童謡で有名な猿「アイアイ」、歌のイメージと違いすぎて衝撃。中指が超長い

女子SPA!

「アイアイ~♪」という軽快なフレーズとリズムで始まる、童謡「アイアイ」。誰しも一度は聞いたり歌ったことがあるほど、人気の童謡のひとつです。なんとも可愛らしいこの曲ですが、実際に歌のモデルとなっているアイアイという猿を見ると、「え、アイアイってイメージとちょっと違う……」と軽い衝撃を受けます。

さらに、アイアイについて調べると、「生息地のマダガスカルでは悪霊の化身と呼ばれている」という記述が。悪魔の化身!!??

勝手に、ポップなビジュアルのお猿さんだと思っていましたが、思い起こせば歌詞の中でも「しっぽの長い」「おめめの丸い」以外の詳しい特徴は出てきません。そこで、今回はこの謎の多いアイアイについて、上野動物園にお話を聞きました。

◆実際のアイアイのビジュアルは?

実はよく知らないアイアイの見た目の特徴について教えてください。

「アイアイの体長は40センチ程度で、長い尾と大きな耳を持っています。体毛は主に黒色で、ややゴワゴワした印象を受ける感触です」(コメントは上野動物園、以下同)

わりと、小柄なんですね。そして、歌詞のとおり尻尾が長いですね。

「最大の特徴は指の長さで、両前あしの指の中で、第三指と第四指が他の指よりも長く、採食の時によく使います。特に第三指は細く、かつ色々な方向に指先を動かせる関節を持っています」

◆長い~中指を器用に使ってエサを食べる

本当だ!! 中指がすごい長さですね。この、異常に長い指はどうやって使うんですか?

「アイアイの主食はラミーの実なのですが、食べる際にまず、歯で穴をあけてから、この細長い第三指で中身をかき出して食べます。他にも虫も食べるのですが、木の中にいる虫の幼虫食べる時は、まず匂いを嗅いだり、細長い第三指の先でトントンと叩くことで、中の様子を探り、同じく歯で穴を空け、第三指で幼虫をかき出して食べます」

長い指をとても器用に使って、エサを食べるんですね。すごい……。

「上野動物園では果物・野菜・虫の幼虫などを与えていますが、なかでもマンゴー・オレンジ・虫の幼虫・ハチミツ・マカダミアナッツ等を特に好んで食べています。果実や野菜を与えた翌日、残ったえさの回収をしたのですが、きれいに皮を残して、中身だけ食べているんです。

半分に割ったオレンジは、房ひとつひとつの薄皮も残っているし、柿も外側のうすい皮が残っているだけです。キュウリにいたっては、筒状に中をくりぬいて食べていました。アイアイの中指の器用さには、感心させられます」

◆昼間は寝ていて、暗くなると活動を始める夜行性

アイアイは、普段どのような生活をしているのでしょうか。

「アイアイはマダガスカルのみに生息する動物で、夜行性で樹上に巣を作ります。明るい時間帯はほとんど活動することはなく、巣の中で寝ています。暗くなると動き始め、エサを探して木々を移動します」

◆迷信なのに殺されてしまうという事実

可愛らしい響きのアイアイですが、マダガスカルで「悪霊の化身」と言われているのは本当ですか?

「本当です。その生態や外見から不吉な動物とされ、悪魔と呼ばれることもあるそうです。地域によって、言い伝えの有無や内容にやや違いはあるみたいですが、『アイアイと目が合ったり、彼らの長い指で指を差されたら、不吉なことが起こる』という言い伝えもあるようです」

とても怖い迷信ですね。実際に、アイアイが危害を及ぼすことはあるのでしょうか。

「これらはもちろん全て迷信です。ほとんどの個体は警戒心が強く、聞き慣れない音などに驚いて、逃げていくことがよくあります。迷信の中には、『幸運を運ぶ』という内容のものもあるようですが、『死や不幸を運んでくる』といった内容のものがほとんどです。もちろん迷信なのですが、アイアイが殺されてしまう一因にもなっているため、アイアイを過度に怖がらないように普及・教育する活動が行われたりもしています」

◆絶滅危惧種に指定されているアイアイ

国内でアイアイが見られるのは、上野動物園だけだと聞きましたが、アイアイの数が少ない理由を教えてください。

「世界でおよそ60頭のみが飼育されており、日本でアイアイに会えるのは上野動物園だけです。森林破壊による生息地の減少に加え、不吉な迷信から人間に駆除されてしまったり、一部では農作物を食べる害獣という理由で捕獲され、個体数を減らしています。国際自然保護連合の『IUCN絶滅危惧種レッドリスト』では、危機ランクに指定されています」

◆アイアイの保護活動にも取り組み中

個体数を減らしているアイアイに対し、上野動物園では何か取り組みをされているのでしょうか。

「当園は、マダガスカル国立チンバザザ動物園と、アイアイの共同研究に取り組み、マダガスカル野生動植物グループ(※1)の一員として、飼育技術の向上、遺伝子の多様性を保持しながら、飼育繁殖をする協力園として取り組みを続けています」

飼育をしつつ、アイアイの保護活動をされていたことを初めて知りました。

「現在はアイアイの展示を中止しているので、展示が再開されたら、アイアイの姿を見にきてくださいね」

上野動物園の公式ホームページでは、おやつを食べるアイアイの姿などが動画で視聴できます。おやつを器用にもぐもぐ食べるアイアイはなんとも愛嬌抜群でかわいいです。上野動物園で、元気なアイアイを見られる日を楽しみに待ちたいと思います。

(注1)マダガスカル野生動植物グループ

マダガスカルの野生動植物保全を目的とする非営利団体(国際NGO)。世界中の野生動植物の専門家や動物園関係者などが、マダガスカルの貴重な動植物の絶滅を防ぐために、現地や動物園などと連携しながら保全活動を行う。

【上野動物園】

東京の都心部にありながら自然とその景観を維持している都市型の動物園。約350種3,000点(2020年9月30日現在)の動物を飼育している。

<文/瀧戸詠未>

【瀧戸詠未】

ライター/編集者。趣味は食べ歩き・飲み歩き。

当記事は女子SPA!の提供記事です。

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