自閉症のアニマル画家、作品に添える亡き母の思い「自分のままでいい」


日本テレビ系ドキュメンタリー番組『NNNドキュメント’20』(毎週日曜24:55~)では、自閉症の画家に密着した『自分のままでいい 自閉症のアニマル画家』(南海放送制作)を、きょう15日に放送する。

今回登場するのは、愛媛県新居浜市に住む版画家・石村嘉成さん(26)。高校生の頃に芸術制作を始め、わずか2年でフランスのコンクールで入選、優秀賞を受賞した。

才能あふれる若き版画家の作品に描かれているのは、動物や魚、昆虫などの生き物たち。躍動感と生命のエネルギーに満ちあふれ、多くの人たちの目を釘付けにする。こんな作品を生み出す石村さんは底抜けに明るい人気者だが、子供っぽさや、たどたどしいしゃべり方で、言葉に詰まることも少なくない。実は自閉症による発達障害があるアーティストなのだ。

両親が異変に気付いたのは1歳の時。話しかけても反応しなくなり、パニックを起こすこともあったという。2歳の時に自閉症と診断。全国の病院を回った両親は、自閉症を情緒の問題と捉え、優しくスキンシップをとる育て方が一番の方法と信じていた。

しかし、5歳までしゃべることさえできない状態をみて、母・有希子さんは地元の療養センターを頼ることに。ここでは自閉症を情緒の問題でなく、脳機能の問題と捉えており、これが転換期になった。

指示に従えることが社会性への第一歩……有希子さんは大声で泣きわめく嘉成さんにあえて厳しく接する。それは「人から好かれるようにならないと、1人では生きていけない」という思いから。有希子さんが付き添うことを条件に、小学校では通常学級へも。気づけば嘉成さんはクラスの人気者になっていた。しかしその頃、がんを患った有希子さんは闘病生活の末、天国へと旅立った。40歳の若さだった。

高校から動物の絵を書き始めた嘉成さん。作品づくりに加え、動物の絵日記を毎日書き続け、60冊を超えている。驚くべきは、どの日に何の動物を描いたか覚えている驚異の記憶力。好きなことには極限まで能力を発揮しているのだ。

ボロボロになるまで読み込んだ動物図鑑、動物のテレビ番組を見ることも忘れない。それは、有希子さんが録りだめてくれたビデオで、嘉成さんの動物好きを知る有希子さんは、できる限り動物と触れ合う機会を多く作ってくれていた。

嘉成さんの描く作品には、親子の動物がたくさん登場する。母に甘える子ども、その表情は本当に幸せそうで、大きなフラミンゴを描いた作品にはある言葉が添えられていた。

「自分のままでいい」……それは嘉成さんの、同時に母の思いだった。

当記事はマイナビニュースの提供記事です。

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