三木眞一郎・蒼井翔太の朗読劇『素晴らしき哉!人生!』11/23までアーカイブ配信中 《レポート》斬新な演出で描き出す“人生の奥行き”

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三木眞一郎蒼井翔太によるオールメン朗読劇『素晴らしき哉!人生!』が、11月23日(月・祝)23:59までの期間限定で再配信されている。心温まるヒューマンドラマを、ただ朗読するのではなく新感覚のエンタテインメントに昇華している本公演の魅力とは? ネタバレなしで、見どころをお届けする。

オールメン朗読劇『素晴らしき哉!人生!』三木眞一郎・蒼井翔太 インタビュー

物語を盛り上げる“奥行き”の演出


朗読劇の魅力は、ストレートプレイを見るとき以上に観客が自由に想像できるところにある。明るい所より暗闇の方が怖いように、目に見えるものよりも見えないものの方が、より五感を刺激し、心を動かす力があるからだ。だが、多くのエンタテインメントが配信という画面を視聴するスタイルになってしまったいま、ひとつだけ薄れてしまっていた感覚がある。“奥行き”だ。

舞台の奥行き、物語の奥行き、そして人生の奥行き。そのことに気づかせてくれたのが、声優・三木眞一郎と蒼井翔太によるオールメン朗読劇『素晴らしき哉!人生!』だった。

心温まるヒューマンドラマ





物語は、絶望の淵に立つ男・ジョージを、翼のない天使・クラレンスが救うところから始まる。「俺なんか生まれてこなければよかった」と嘆き悲しむジョージが、自らの人生を振り返りながら、生きる意味とは価値のある人生とは何かを問う、ハートフルなヒューマンドラマだ。

脚本・演出は倉本朋幸。10月25日(日)に、イープラス「Streaming+」にて無観客生配信で上演。その際収録された映像を再編集したものが、11月14日(土)10:00~11月23日(月・祝)23:59までの期間限定で再配信されている。もし見逃していた人がいるならば、ぜひこの機会に観てほしい。
オフショット(倉本朋幸・三木眞一郎・蒼井翔太)
オフショット(倉本朋幸・三木眞一郎・蒼井翔太)


昼の部:ジョージ役 三木眞一郎、クラレンス役 蒼井翔太
昼の部:ジョージ役 三木眞一郎、クラレンス役 蒼井翔太

老若男女、すべての登場人物を演じきる


キャストは、声優の三木眞一郎と蒼井翔太。ふたりは、ジョージとクラレンスだけでなく、作中に登場する老若男女から飼い犬まで、十数人もの登場人物を演じわけている。そのなかには、まずアニメでは演じることのないような人物も。例えば、蒼井が演じる傲慢な銀行家のポッターや、三木が演じる幼い弟のハリー、ブロンドの巻き髪が美しい妻のメアリーなどなど。さらに、昼公演と夜公演で配役を入れ替える“オールメン形式”のため、それぞれがすべての登場人物を演じたことになる。


なお、昼公演では、繊細さのなかに熱い魂を持つジョージを三木・飄々としたまだ若めの天使クラレンスを蒼井が演じ、夜公演では青くもエネルギッシュなジョージを蒼井・大人の色気あふれるクラレンスを三木が演じている。同じ役でも、役者が変わることで昼夜まったく違った印象のジョージとクラレンスの物語が紡がれていくのだ。それらをすべて可能にしているのが、声優の言葉による表現力だ。

朗読劇なのに、ダンス・歌唱・ドローン撮影



本作のもうひとつの見どころは、“奥行き”を感じさせてくれる様々な演出でもある。役者がただ椅子に座って本を読むのではなく、シーンによっては軽快にチャールストンを踊ったり、見つめ合って歌を歌ったり、セットの中であぐらをかきながら朗読したり……。舞台の奥行を最大限に活かした、動きのある朗読劇になっている。


アンサンブルたちの見事な連携も素晴らしい。彼らは舞台上で様々な感情を表現したり、朗読しているふたりの真後ろでセットを作りあげたり、ときには登場人物として物語を彩る。本作は、たったひとりの存在が、周囲にどれだけの影響を与えあっているのかを描いた物語。だからこそ、キャストやアンサンブル、ミュージシャンが同じ空間でリアルタイムにひとつの作品の世界を作りあげていく様を見ることにも、深い意味があるように感じる。

また、屋外でドローン撮影されたオープニング映像も、他では見たことがない。それぞれの日常、それぞれの環境で観る配信だからこそ、現実から物語の世界へ自然に没入させてくれるこの演出の役割は、とても大きい。

“奥行き”があるから、視点が変わる



そして三木と蒼井は、物語の奥行き、人生の奥行きを見事に演じている。目の前にあるどうしようもない現実や逆境を、ただただ誠実に健気に乗り越えてきたのに、それでも絶望にたどり着いてしまったジョージ。必死にがんばったところで、自分には結局何も残らなかったと嘆く彼の心が失っていたものこそ、“奥行き”だろう。そんなときこそ、“奥行き”に気づかせてくれる誰かが必要なのだ。

私の隣にはクラレンスのような天使はいないが、幸いにもこの舞台とふたりの芝居に出会えた。だから“奥行き”に気づくことができた。もしいま漠然とした孤独を感じている人、人生の価値を見出せずにいる人には、ぜひ観てほしい。奥行きさえあれば、少しでも視点を変えることができれば、自分の存在がこの世界にどれだけ必要だったかに、きっと気が付ける。人生捨てたもんじゃないと、笑えるはずだ。



推しを堪能できる“推しカメラ視聴券”

オフショット
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再配信では、通常の公演映像を楽しむ“視聴券”<昼の部・夜の部・2回通し券>だけでなく、三木だけまたは蒼井だけを映した“推しカメラ視聴券”も販売中。一度生配信を観た人でも、今度は“推しカメラ視聴券”で新たな楽しみ方ができるのだ。加えて、リハーサルから公演当日までのふたりを追いかけた“バックステージ視聴券”も販売される。この凄まじい演出&物語の舞台ができるまでをじっくり楽しみたいという人は、こちらも見逃せない。
オフショット
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撮り下ろし写真やインタビューを収録した記念パンフレットは、500部の注文で販売が実現する完全受注生産という形で、11月23日まで申し込みを受付中だ。芝居・演出に加え、様々な楽しみ方で朗読劇の魅力、エンタテインメントの力を届けようとしている、オールメン朗読劇『素晴らしき哉!人生!』。ぜひこの機会をお見逃しなく。
三木眞一郎、蒼井翔太 撮影=飯田かずな(P familia)
三木眞一郎、蒼井翔太 撮影=飯田かずな(P familia)

取材・文=実川瑞穂

当記事はSPICEの提供記事です。

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