Rakuten BIG実機レビュー - 魅力はお手頃・大画面! 「eSIMのみ」の強みと弱点も


●箱の大きさに驚愕。基本は両手持ちのスマホ

「Rakuten BIG」、まず箱の大きさが驚きでした。薄く四角い箱に「Rakuten BIG」と大書されており、初見のインパクトは抜群です。

あえて箱を大きく作っているのではないかと一瞬考えましたが、開けてみて納得。箱の大きさはスマホの縦の長さにあわせた正方形で作られています。

○両手持ち前提のビッグなノッチレス画面

このスマホの魅力をひと言で表すと「お手頃な大画面」となるでしょう。画面サイズは6.9インチと、一昔前ならタブレットに分類されていたような大きさ。ただしアスペクト比は約20.5:9と縦長な形状で、横幅は抑えられているためなんとかスマホだと認識できます。横幅は80mmで、片手持ちでも使えないことはありませんが、安定して持つのは難しいでしょう。基本的には、カバンに入れて、両手持ちで使うスマホです。

○透けるインカメラでフル画面を実現

このスマホには面白いギミックが隠されています。アンダーディスプレイカメラです。有機ELディスプレイの一部が透過するようになっていて、そこにインカメラを格納しています。画面上部の“ノッチ”を無くし、「前面をフルに使った画面」を実現したわけです。

使わない時にはディスプレイの一部として隠れており、目を凝らさないと見分けが付きません。ただし試用時には、アプリが切り替わった直後などに、インカメラ部の表示が切り替わらずに目立ってしまうこともありました。

ベゼル(画面枠)はやや太め。「Galaxy S20 Ultra 5G」など最新のハイエンドスマホに比べると、特に上下が厚く、“画面を手に持っている感覚”は少ないです。それでもインカメラのノッチが無いぶん、動画をフルスクリーン表示した時にはすっきりとした画面が快適です。

○Snapdragon 765Gで動画もゲームも軽快

Rakuten BIGのサイズ感は、動画鑑賞に向いています。両手で横持ちにして15cmくらいの距離で手持ちしたときにちょうど視界に収まる程度の大きすぎない大画面で、寝転がりながら動画を視聴するには手頃です。加えて、IPX8相当の防水仕様でもあるので、お風呂で動画を視聴するのにもちょうどいい存在です。

有機ELディスプレイで発色も良く、画質は申し分ありません。ただし、HDRコンテンツへの対応はサービスによりけりなのかやや注意です。ハードウェアとしてはHDR 10規格をサポートしていますが、Netflixアプリ上で対応コンテンツを再生してみようとしたところ、HDR再生に対応していないという表示となりました。

チップセットはSnapdragon 765Gを搭載しています。これは2020年に発表された普及帯の5Gスマホで広く採用されているチップセットで、負荷の高いグラフィックス処理までバランスよくこなすパフォーマンスを備えています。

実際に3Dゲームを遊んでみても快適で、本体が大きいからか熱処理も安定している印象です。オンラインゲーム「原神」を最高画質の設定で動かしてた時は、複数いる敵キャラクターのエフェクトが一面に広がっているシーンなど、一部で動きが重いと感じることはあったものの、1~2時間ほどぶっ続けでプレイしても不安無く動作しました。

●6,400万画素メインの4眼カメラは総じて優秀
Rakuten BIGの大きなアピールポイントは、「5G」に楽天ブランドのスマホとして初めて対応することです。ただし、2020年11月時点では5Gの恩恵を誰でも享受できるという状況にありません。

楽天モバイルが公表している5Gエリアは、9月30日時点の最新データで全国で21か所と極めて限られており、そのエリアの1つ1つもたとえば「世田谷区瀬田1丁目付近」といったように、今はまだ“○丁目”程度の範囲に留まっています。
○4Gエリアの拡大に期待、eSIMの強みと弱点

ハードウェアとしては5Gでミリ波帯とSub-6帯の2種類の周波数帯に対応しています。今後、5Gのエリアが広がれば、その性能を存分に生かせる仕様と言えます。

また、2019年に新規参入した楽天モバイルには、4G LTEエリアの整備が不十分という課題もあります。急速に自社回線エリアを広げているものの、郊外や屋内などで実施していたau網とのローミングを終了しつつあり、カバーしきれていない場所で圏外となる状況も発生しています。

