成果を上げながら定時で帰る仕事術 第75回 作業の自動化により帰宅時間を夜10時から夕方4時に前倒しした話


本連載の第74回では「「脱ハンコ」をきっかけにしてワークフローを総点検しよう」と題し、せっかく脱ハンコを進めるなら一緒にワークフローも見直してしまいましょう、とお伝えしました。今回は作業の自動化について、私の実際の経験をベースにお話をします。

コロナ禍に伴う緊急事態宣言下に多くの企業で一斉導入したリモートワークですが、その後は徐々にオフィスに出勤する人が増えているようです。

しかし長期的に見れば、わざわざ長時間かけて満員電車に揺られて出勤する社員の負荷を減らしたり、様々な事情で自宅から離れるのが難しい社員の離職を予防したり、或いは地方の優秀な人材を採用したりするためにリモートワークができる環境を整える企業は増えていくものと思います。

そしてリモートワークになると働いている様子が周囲から見えなくなるため、「一生懸命やっているかどうか」は伝わらなくなります。これは言い換えるとアウトプットをより早く、より正確に出せれば、その過程は問われにくくなるということです。

私は前職の頃、裁量労働制で働いていました。裁量労働制とは労働時間が労働者の裁量にゆだねられている契約で、深夜勤務手当と休日勤務手当は別として残業代はありません。毎日決まって8時間働かなければならないというわけではありませんでしたが、当時は業務量が膨大だったので12時間ほど働いて、午後10時くらいに帰宅することが多かったと記憶しています。

私としては残業代が出ない分、働く時間が長ければ長いほど単位時間あたりの給料が下がっていく、つまり損をする仕組みになっていたので、どうにかして労働時間を短くできないものかと常々考えていました。

その結果、行き着いたのが作業の自動化でした。当時、私はまだ社会人になって日が浅く、想像力を発揮して自分でイチから考える仕事よりも指示された作業をこなす仕事の方が多かったため、仕事を効率化する上では自動化との相性が良かったのです。

そこで特に時間がかかっていた作業から順に徹底的に自動化したことで作業量が半減して、それまで12時間かかっていた仕事が6時間で終えられるようになり、午後4時くらいに帰宅するようになりました。

こんなに早く帰って周りから怒られなかったのかという疑問が湧く方もいるかもしれませんが、むしろ逆でした。

それまで私の作業は深夜までかかっていたために他の方による後続の作業を翌日まで待ってもらう必要がありました。それが自動化により6時間前倒ししたことで後続の作業に当日中に着手できるようになりました。また、人手を介さないことによりミスが減り、作業品質も向上したので大変喜んでもらえました。無論、労働契約上も裁量労働制のため勤務時間が8時間より短くなっても何ら問題ありません。

考えてみれば作業を自動化する仕組みを作ったことでより早く、より正確にアウトプットが出るようになったので、それによって私が早く帰宅したところで職場にはメリットはあってもデメリットは何もなくて当然でした。

但し、その後は経験を積んで職位が上がっていくとともに戦略立案や交渉、問題解決など自分でイチから考える仕事の割合が増えていき、自分自身の仕事の中で自動化できる作業の割合は相対的に減っていってしまいました。そのため自動化以外の手を使うことで短時間での勤務を実現しています。

その反面、クライアントの業務改善コンサルティングを手掛ける中では今でも自動化できる作業が多く存在する職場は多く、実際に業務を自動化するツールを作って提供することも多々あります。業務効率と品質が上がるならば、迷うことなく自動化してしまってその分早く帰宅するか、自動化が困難な複雑な仕事や想像力を要する仕事などにシフトしてもらうことで、個人としてのスキルは磨かれますし組織としての生産性も確実に上がります。

さて、本稿では私が実際に経験した自動化による時短の話を主軸にお話ししましたが、次回以降では作業の自動化の考え方や押さえるべきポイント、進め方などについて詳しくお伝えします。

相原秀哉 あいはらひでや 株式会社ビジネスウォリアーズ代表取締役 慶應義塾大学大学院修了後、IBMビジネスコンサルティングサービス(現日本IBM)入社。グローバルスタンダードの業務改革手法、Lean Six Sigmaを活用したコンサルティングを得意とし、2012年に日本IBMで初めて同手法の伝道師 "Lean Master"に 認定される。その後、幅広い組織や個人の生産性向上に寄与するべく独立。生産性向上による働き方改革コンサルティングや、コンサルティングスキルを実践形式で学べるビジネスブートキャンプを手掛ける。 この著者の記事一覧はこちら

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