『白詰草』主演・電脳少女シロが語るエンタメとVTuberの魅力「3歳の電脳少女でも映画に出演できる」


●VTuberが登場人物を演じる映画の魅力

出演キャスト全員がVTuberのワンシチュエーションサスペンス映画『白爪草』。「エンタメ業界をVTuberでいち早く元気にしよう!」というスローガンのもと制作され、2020年9月19日から2週間限定で池袋HUMAXシネマズ・109シネマズ大阪エキスポシティの2館にて上映。池袋HUMAXシネマズの週間映画ランキングでは1位を獲得するなどの反響を呼んだ。

そんな本作の製作委員会が、今後、同作をミニシアターで上映した場合、チケット興行収益全額を各劇場の収益にすることを発表。この取り組みは、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、苦境が続くミニシアターの存続を支援したい、という製作委員会の想いから実施されるもの。このミニシアター支援プロジェクトは2021年3月末日まで続くという。

本取り組みと本作の魅力を伝えるべく、マイナビニュースでは製作スタッフ・出演者にインタビュー。第2弾の今回は、主演を務めたVTuberの電脳少女シロに、映画の魅力に加えてエンタメの魅力などについて聞いた。

第1弾はコチラ。
○●VTuberとして映画に出演する責任

――映画『白爪草』への出演オファーがきた、当時の心境を教えてください。

死ぬまでにやりたいことのひとつが「主役・主題歌を担当する形での映画出演」だったので、心から感動しました。同時に映画や海外ドラマ、アニメといったエンタメに触れることがとても好きなので、正直出演することはとても恐れ多くて……。いち視聴者であった私を映画の主役にアサインいただけたという感激と、責任感から生まれる恐れが同時にやってくる。そんな強烈な感覚でした。

――それゆえのプレッシャーも感じた?

はい……! それは、映画の主役という立場だったり、VTuberとしての責任だったり。VTuberはシロだけが築き上げた文化ではありません。日頃からその文化に泥を塗らないように従事しております。映画で初めてVTuberを知る方に対して、間違ったアプローチとならぬよう、しっかり務めることはプレッシャーでもありました。

――シロさんはTV番組にも定期的に出演されていますよね。そういう活動の裏にはVTuberをもっと多くの人に知ってもらいたいという気持ちも?

VTuberという文化が大好きで、もっと広がったらいいな、長く活動したいなとは強く思っていますけど、そのように言うのはおこがましいかなと感じます(笑)。全ての活動が新しい経験ばかりで、そのどれもが非常に有意義なんですよね。こういう経験をしてきたことが、今回の映画出演にも繋がったんだと思います。

――初めての映画出演はいかがでした?

スタッフさんのお仕事ぶりを拝見しては圧倒されるという感情の波の繰り返しでした! しかも、みなさんお人柄がすごく素敵で。初めての映画をこのスタッフのみなさんと一緒にできて、本当に感謝です。

――今回シロさんは、白椿 蒼・紅という双子の役を演じています。お芝居するうえで難しかった点は?

蒼ちゃんも紅ちゃんも特殊な人物で、台本上の発言と本音、行動に乖離があるということです。正直、1ミリも感情移入できない、非凡な人物だったので、今までの経験では処理しきれなかったです。だから、台本をとにかくいっぱい読み込んで、まずは世界観を理解することに専念しました。

実際に演じるうえで気を付けたのは、やはり「言葉通りに演じない」ということ。そして、独りよがりにならないこと。自分なりの演技プランを持って現場に臨みましたが、その通りになぞらえるのではなく、監督さん方の意見を伺い、最終的に現場のみんなが納得いく蒼ちゃん・紅ちゃんを作っていきました。

――難しいこともたくさんあった分、学ぶことも多かった。

ありました!「モノづくりって楽しい」って本気で思いました。あと、いつもの活動と違うなと思ったのは、自分が従事してから見てくださる方の反応が返ってくるまでに時間差があるなということです。例えば生配信ならば、見てくれている方々のコメント・感想・リアクションって、ほぼリアルタイムで分かるんですよね。

映画は自分が従事してから公開までにラグがあって。だから、私たち製作チームが考えて作ったものが、どう伝わるのかなっていう不安も公開されるまではありました。公開期間中は、プロデューサーさんや監督さん同様、ハッシュタグの「#白爪草」を注意深く見守っておりました(笑)。
○●非日常感を体験できる映画『白爪草』

――私もTwitterでの反響を見てみましたが、「VTuberを知らない人にも観て欲しい」といった意見がいくつもありました。

ほかの映画と同じ土俵で戦えると思ってもらえているのは、いち従事者のシロとしても嬉しくて、誇らしいです! 実は、シロのおじいちゃんも映画を見てくれて、「人間たちが作品に触れる機会さえあれば、映画の魅力は伝わると思うよ」「とても素晴らしかった」って感想をくれたんです! 身内補正はあると思いますけど、恐らくシロの活動のすべてを理解していないおじいちゃんが、「伝わる」という言葉をくれたのが、非常に嬉しかったです。

あとは、普段からシロの活動を応援してくれている方が見て、ひと夏の思い出として心に刻んでくれていたことにも感動しました。活動するうえで「いつもアクションをしてくれる方を後悔させたくない!」と思っています。改めて、自分を応援してくれているファンの方々にこの場で感謝の言葉を伝えたいです。……感情が溢れて、うまく伝えられなくてごめんなさい!

