危険な会社は「評価」を見れば分かる! 転職すべき会社の見極め方を解説


○ボーナスだけで会社は判断できない

12月、ほとんどの企業で冬季賞与が支給されます。今年は、コロナ禍での支給となり、前年度より減額を余儀なくされる企業も少なくないでしょう。

しかし、読者の方には、賞与の支給額が「下がった、上がった」というだけで、会社の良し悪しを判断してほしくないと私は考えています。経営状況から一時的に賞与の支給原資を下げざるを得ない状況になったとしても、その後、成長していく可能性を持った企業はたくさんあります。

会社が将来、長期的に成長を見込める会社かどうか? これを見極めるカギが「人事評価制度」に対する会社の考え方や運用方法、ルールにあります。そのポイントをここでお伝えしましょう。

○「人事評価制度」の目的をチェック

「人事評価制度」に対する考え方については2つの見極めポイントがあります。

1つ目は、人事評価制度の目的が人材育成だということを会社が全社員に打ち出しているか。そして、幹部や上司が、評価やその運用を推進するにあたって、「評価は人材育成のために行っている」ということを、しばしば部下に伝えているかという点です。

通常は、「人事評価制度運用マニュアル」や「手順書」などがあり、誰でも、いつでも確認できるはずです。これらの冒頭に、人事評価制度の目的が「自社の人材育成の仕組みだ」ということがきちんと明記されているかどうかを確認してください。

幹部や上司の伝え方に関しては、日ごろのコミュニケーションや幹部・上司の発言で確認できるでしょう。あなたの方から上司に「評価はなんのためにやるのですか」と問いかけてみるのもよいでしょう。
○制度の運用方法、ルールからわかること

2つ目は、「人事評価制度」の運用方法、ルールについてです。こちらは、次の5つのポイントをチェックしてみてください。
○上司同士が部下の評価結果に関して話し合いしているか

上司同士とは、直属の上司とその上長のことです。また、そこに担当役員や社長が入って検討する場合もあります。こうして社員一人ひとりの評価を決めるまでのプロセスにしっかり時間をかけているという会社は、人材を大事な資産と考え、育てていこうという方針だといえるでしょう。
○上司から評価結果を適切にフィードバックされているか

面談を通じて、上司より「評価項目ごとの判断理由、なぜその評価結果となったのかの説明」「どの項目がよくなれば総合評価がアップするかの明確な説明」「ステップアップに向けて取り組む目標、改善課題の具体的なアドバイス」が聞けないと、その評価制度は人材育成を目的としたものとはいえません。
○次の評価期間までの間に、評価制度の運用が実施されたか?

評価制度が人材育成の仕組みとして機能し、成果を上げるためには、評価実施時期以外の期間の運用も重要です。特に、次の2つに留意しましょう。

フィードバック面談時に決めた自分の成長目標の進捗や達成状況を上司が確認、支援してくれているか、目標管理シートなどを活用し、最低毎月1回は面談で確認、共有をする場があるか。

「納得度アンケート」として、「評価結果に納得できたか」、「上司がその内容を分かりやすく示したか」、「次の目標を明確にできたか」などの質問を、無記名で全社員に対して実施されるなど、評価結果に対する納得度合を定期的に計測する仕組みがあるかどうか。

納得度が100%というのは難しくても、会社がその結果を公表しているか、納得度の向上のための対策を具体的に行っているかどうかも重要です。
○評価者に対する教育を継続的に行っているか?

評価を行うマネージャーが、複数の目標や役割を兼務したプレイングマネージャーという会社は一般的に多いもの。こうした環境のもとで評価制度に従って部下をみるリーダーは、評価に「組織の将来を担う人材を育成していく重要な役割がある」ということを忘れてしまうことがあります。

これを防ぐには、評価者に対する意識付けと、解説した評価制度運用上の人材育成のポイントをきちんと実施し、考え方を浸透させられるようなマネージャー教育を継続的に行っていく必要があるのです。
○「評価基準」が改善されているか?

昨今のコロナ禍のように経営環境が大きく変わると、それに応じて会社の経営戦略や事業計画も修正の必要性が出てくるはずです。会社の戦略が変われば、仕事も変わります。すなわち、そこで仕事に取り組む社員の目標や役割も必然的に変わってくるでしょう。これに応じて評価基準の見直しが本来は必要なのです。

私は評価制度の運用支援を専門とするコンサルタントですが、半年ごとに評価基準の内容は改善するのが当たり前。3年以上前に作成された評価基準を使ってあなたの評価が決まっているという会社は要注意です。
○人事評価制度を活用できない会社は危ない

いかがでしたでしょうか。あなたの会社の将来性を見極めるポイントとして、「人事評価制度」に対する考え方や運用方法、ルールについてご紹介しました。

一貫して私がお伝えしたいことは、「人事評価制度」を人材育成の仕組みとし、組織成長のエンジンとして活用できていない会社の将来は危ういということ。これは、そこで働く社員の成長にも限界があるということにつながるからです。

なぜか? 逆を考えてみればわかりやすいでしょう。「人事評価制度」を人材育成の仕組みとして位置付けていない会社が、人事評価制度の目的をどこに置いて運用しているかを考えてみましょう。

一般的に、こうした会社の人事評価制度は、その目的を「公平な評価制度」、「社員の納得度獲得」「賃金を決める」といったことに定めています。

これらを目的にすると、必然的にその運用は先に挙げた「評価結果を本人にフィードバックする面談の場が設けられているか」だけを重視する傾向になり、その他については行われていないか、中途半端な状態のまま運用されています。

つまり、「上司同士での評価結果を決めるための話し合いの場を持たず、部下の評価を決めるプロセスを重視しない」「成長目標が不明瞭で、次の評価までのフィードバックがない」「評価者研修やフィードバック面談の進め方など、管理職への教育研修機会がない」「評価基準の項目や内容が、会社や上司から求められているそれと異なり、普段の仕事が評価されない」ということになります。

こうした会社は人が育ちにくい環境。ボーナスが多い会社と自分自身と組織の成長が見込める会社、あなたならどちらを選びますか?

山元浩二 日本人事経営研究室 代表取締役。10年間を費やし、1,000社以上の人事制度を研究。理念とビジョンを実現するための人材を育成する「ビジョン実現型経営計画」を開発し、独自の理論でコンサルティングを行う。近著として『改訂新版 小さな会社の人を育てる人事評価制度のつくり方』(あさ出版)がある。 この著者の記事一覧はこちら

当記事はマイナビニュースの提供記事です。

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