Xbox Series Xレビュー:これは「ゲームを楽しむ」ためのゲームだ!

xbox1
Image: Gizmodo US

シンプル・イズ・ザ・ベスト!

2020年11月10日、ついにMicrosoftのXbox第四世代となるXbox Series X|Sがリリースされました。なかでも同社が「これまでで最速かつもっとも強力なコンソール」と自信を見せるのが、税別4万9800円のSeries X。米GizmodoのAlex Cranz記者がさっそくレビューします!


時は90年代後半。Microsoftのエンジニアグループは古いDellラップトップをいじりながら、同社のマルチメディア処理用API“DirectX”をベースにしたコンソールを作れないか、と模索していました。目標はズバリ、世界的ソフトウェア会社のノウハウが詰まったゲーム機器を作ること。もちろん、Windowsの入った大型PCとはまったく別物、というのが前提です。

結論からいうと、彼らは成功したと言えるでしょう。彼らが生み出したコードネーム“DirectXbox”はやがてXboxとして世に出されました。発売当初、そのパワーと驚くべきグラフィックス、そして力強いPCハードウェアで大いに注目されたのです。

Xbox Series Xもまた、そんなPCメーカーの魂をしっかり受け継いだ、直系の後継機。ある意味、Xbox Series360やOneより初代の血は濃いかも。つまり、世界最大手のハイテク企業がシンプルにゲームを楽しみたい方に贈る次世代ゲーム機になっています。かくいう私も、一目でハマってしまいました!

Xbox Series X

xbox2
Image: Gizmodo US

これは何?:Microsoftのハイエンド次世代コンソール。

価格:4万9800円(税別)

好きなところ:Smart DeliveryとGame Passはかなり画期的。クイックレジューム機能も非常に便利。ゲームチェンジャーです。クイック履歴書は素晴らしいです。静音設計でゲームを心ゆくまで楽しめます。

好きじゃないところ:Microsoftの革新的なEliteコントローラーの機能がXには一切引き継がれていない。

今回Microsoftは2種の次世代コンソールを発売しており、ハイグレード機種にあたるのがXbox Series X。ちなみに、2機の総称は“Xbox Series X | S”と。これXとSを入れ替えたらちょっと隠語っぽいな…なんてしょうもないことはさておき、まずは発売されたばかりのコンソールをじっくり見てみましょう。皆さんの予想をいい意味で裏切ることになるはずです!

大きくてハイスペック! 買うならやっぱりSeries Xがおすすめ


Series Xはひと言でいうと、デカい。これは、ビルトインのUHD Blu-Rayプレーヤー、1 TBのカスタムSSD、高性能のシステムオンチップ(SoC)を装備しているため。スペックはというと、CPUがAMD Zen 2プロセッサ(8コア、最大3.8 GHz)で、GPUはRDNA2プロセッサ(12TFLOPs、52CU、最大クロック数1.825 GH)、そしてメモリは16GBのGDDR6を搭載しています。

一方、Xbox Series Sにディスクプレイヤーはなく、スペックも512 GBのSSDとたった10 GBのGDDR6メモリ、そしてZen2プロセッサ(8コア、3.6Ghz)にRDNA2プロセッサ(20CU、1.565GHz)と、正直Series Xと比べると見劣り感は否めません。ただ価格は2万9980円で、サイズもかなり小さめなので、お手頃感は圧倒的にSeries Sに軍配が上がります。ちなみにSeries Sのレビューが読みたい方は、こちらへ。ただ、やはりどうせXboxを1台購入するなら、頑張って2万円余分にためて5万円のXbox Series Xを買うことをおすすめします。
xbox3
Image: Gizmodo US

使いやすさを重視した、シンプルなコンソール


見てください、この無駄のないデザイン。 Series Sは排気口が前面のど真ん中に黒く鎮座していてスピーカーみたいだし、PS5は洗練されすぎてバークレイズセンターとか先鋭建築のような感じ。それと比べてSeries Xはなんともシンプルで縦置きにも横置きにも対応。しかも静音設計になっています(特にXbox One Xやジェットエンジンかと思うようなPS4 Proと比べると、かなり顕著)。ちょっと角度を変えてみると、排気穴の奥に緑の円が見えて、ここになにか秘密がある感じ。

ただ、Series XもSeries Sも、置き場所には注意してくださいね。どちらも排気口付近がかなり高温になりますから。排気口自体は摂氏46度くらいまで上がるので、テレビの後ろに置くと、小さめの「おひとり様用ヒーター」状態になります。ちなみに私はテレビ下のキャビネットに入れていますが、使用中はキャビネットのドアを開けっぱなしにしておきます。

ソニーは、「触覚フィードバックとアダプティブトリガー」を備えた最新のコントローラーに力を入れているようですが、Microsoftの場合は使いやすさに重点を置いた、ある意味Appleに近いデバイスに仕上がっています。

