秋風邪でも「お前コロナか!?」 “コロハラ”上司が季節の変わり目にまた出没

日刊SPA!

 新型コロナウイルスが猛威をふるい感染者が拡大した時期から、職場での「コロナハラスメント(コロハラ)」という言葉が聞かれるようになった。感染者やその家族を差別する、体調が悪いだけでコロナ疑惑をかける…といったハラスメントだ。

季節の変わり目で体調を崩しやすくなったいま、再びコロハラの被害が出始めているという。

◆いま再びコロハラの被害

「生理でお腹が痛くなっても、偏頭痛で頭を抑えていても、上司は『コロナじゃないだろうな』と疑いの目で見てきます。咳のひとつもできないと社内は険悪な雰囲気になり、若い社員で退職した人まで出ています」

都内の広告代理店勤務・中村伊都子さん(仮名・30代)は、もともと生理痛が重く、偏頭痛持ちでもあった。かつて、上司は業務中であっても休養するよう言ってくれるなど、中村さんの体調について理解を示してくれていた。

しかしコロナ禍以降、上司からはどうしても自分の部下からコロナ感染者を出したくない、責任を取りたくないという雰囲気が感じ取れる。

「お腹を押さえてツラい顔をしていると、いきなり『お前、感染するような場所には行かなかったか』ですからね。仕事終わりや休みの日のレポートを出せ、携帯発着信履歴も画像で送れ、と証拠まで要求してくるんです」(中村さん)

コロナ禍によって、普段はおおらかだった人が神経質になったり、細かいと思っていた人が実は大雑把な一面を見せはじめたり……。

後者ならまだいいが、前者のような変身を職場の上司が遂げようものなら、部下はたまったものではない。

◆季節の変わり目で体調を崩したら…

「10月に入り急に冷え込んだからか、後輩が体調を崩したんです。おそらく軽い風邪だったのですが、上司からコロナじゃないかと疑われ、コロナだったら会社で大事になるだろうと、後輩は病院にも行けませんでした。結局そのまま風邪をこじらせて肺炎になったんです」

大阪市内の貿易会社勤務・野坂浩司さん(仮名・30代)の上司も、コロナ禍を経て「神経質」になった一人。部下の体調不良を徹底的に疑い、感染していたとしたら自己責任、会社に迷惑をかける前に退職しろと、部下を徹底的に締め付けていたという。そのせいで部下が肺炎になったというのに、まるで意に介さないという態度を見せる上司。

「早く病院に行くように言ったのに、と上司が専務に報告をしていたのをみんなが聞いていたんです。有志で専務に事の顛末を報告。その後上司は、ショックで会社を数日休んでいますよ(笑)」(野坂さん)

このように「疑心暗鬼」になる人たちは、やたらと「PCR検査」にこだわる傾向もある。かつての検査が受けにくかった頃と違い、今では費用さえ出せば、民間のクリニックでも検査が可能だ。そのせいもあって、社員や部下に「PCR検査」を強要するような事例も出てきているという。

◆「陰性証明書」がないと…

「知人のクリニックでPCR検査を受けて陰性だった支店長が、陰性証明書を持って意気揚々と出社してきました。嫌な予感がしていたのですが……」

東京都内の住宅販売会社勤務・平本信二さん(仮名・40代)とその同僚や部下は、上司から有料のPCR検査を受けるよう「勧められた」というが、もちろん費用は自己負担。一応は「勧め」だが、受けるまで「会社に来るな」と暗に言われているようなものだと訴える。

「そもそも検査がどういうものか上司はしっかり理解していないようです。にもかかわらず、検査をしていない、陰性証明をもらっていないヤツはダメだ、みたいなことを言いだすんです。案の定、上司を慕う連中が陰性証明書を持ってきたところ、お祝いだと言って飲みに出かける始末。私も検査の予約を入れていますが、バカバカしすぎて」(平本さん)

いつどこで誰が感染してもおかしくない新型コロナウイルス。デリケートな問題だけに、神経質になる気持ちもわからなくない。とはいえ、あまりにもコロハラがひどく悩んでいる場合は労働基準監督署などに相談するといいだろう。<取材・文/森原ドンタコス>

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

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