缶詰博士の珍缶・美味缶・納得缶 第129回 かつての厄介者は缶詰に活路を見出した! 宮島ムール貝缶


ムール貝と聞くと、白ワインと一緒に味わうおしゃれなイメージがありますが、カキ養殖業者にとっては厄介者。カキにくっついて大量に育つので、取り除くのにとても苦労するそうです。

でもそんな厄介者が「缶詰によって活用されました!」と胸を張る缶詰博士。「味もいいし、家飲みに最高ですよー!」

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○活躍の場は缶詰

人が生きていくのは大変なことであります。たとえお金がたくさんあっても、それだけでは生きられない。自分が誰かのためになっている、そんな実感がなければ、人は生きていけないんであります。

ムール貝も、かつて同じ思いを抱いていた(と思う)。カキ養殖業者から「こんなにくっつきやがって!」と罵倒され、むしり取られ、捨てられていたのだ。

しかし、広島の「瀬戸内レモン農園」は考えた。厄介者扱いされてるこいつだって、活躍の場を与えれば、きっと輝いてくれるに違いない……。
ということで、この缶詰が誕生したのであります。これ本当の話。

○大粒を使ってます

小芝居は終わりまして、開缶!
どうですか、このぷっくりした様子。食べる前から、舌の上でぷるぷる弾ける食感が想像できる。ムール貝の缶詰は何社かで出しているけど、ここのムール貝は格別にぷっくりしている。それに粒も大きい。

そのままいただくと、特製の塩レモンが利いたすっきり爽やかな味。何しろ原材料は

・ムール貝
・オリーブオイル
・塩レモン
・レモン果汁

たったこれだけ。実にシンプルなのだ。でも全体がオリーブオイル漬けだから、熱々に温めればアヒージョのようにもなるはずだ。

○おいしいエキスが飛び出す

かくのごとし。中身を油ごと耐熱容器に移して、刻みにんにく、唐辛子を加えて、魚焼きグリルで加熱。油がふつふつしたら取り出して(ヤケドしないよう注意)、パセリを散らせば缶成!

ムール貝は、加熱によってぷっくり感がさらに高まった。熱々のところを舌の上で転がし、えいっとかめば、おいしいエキスがジュースになって飛び出してくる。にんにく&唐辛子のパンチも加わって、辛口の白ワインがくいくい進んでしまう。

それにしても、厄介者に活躍の場を与えた瀬戸内レモン農園さんはエライ。いっそのこと、全国でムール貝を食用に育てて、日本をムール貝大国にしちゃうのもアリだと思う。

缶詰情報
瀬戸内レモン農園/レモ缶・宮島ムール貝のオリーブオイル漬け 65g 500円(税別)
同社直販サイトで購入可

缶詰博士 かんづめはかせ 昭和41年福島県生まれ。公益社団法人・日本缶詰協会認定の「缶詰博士」。世界50カ国以上・数千缶を食している世界一の缶詰通。ひとりでも多くの人に缶詰の魅力を伝えたいと精力的に取材・執筆を行っている。テレビやラジオなどメディア出演多数。著書に「旬缶クッキング」(ビーナイス/春風亭昇太氏共著)、「缶詰博士が選ぶ!『レジェンド缶詰』究極の逸品36」(講談社+α新書)、「安い!早い!だけどとてつもなく旨い!缶たん料理100」(講談社)など多数。公式ブログ「缶詰blog」とFacebookファンページも公開中。 この著者の記事一覧はこちら

当記事はマイナビニュースの提供記事です。

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