バイプレイヤーの泉 第57回 『ルパンの娘』、令和のスタア街道をしたたかに進む女優・橋本環奈


幼少期から熱血ドラマオタクというライター、エッセイストの小林久乃が、テレビドラマでキラッと光る"脇役=バイプレイヤー"にフィーチャーしていく連載『バイプレイヤーの泉』。

第57回は女優の橋本環奈さんについて。現在『ルパンの娘』(フジテレビ系)に出演中です。もうすでにあの一線級の美しさは世間に知られているもの。今さら彼女の造形美について語りたいのではなく、同年代の女優陣とはなぜ存在感が一線を画すのか? について、考えてみたいと思います。
○衣装の白い制服に負けない、まぶしさを振りまいて

まずは『ルパンの娘』のあらすじを紹介しよう。

伝説の泥棒一家と言われる『Lの一族』を中心に繰り広げる、面白すぎるコメディドラマ。『Lの一族』=三雲家の長女・華(深田恭子)は、凄腕の泥棒テクを持ちながら、警察官・桜庭和馬(瀬戸康史)と恋に落ちて、結婚。ただ華の存在は事件をもみ消すために一族ごと、滅んだことになっている。その最中に華は長女を出産。泥棒の世界に我が子を染めたくない、華の葛藤が始まった。

2019年に放送したばかりにも関わらず、早々に第2シリーズがスタートした『ルパンの娘』。私たちはコロナ禍によって、2020年はテレビを見て笑う回数が極端に減ってしまった。そこへまるで『Lの一族』が、私たちの疲弊しした心を盗むかのように、この作品がふっと現れた。そして毎週笑わせてもらっている。

笑いの破壊力を振りかざしているのは、パパ・尊(渡部篤郎)とママ・悦子(小沢真珠)による、全く周囲の空気を一切読まないやりとりである。特にママのお宝への執着は激しく、

「あなたあ、私、これ(お宝)絶対に欲しいわ」

こんなふうにパパへのおねだりが毎度。色っぽさとギャグを絶妙にミックスさせて話す演技が、腹を抱えて笑うほど楽しい。仕事でイライラしていたことが一気に吹っ飛ぶ。深田恭子も相変わらず可愛いし、円城寺さん(大貫勇輔)は今回も突然踊る。

橋本さんはこの作品で名探偵一家の娘として生まれた北条美雲を演じている。美雲は『Lの一族』と亡くなった祖父や父との因縁を知り、彼らを追い詰めるべく生まれ育った京都を離れて、上京。ハイソな高校に通う、キラッキラの女子高生だ。わざと違和感があるような設定なのだろうか? セリフの京都弁はぎこちないけれど、衣装の白い制服に負けないほど爽やかな美しさがまぶしい。

おそらく最終的に『Lの一族』とガチンコ勝負になるのだと言うのが、私の勝手な物語の予想だ。
○21歳にして「毎日飲みます」という心意気

さて橋本さんの何がすごいかといえば、テレビよりも映画への露出率が高いのにもかかわらず、世間に可愛らしさが周知されていること。2011年以降、約20本の映画に出演している一方、テレビドラマは約10本。お茶の間よりも映画館で自分の存在を示すとは、昭和の銀幕女優たちを彷彿させる。

演じているポジションも面白い。『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』(2018年)では、平野紫耀さん(King&Prince)の相手役に。同じように他作品でも人気絶頂アイドルたちの右隣ポジションを演じてきた。ファンなら縁起とはいえ心がざわつくこともあるだろう。

それでも一度たりとも炎上をしないでいるのは橋本さんだからこそ。それも単にあの水戸黄門の印籠のように、周囲がひれ伏す美貌だけが理由ではない。彼女の堂々したスタイルに皆一目置いている。21歳にして"姐さん"ムードが漂っているのだ。

それもそのはず、以前『櫻井・有吉THE夜会』(TBS系)では

「(酒が)二杯ぐらいまでは休肝日かな、と思っています」。

『KinKi Kidsのブンブブーン』(フジテレビ系)では

「多いときは週7で、飲みに行っている」。

記憶が確かなら、どこかのインタビューで毎晩飲んでいると話していた。別に酒を飲むことで、堂々さを醸し出しているというわけではない。本来であれば世間の男性たちが夢を抱く、可憐な21歳にイメージを裏切ることになる酒豪っぷりは隠すものである。撮影の重なる女優陣がストレスを、アルコールで昇華させている話は、ちらほら聞こえてくる。でもそんな事実を包み隠さず「これも私です」と言わんばかりに話す姿勢は、美しさだけではない、力強さを感じさせてくれる。

その他、熱血巨人ファンだとも公言している。酒にプロ野球とは、親父の世界そのもの。橋本環奈は、きっと今日もたくましい。どうかこのまま寄り道をしないで、立派な中年に育ってほしい。

当記事はマイナビニュースの提供記事です。

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