エリア展開の不足は一過性のものとなりそうですが、少なくともNTTドコモやau、ソフトバンクのような全国で使える4G LTE網と比べると、つながらない場所が多いということは理解した上で利用するのをおすすめします。

なお、Rakuten BIGはSIMカードに非対応で、「eSIM」のみで利用できます。国内でeSIMの音声通話サービスを提供しているのは現時点で楽天モバイルのみとなっており、カード受け取りの手間なく利用を開始できます。一方で、SIMロックフリー仕様ではあるものの、現状では実質楽天モバイル以外の回線で使えないという弱点もあります。
○背面カメラは4眼構成、日中の写りは良好

背面カメラは4眼構成で、広角6,400万画素、超広角800万画素、深度センサー200万画素、マクロ200万画素という内容。最近のミッドレンジスマホで多くみられるカメラ構成です。広角カメラ基準で最大10倍のデジタルズームと、超広角での撮影が可能です。

日中の撮影は総じて優秀で、室内撮影での性能は悪くありません。マクロカメラを備えているだけに小さなモノの撮影にも強く、料理のボケも自然な写り。夜景はハイエンドスマホには及びませんが、広角カメラでは白飛びも抑えられるなど健闘している印象です。

インカメラは前述した通り、ディスプレイ内蔵型となっています。インカメラを起動した時にはディスプレイの一部が透明になり、画面越しにカメラを使えるという仕組みです。インカメラの解像度自体は3,200万画素と高いものの、ディスプレイ内蔵型は発展途上の技術ということもあり、全体に白いもやがかかったようなフンワリとした写りになります。

実用できるレベルではありますが“フンワリ”の除去や調整ができないため、セルフィーにこだわりがある人は一度実際に試してみたほうがいいでしょう。

以下に作例を掲載します。画像は一部を除き長辺1,200ドットにリサイズしていますが、画像クリックで拡大すると原寸大表示も可能です。

●コンパクトなスマホとの2台持ちがピッタリ!
さて。Rakuten BIGの魅力はやはり、ディスプレイにあると感じました。タブレットほどかさばらず、手持ちで映像をみたり、ゲームを楽しんだりするにはちょうどよいサイズ感です。一方で、eSIMしか対応していないことで、使えるモバイル通信手段が実質的に楽天モバイルの自社回線に限られているのはウィークポイントといえます。

楽天モバイルエリア内にいれば(アプリ利用で)通話・データ通信し放題で月額2,980円、さらに先着300万人まで1年間無料という破格の安さは取り柄です。ただ、現時点ではエリアはやや狭く、また楽天回線以外のVoLTEが非対応だったり、サポート面の信頼性やサービスの安定性にあと一歩という印象もあります。

私見ではありますが、この端末+回線だけをメインの通信回線として使うのは、現状ではあまりおすすめしません。このスマホの真価は、小型スマホと2台持ちした時に発揮されるでしょう。

たとえばiPhone SEを通話回線やLINEなどで使い、Rakuten BIGで動画やゲームを楽しむといった使い方をすれば、弱点を補い合って快適に運用できるはずです。工夫次第でRakuten BIGは、理想的なサブスマホとなるでしょう。
○Rakuten BIGの主な仕様

OS:Android 10
CPU:Qualcomm Snapdragon 765G
メモリ:6GB
ストレージ:128GB
アウトカメラ:64MP + 8MP(120度広角)+ 2MP(深度)+ 2MP(マクロ)
インカメラ:32MP
ディスプレイ:6.9インチ(2,460×1,080ドット)、有機EL
SIM:eSIM
5G:n77 / n257
FDD:B1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 7 / 12 / 17 / 18 / 19 / 26 / 28
TDD:B38 / 41 / 42
このほかの通信:IEEE802.11a / b / g / n / ac、Bluetooth 5.1、NFCなど
インタフェース:USB Type-C
防水防じん:○
おサイフケータイ(FeliCa):○
バッテリ容量:4,220mAh
本体サイズ:174×80×9mm
重さ:約227g

著者 : 石井徹 いしいとおる モバイルが専門のフリーライター。スマホを中心に5GやAIなど最新技術を幅広く取材する。スマホ購入履歴は100台以上。3キャリアのスマホを契約し、どこでも通信環境を確保できるよう心がけている。 この著者の記事一覧はこちら

当記事はマイナビニュースの提供記事です。

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