小栗旬、ハムレット役を「やりたかった」と無念 蜷川幸雄さんからの「一番良い演出を思い付いたよ」が忘れられず

2016年5月に亡くなった演出家の蜷川幸雄さんは常々、小栗旬(37)に「楽なところに行きすぎるな」と伝え続けていた。古典みたいな作品から自分を遠ざけ、やりやすい好きな仕事ばかりやっていると“俳優としては面白くならない”からだという。そんな蜷川さんの期待に応えようと、日本ではほとんど演じられたことがない難しい戯曲にも小栗は挑戦してきたのだ。

24日放送の『人生最高レストラン』(TBS系)にゲスト出演した小栗旬は、蜷川幸雄さんと初めて出会った18歳当時のエピソードを語った。

ドラマの共演がきっかけで藤原竜也(38)と親しくなり、彼が主演を務める蜷川さん演出の舞台を観た後、楽屋を訪れた小栗の姿は金色に染めた長い髪を一本にまとめて小脇にスケートボードを抱えていた。そこに通りかかった蜷川さんから「おぅ、お前なんだ? 面白いな」と声をかけられ、「役者をやってる小栗と言います」と挨拶した。この時は「おっ、近いうちになんかやろう」という言葉だけだったが、後に藤原主演の『ハムレット』(2003年)に呼ばれることとなる。小栗はフォーティンブラス役を演じ、出番は少なかったもの最後は自身のセリフで幕が落とされるという重要な役柄だった。

そして蜷川さん演出の舞台5本目になったのが2007年の『カリギュラ』で、ローマ帝国を恐怖に陥れた英邁な暴君・カリギュラを小栗が演じることとなる。

「小栗! とうとう、お前に本当ピッタリの戯曲を見つけてきた!」と言われてから数年、難解なセリフが155ページにも及ぶ脚本が完成した。蜷川さんの期待に応えたいと思うも、当時の小栗はドラマ撮影やレギュラーのラジオ番組もあり多忙を極め、セリフをなかなか覚えられず大変な苦労をしたようだ。睡眠は毎日2~3時間、全身全霊で稽古に打ち込むうちに彼の身体に異変が起きる。セリフに「何を食べても血の味しかしない」というのがあったが、小栗は舞台の本番を迎える頃に何を食べても美味しいと感じなくなったばかりか、楽屋に入ると必ず吐くことからスタートするようになったという。「役を自分に入り込ませるタイプの役者ではなかったが、この役(カリギュラ)はそうしなければ“できない”と自分で思っていたのかもしれない」と小栗は当時を振り返る。

さらに正式な発表はされていないが、実は蜷川さんが亡くなった後の2016年10月に小栗が主演の舞台『ハムレット』が予定されていたことを明かした。この舞台に立てなかったことが心残りで、今でも「小栗、俺さ最後の最後で一番良い演出を思い付いたよ。楽しみにしててな!」と電話をかけてきた蜷川さんの声が忘れられないという小栗旬。蜷川さんはかつて真田広之市村正親、そして藤原竜也らを主演にして『ハムレット』の脚本・演出を手掛けてきた。『ハムレット』で小栗を初めて自分の舞台に起用してから17年、この舞台に“愛弟子”を主演として立たせることは蜷川さんの最後の夢でもあったのだろうか。「それが、やりたかった」と小栗は今も無念でならない様子であった。

画像2枚目は『【公式】TBS「人生最高レストラン」 2020年10月23日付Twitter「明日24(土)よる11時30分放送 #tbs #人生最高レストラン に #小栗旬 さんが登場」』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 みやび)

当記事はテックインサイトの提供記事です。

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