コロナ禍で閉ざされる国境。香港と中国大陸を自由にまたげる日は来るのか/藤沢数希

日刊SPA!

―[モテる映画工学]―

~映画『THE CROSSING 香港と大陸をまたぐ少女』~

◆コロナ禍で閉ざされる国境。香港と中国大陸を自由にまたげる日は来るのか

香港のすぐ上に深センという中国のハイテク企業が集まる大都市があるのだが、女子高生ペイはそこで中国人の母親と暮らし、毎朝、香港の高校に越境通学している。ペイは母親が香港人男性と不倫をして生まれてきた子供である。ペイは同じ学校のジョーという金持ちの娘と仲がいいのだが、ジョーの彼氏がiPhoneを密輸して稼ぐという、ちょっとワルい仕事をしていた。

香港は関税の優遇措置があり中国大陸よりも安くiPhoneなどを買えるので、香港で買って深センに密輸すれば儲かるのだ。ペイはウエイトレスなどのアルバイトをしながらジョーと北海道旅行のためのお金を貯めていたのだが、ひょんなことから自分も密輸団の運び屋になっていくのであった。

映画では、香港と深センの街を交互に映しながら、好奇心やカネのために犯罪組織と関わってしまう高校生たちの友情や恋愛模様が丹念に描き出されていく。僕は香港に住んでいるので、知っている場所がよく出てきて面白い。

◆僕はずっと香港に閉じ込められている

現在は残念なことに中国大陸と香港は簡単に行き来できなくなってしまっている。新型コロナウイルス禍で世界中の国が国境を閉ざしているからだ。中国大陸も香港も自国民か居住者でなければ入れなくなっているし、入国できる資格があっても2週間の強制隔離が必要だ。そういうわけで、僕はうかつに香港を出ると戻るのが大変になるので、ずっと香港に閉じ込められている。

幸い中国も香港も感染者をほぼゼロまで減らすことができ、両政府が隔離なしでボーダーを開く準備をしている。映画のように国境をクロッシングできる日が再び来ることを願う。

『THE CROSSING 香港と大陸をまたぐ少女』

監督/バイ・シュエ 製作総指揮/ティエン・チュアンチュアン 出演/ホアン・ヤオ他 配給/チームジョイ 11月20日より公開

―[モテる映画工学]―

【藤沢数希】

理論物理学研究者、外資系金融機関を経て、作家。メルマガ「週刊金融日記」は読者数1万人、ツイッターのフォロワーは18万人を超える。最新刊『損する結婚 儲かる離婚』が発売中

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