購入後に電源を入れてみると、まずはXboxアプリをダウンロードするよう提案され、専用のコードが表示されます。言われたとおりスマホアプリにログインしてコードを入力すると、Series Xがアカウントにログイン、過去にXboxで登録した設定をもとにWi-Fiに接続し、必要なアップデートを適用していきます。アップデートにかかった時間は別として、初期設定の所要時間はわずか3分弱でした。なんていうか、手間なしです。

xbox4-1
Image: Gizmodo US
セットアップはiOSもしくはAndroidのXboxアプリにコードを入力するだけ。


xbox4-2
Image: Gizmodo US
接続中…。


xbox4-3
Image: Gizmodo US
アプリはリモコンにもなります。


xbox4-4
Image: Gizmodo US
残念ながら、Game Passアプリ(Androidのみ)とは別アプリになります。


xbox4-5
Image: Gizmodo US


xbox4-6
Image: Gizmodo US

あらゆる場面で、起動が速い!


Microsoftはストレージと超高速メモリにカスタムSSDドライブを採用しているので、とにかくゲームの起動が速い。テレビの電源が入る前にゲームのスタンバイOK! 私が最近プレイしていたゲームをスタートするのにかかった時間はわずか7秒。Series X | S用に最適化された『Gears 5』でも、互換性のある『The Outer Worlds』でも、ほとんどロード時間の差はありませんでした。

さらに私は、Series Xの電源を36時間ほど抜いた状態で放置しました。あ、これはSeries Sをテストするためだったんですけどね。プラグが共有だったもので…。で、36時間後に電源をオンにしてみたら、何事もなかったかのように復活して、すぐにゲームに戻ることができました。クイックレジューム機能だけはリセットされましたが。

余談ですが、クイックレジュームはゲームを一時中断してほかのタイトルに切り替えられる機能です。いちいち長いロード画面を見なくていいので、あれこれ気まぐれに楽しみたい方には便利ですよー。

コールドブートの起動も早かったです。『Gears 5』は41秒、『アウター・ワールド』は28秒、『Cuphead』にいたってはわずか13秒で起動しました。ちなみにXbox One Xでは『Gears 5』が1分15秒、『アウター・ワールド』は44秒、『Cuphead』は21秒かかっていましたので、コールドブートでの起動時間が半減していることがわかります。コールドブート後のデータロード時間も短縮されていて、『アウター・ワールド』と『Gear 5』は5分の1の時間で完了。「ちょっと飲み物でも…」と立ち上がったり、ワンちゃんを撫でたりしてた時間は、ほぼ無くなったと言っていいでしょう。
xbox5
Image: Gizmodo US
HDMI入力端子がない。やった…。

繊細でキレイなグラフィックス。でも、劇的というほどではない。


このコンソールは、期待を裏切りません。ゲームの世界は日進月歩で、世代が変わればその分グラフィックスも大きく進化を遂げます。ほんと、アゴが外れないように押さえておいてくださいね。ぜひ、最先端のグラフィックスに対応するソフトでプレイしてみてください。たとえばPC版からビジュアルアップデートした映像美で知られるシューティングゲームの『Gears 5』なら、ロビー画面にいる時点でキャラクターの描写がとても繊細なのがわかり、Xbox One XやSeries Sといった過去機種や別バージョンとの違いがわかります。

発売前に体験できたソフトはそれほど多くなかったのですが(『ウォッチドッグス レギオン』や『アサシン クリード ヴァルハラ』などは11月10日解禁)、どれもいい感じでした。『龍が如く7』や『Destiny 2』、『Forza Horizon』なんかは画面上を跳ね回る印象でした。ただ、前世代の機種と比べて劇的な変化があったか、というと…そこまでは言いがたいです。光の反射などをよりリアルに表現する「レイトレーシング」に未来を感じる、というこだわり派の方にとっては、ちょっと物足りないかもしれません。少なくとも、発売前にテストできたソフトについては、レイトレーシング対応していませんでした。

もう少し待てば、この状況は変化すると思われます。2年前、Nvidiaが2000シリーズのGPUを発売したことによってデベロッパーはレイトレーシングという武器を手に入れました。しかし私が話を聞く限り、とりあえずこの技術に対応するコンソールでゲームが出るのを待とう、というデベロッパーも多かったのです。つまり、『Control』や『Battlefield 1』、そして(発売再延期が噂される)『サイバーパンク2077』などのゲームはテクノロジーの頂点、というよりはまだ「未来の先駆者」という存在なのです。
xbox6
Image: Gizmodo US
コントローラーも文句なし。個人的には、Eliteがほしい。

プレイヤーに嬉しい”Game Pass”と”Smart Delivery”


PS5にはない、Xboxの魅力といえばGame Pass。Game Passは定額料金で初代からSeries X | SまでのタイトルがXboxやPC、スマホで遊び放題、というサブスクサービスです。ちなみに、レイトレーシングを搭載するゲームは“Game Pass”に(ほとんど)対応していません。

