公演 『Homunculus ~ホムンクルス~』より (C)︎ READING HIGH

――藤沢さんが「諏訪部さんの役は、当て書きのような感じで書いている」とおっしゃっていましたが、そう感じる部分はありますか?

藤沢さんのもとに届く公演のご感想のなかに「諏訪部さんのこういうお芝居を見てみたいです!」というご要望などが書いてあったりするそうです。諏訪部自身のパーソナリティに寄せているというよりは、諏訪部に言わせたいセリフを盛り込んでいるようなきらいはあるかもしれません(笑)。藤沢さんの作品は割と早い段階、それこそ脚本ができあがる前の段階から関わらせていただくこともあったりします。こちらからもアイデアを提案させていただいたりと、コミュニケーションをとりながら作り上げていくのはとても楽しい作業ですね。

――ディスカッションする場には、積極的に入っていくタイプなのですか?

学生時代、自主制作映画をやっていました。自分で脚本書いたり監督したり。もともとは演出志望の人間なので、そういうクリエイティブな場で意見交換するのは大好きなんです。もちろん、いただいた台本をそのまま演じるということもできますが、藤沢さんとは信頼関係が築けているので、ここはこうした方がこのキャラ的にはしっくり来るのでは? こっちの方が面白いのでは? なんて話をしたりすることがあります。この言い回しの方が演者は言いやすい、聴き手は理解しやすいなど、声で表現することを長年やってきた中で培った知識や技術に基づいた修整提案は採用率高いです(笑)。滑舌面などで難儀そうなセリフを別の表現に書き換えたり。初めて参加するキャストの心理的ハードルを下げることができたら、よりのびのびと演じてもらえると思いますしね。

――そこまで考えてのご提案なのですね。もうすでに役者の域は超えていますね。一緒に作っていると感じが伝わってきます。

まあ、裏回し的なところは多少あるかもしれませんね(笑)。何はともあれ、より多くの方に楽しんでいただける、より良いものになって欲しいので。
第1回公演 『Homunculus ~ホムンクルス~』より (C)︎ READING HIGH
第1回公演 『Homunculus ~ホムンクルス~』より (C)︎ READING HIGH

――藤沢さんが「READING HIGH」らしさを感じてもらいたいとコメントしていました。諏訪部さんが感じる「READING HIGH」らしさを教えてください。

規格外のスケール感ですね。思わず「すごい!」という言葉が口をついて出てくるダイナミックなステージは、非常に見応えがあると思います。しかし、あくまでも完成形はご鑑賞された皆様の、頭の、心の中に。イマジネーションを全開にしていただくと、目で見た光景のさらに上を行くドラマティックな世界が頭の中に広がることでしょう。最高に気持ちよくなれると思います。

――気持ちよくなれるんですね。

ええ、文字通り「リーディングハイ」ですね(笑)。観る方も演る方もハイになる。そして、ハイグレードな舞台でもあります。

――このインタビュー前に、読み合わせがあったとのことですが、感触はいかがでしたか?

朗読キャスト全員揃ってというわけではありませんでしたが、まぁ問題ないかなと。今回のメンバーは共演経験もあり、プレイスタイルもよく知る面々です。何ならリハもせずにいきなり本番やれてしまうかもしれません(笑)。どんなハーモニーを奏でられるか、本当に楽しみです。

――では、ファンの方にメッセージをお願いいたします。

この作品の鑑賞に使っていただいたお時間は、あなたの人生にとってきっと価値のあるものになると思います。そうなるように一生懸命がんばりますので、それぞれの場所でご鑑賞いただけますと幸いです。どうぞよろしくお願いいたします!

――一度見たらクセになるのを知っているので、たくさんの方に体感してほしいです。日本武道館での公演は、ぜひ諏訪部さんにも観てほしいと思います。

本当に観たいです。自分が演じるのを客席から生で見てみたいですね。日本武道館で音楽朗読劇なんて、これが最初で最後になるかもしれません。今回の公演が大好評なら、流行るかもしれませんが(笑)。ライブエンタメとして朗読劇にスポットライトが当たっている今だからこそ、本当にいいものをお届けしたいという気持ちが強くあります。回を重ねるごとに、洗練されていく「READING HIGH」。万事無事に終えられることを願っております。

取材・文:タナカシノブ

当記事はSPICEの提供記事です。

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