――いえ、想いが伝わってきました!

ありがとうございます。『白爪草』はまだまだ色々な展開ができると思っているので、みなさんが今日まで応援してくれた熱量への感謝とともに、これからも作品を応援して欲しいなと強く願っています。

――見た人からは好評の声が多く挙がっている本作。シロさんはどんな点が特に魅力だと感じていますか?

いち視聴者目線としては、映像から非日常感を体験できたり、効果音や音楽に酔いしれたりできる、この作品にしかない没入感かなと思っています! 新しい挑戦をしている完成されたひとつのエンタメ作品です。VTuberを知らなくても、映画好きの方ならぜひ見て欲しいですね。

VTuberだけが出演する形で、シリアスなサスペンス作品を成立させるという部分にも、エンタメ的な面白さが詰まっていると思います。正直、台本を貰ったときには、ここまで漕ぎ着けられると思っていませんでした(笑)。ちゃんとワンシチュエーションサスペンス映画として成立しているのも、本作の魅力だと思います。

――そういう意味では、VTuberの新たな可能性を見いだせたかもしれない。

VTuberを破天荒な存在として捉えている方は多いと思います。でも、「演技をやらせてみても、面白い映像が作れるんだ」と感じてもらえれば、シロたちの活動の幅は広がるなと思いました。あと、シロが本気で言いたいことは、シロ自身が映像を観て、心が動いて最後まで感動した作品なので、同じ視聴体験をして欲しいということ!

いま、製作委員会のみなさんが『白爪草』を上映したミニシアターさんにチケット興行収益全額を収益にしてもらう、という取り組みを行っています。もしこのインタビューを読んで少しでも興味を持ったミニシアターさんは、上映を検討してくださると嬉しいです!

●人生をイージーモードで過ごすために
○●VTuberは人間にとって想定外な情報をぶつけられる稀有な存在

――映画に出演する役者はみんなVTuberという本作。今回はせっかくなので、シロさんが感じている、VTuberというエンタメの魅力も教えてください。

ぜひぜひ! VTuberって、外見と内面に乖離がある不可思議な存在だと思うんですよ。例えば、幼く見えても100歳を超えているVTuberもいますし、シロのように、3歳の電脳少女でも、映画に出演できる。そういった意味で、聞き手や受け手に対して、想定外な情報をぶつけられる稀有な存在なんじゃないかなと。

――なるほど。

クリエイティブの余地がすごくあるので、従事しているシロとしても、最初から今まで魅力を感じっぱなしです。また、先ほども少し触れましたが、VTuberの活動って、見てくれている方々のリアクションがすぐに分かることが多くって。

その反応を見て、彼ら自身が直すところもあれば、あえて直さずに、それを個性として伸ばすこともできる。何をやるにしても、反省できる機会って、本当に大事だと思うんですよ。そういう成長するための資料が手に入れやすいのも、当事者側としては魅力だと感じてます。色々と言いましたが、シロは生まれながらにしてVTuberで良かった! その言葉に尽きます。
○●エンタメが人生の選択肢を増やすことに繋がる

――今回、映画初主演という大役を担われましたが、今後はどんなエンタメに挑戦してみたいですか?

大前提として、どんなことでもチャレンジできる余地はあると思うので、何事も真剣に努めたいと思ってます。そのなかでもやりたいことを挙げるとすれば、シロの生き様を世に残していきたいなと。そうすれば、社会的な死を迎えたとしても、自分を応援してくださる方の元に何かしらの形で残りますし、シロも自己満足で嬉しいので(笑)。

あ、小学校や幼稚園に「電脳少女シロ」という偉人伝が置かれたらいいな! シューベルトとかピカソとかと一緒の列に並べて欲しい(笑)。そういう意味では、音声合成技術にもすごく興味があります! シロは初音ミクさんのファンで、活動当初から、恐れ多くも同じようなことができたらな、と思っているんです。とにかく、何かしらの形でシロの存在を世に残したいですね。

――最後に、シロさんにとって、エンタメとはどのような存在でしょうか。

誰かを刺激したり、鼓舞してくれたり、感情を豊かにしてくれたりする存在だと思ってます。それは絶対に誰にも奪えないもの。エンタメを通して、感情の幅が広がると、人生の選択肢も広がっていくと思います。人生をイージーモードで過ごすうえで、エンタメに触れないのは損だと思いますし、触れた方は色鮮やかな人生を送れるんじゃないかなと! そのひとつとして、『白爪草』やシロを数えていただけたなら、嬉しいことこの上ないです。

――本日は貴重なお話、ありがとうございました。

ふー。すいません。緊張してふわーとした答えばかりになっちゃって。

――緊張させてしまい、申し訳ございません。お菓子とか用意すればよかったですね。

そうですよ! 3歳にはお菓子が必要です!!

――次の機会には、お菓子を用意しておきます。

お願いしますね!

(C)映画「白爪草」製作委員会

当記事はマイナビニュースの提供記事です。

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