日本人がビビるフランス車の欠点を克服したプジョー208

日刊SPA!

―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―

◆アモーレ! フレンチコンパクト!

写真はワタクシの愛車シトロエンDS3と新型プジョー208であります。プジョーとシトロエンはフランスの自動車ブランド。フランスでは普通の人はプジョーを、公務員はルノーを、変わり者はシトロエンを選ぶなんて話もあります。そんな庶民のクルマ・プジョーの新型208は、これまでのフランス車の弱点を克服したステキな1台。思わず買い替えたくなりました!

永福ランプ(清水草一)=文 Text by Shimizu Souichi

池之平昌信(流し撮り職人)=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu

◆トレビアーンなフランス車は、安くてオシャレで走りもイイ!

読者のみなさまは、フランス車が欲しいなんて、コレッポッチも思ったことがないことでしょう。「だいたいフランス車なんてどこで売ってんだよ!」って感じでしょうか? 東京都杉並区在住のワタクシも、目黒区とか江東区まで行かないとディーラーがないので不便なのですが、鳥取・島根・佐賀の3県には、プジョー・シトロエンのディーラーが1軒もない。そりゃ買いたくても買えませんね。

でも私はフランス車が好きなのです。なぜフランス車が好きかというと、安くてオシャレで走りがイイからです。

私が今乗っているシトロエンDS3は、4年前、登録済未使用車を40万円引き(車両本体価格219万円)で買ったものです。219万円って値段は、ヤリスHVのGグレード(213万円)とほぼ同じ。輸入車なのにけっこう安いでしょ? フランス車の定価は、国産車とドイツ車の中間あたりですが、値引きが大きかったり、登録済未使用車が多かったりで、なんだかんだで「ほぼ国産車並み」なんですよ。

◆昔のフランス車には欠点がありました

オシャレさに関して異論はないでしょう。なにせおフランスだから。走りはあくまで実用本位で、フツーに走っててじんわり良さが滲み出るタイプ。フランス車の味わいを一度知ったらやめられません。

でも、昔は欠点がありました。まず、ATがダメだった。最近まで、フランス人の9割がMT車に乗っていたので、フランス車はMTが基本。自然、ATの開発はおろそかになり、プジョー・シトロエンの4速ATは、必ずブチ壊れるとも言われてました。私は3台乗ってセーフでしたが。

しかし、現在は解決しております! なぜなら、日本製のAT(アイシンAW)を導入したからです! 我がDS3はその第一世代。プジョー・シトロエンが日本製の6速ATを導入したと聞いただけで「夢か?」と思いました。それで「すげえ!」と、ついコーフンして買ってしまった面もあります。

◆先進安全装備も導入

もう一つの欠点は、先進安全装備がダメだったことです。最近までフランス車には、自動ブレーキやACC(前車追従型クルーズコントロール)なんて影も形もなかった。4年落ちの我が愛車もまだ不十分で、時速30㎞以下でしか効かない「ないよりゃマシ」程度の自動ブレーキが付いてるだけ。フランス車だもん、しょうがないよね。

ところが! それも解決されました! アメリカ系サプライヤー(TRWという会社)の最先端技術が導入されたのです! かつてのプジョー・シトロエンのアキレス腱は、日米の部品が完全に補強! まるで日米安保! その完成形が、この新型プジョー208なのです。

◆ATが6速から8速に進化

フランス車の弱点を完全に克服したこのクルマ、見た目はかつてのプジョーらしい小粋さを取り戻し、エンジンは実用域が元気で高効率な3気筒1.2リッターターボ。私のDS3と基本的に同じエンジンだけど、ずいぶん静かで滑らかになっている。しかもATは6速から8速に進化! フランス車が8速AT! 聞いただけで失神してしまいそう。

アメリカ系(現在はドイツ系のZF傘下)のレーダーやカメラはフランス感ゼロで、夢のように正確に作動する。さすが軍事超大国の技術。日本車やドイツ車にもまったく負けてない。

しかもこのクルマ、乗り味がいいんですわ。私のDS3は、フランス車のくせにドイツ車みたいに足を固めたモデルで、フランス車としては乗り心地が大変残念なのですが、208は乗れば乗るほどしなやかで気持ちイイ。これぞフランス車の王道。ルネッサ~ンス。

うーん、いいなあ。これ欲しいなあ。でもDS3の下取りいくらかなあ。なにせ不人気の3ドアだから、高くて50万円くらいかなあ。となると追い金最低250万円か。キツイ……。キツすぎる。とりあえず、登録済未使用車が出回り始めてから考えよう。

◆【結論!】

今回試乗したのは293万円のGT Lineだけど、買うとしたら、その下のアリュール(259万円9000円)が狙い目だろう。登録済未使用車なら40万円引きでイケるかな? ああ、この道はいつか来た道……。

―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―

【清水草一】

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中。清水草一.com

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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