Game Passは、もう1つのXbox独自機能の“Smart Delivery”とも連携しています。こちらは、「サポートされているゲームを一度購入すれば、プレイするコンソールにかかわらず、最適なバージョンをいつでも入手可能」という優れた機能です。

たとえば、Xboxで対応ゲームを購入すると、PCでもプレイ可能。もちろんその逆もOK。ソニーはクロスプレイ回避のためにあらゆる手段を講じていますが、Microsoftはかなり前向き。もちろんそこにはソロバン勘定が絡んでいるのは明らかですが(MSはPCとコンソールのメーカーですから)、消費者にとってはありがたい限りです。

Game PassやSmart Deliveryなどの機能はあくまで「ゲームを、より良く」するためのものであり、PS5のクールな触覚テクノロジーや大容量のストレージと比較する類のものではありません。

独占タイトルのラインナップとストアは、ソニーのほうが上手。


ソニーの場合、その存在感を際立たせているのが「PS独占タイトル」と、それらを販売するストアです。Xbox Series XのストアはXbox Oneのそれとほぼ変わりなく、おすすめゲームの提案や、Series X | S用に最適化されているゲームをわかりやすく提示したりするのは苦手な様子。

ソニーは話題の新着ゲームや、プレイ履歴からおすすめのソフトを紹介(誘惑?)してくれたり、マーケティングに関しては一歩上手ですね。Microsoft Storeでは私の趣味じゃないイマイチなインディーズとか、私が大嫌いなスポーツ系ゲームに出会うことも多かったです。
xbox7
Image: Gizmodo US

Series X | S向けに最適化されたゲーム専用のセクションもないので、Xbox Series Xでゲームを探す際、いちいちタイトルの詳細を確認しなきゃいけないんです…。ほんと宝さがし状態。(訳者注:Microsoftのゲームカタログには、最適化されたゲームのカテゴリが掲載されています)。

一方で、最適化されたゲームの機能については詳しくリストアップされていて、高フレームレートにHDR、4Kサポートなどなど、確かに魅力的。なので、頑張って対応ソフトを探してみてください! 同じタイトルでも最適化されたバージョンと、そうでないバージョンがあったりするので、検索するときには注意してくださいね。

まあ、ストアに関して重箱の隅をつつくのはやめにしましょう。もっと、大局的な話をしないと。そう、もっと大切な話を…。

Xboxには他にはない魅力的なソフトがたくさんあります。ただ、『スパイダーマン』や『アンチャーテッド』、『Horizon Zero Dawn』、『The Last of Us』といったタイトルはありません。ああ、どれもすごい傑作なんですけどね…ほんと歴史的最高傑作といってもいい…。

いやいや、Xboxにだって、『Halo』や『Forza』、『Gears』というシリーズ名作があります…!

うん、確かにいいゲームなんですよ。でも、なんか私の兄がこれをプレイしていたころを思い出すなーという感じ。まだ学生で、野球帽を後ろ向きにかぶってた頃。もはや郷愁…?

でも! Microsoftはゲーム制作会社の買収に積極的なので、これからまた代表作ができるかもしれません。ただ、現時点でいえば「Xboxじゃないとできないから!」とSeries Xを買いに走るほどのタイトルはなさそうです。

将来性と実用性で、やっぱりXbox Series Xがいい!


ではなぜ私がSeries Xをおすすめするのか? それはSeries Sと比べてはるかに将来性があり、PlayStation5よりもはるかに魅力的な機能を備えているから。Series Sでは4Kの60Hzはできません! 1440pって言ってるけど、ほとんどのテレビが対応していないそうですし…。Series Xは8Kにも対応していますから!(実際、1TBのドライブでゲームを処理するのは厳しいかもですが…)。

とはいえ容量約800GBのドライブは、シリーズSの約2倍なので、最適化されたゲームならかなり高度なゲーム体験を味わえるはず。

もちろん、PlayStation 5にも素晴らしいコントローラーや、たぶんすごく高速なストレージもありますが、Game PassやSmart Deliveryはありません! だから、もし! 5万円予算があって、1台だけコンソールをゲットするのであれば、Xbox Series Xが賢いお買い物です。Microsoftがこの数年で培ったノウハウと哲学がたっぷりつまったゲーム機なんですよ!

まとめ


・4K、60Hz、HDRのゲームプレイを実現。最大120Hz対応。可変リフレッシュレート(VRR)、Dolby Vision、8Kもサポート。対応するテレビがまだ一般的ではありませんが、今後新しいテレビを買った時にこうしたオプションがあるのは嬉しいはず。

・Game PassとSmart Deliveryはかなり最高。

・クイックレジュームと迅速なロード時間はこの世代のコンソールとしては決定的かと。それぐらい速い。

・グラフィックは上質。でも、アップグレードの決め手にはならない。

当記事はギズモード・ジャパンの提供記事です。

あなたにおすすめ

ランキング

ランキングをもっとよむ

注目ニュース

注目記事をもっとよむ

あなたにおすすめ