「違法Tシャツ」で2名が逮捕 私的使用は問題ないのか弁護士に聞いた

しらべぇ

(OlegPhotoR/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)
人気アニメ『五等分の花嫁』などのTシャツ数点を販売目的で所持していたとして、著作権侵害の疑いで会社員と自営業の2名が山口県警に逮捕された。

■「きわめて悪質なもの」と言及


これを受け、講談社は21日にツイッターなどで声明。2名は『五等分の花嫁』などのアニメキャラクターを不正に複写したTシャツを合計50枚所持していたという。

講談社は「著作権を侵害する行為は、違法な電子書籍の海賊版サイト以外にも幅広い分野に及んでいます。今回のように著作権者の許諾を得ずにTシャツなどのグッズを製造・販売することも漫画家らの創作行為の価値をないがしろにした、きわめて悪質なものです」と言及。

さらに「著作権を侵害する行為の拡大や蔓延を防ぐために、弊社は今後も刑事告訴・民事提訴等の断固たる姿勢で臨んでまいります」とした。



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■一部ユーザーから不安の声も


講談社の声明を受け、ツイッター上でも「他の方が既に被害を受けてると思うと憤りを感じます」「凛々しい姿勢が素晴らしい」といった声があがっている。

そうした中、声明文の「違法Tシャツ所持、摘発のお知らせ」という文言から、一部のユーザーからは「所持するだけでも違法なの?」「個人利用なら問題ない?」といった不安の声もあがっている。個人で楽しむために、好きなアニメ作品などのTシャツやスマホケースなどを作っているユーザーも少なくないのかもしれない。

そこで、しらべぇ編集部は、個人利用の目的でグッズを作ることに問題はないのか、レイ法律事務所に所属する舟橋和宏弁護士に話を聞いた。

■「個人利用」なら問題ない?




舟橋弁護士によれば、著作権という権利の中には複製権という権利があり、著作権者に断りなく複製することは禁じられているという(著作権法21条)。

「漫画のキャラクターのイラストをTシャツに複写することは、漫画で描かれているイラストをTシャツに印刷し複製していると考えられますので、著作権(複製権)侵害になります。著作権侵害の場合、10年以下の懲役または1000万円以下の罰金になる可能性があります」とのこと。

はたして、個人利用も問題なのだろうか。舟橋弁護士はこう続ける。「とはいえ、個人で楽しむくらいであれば、著作権者の受ける被害も少ないといえることなどから、私的使用の範囲で複製は著作権侵害にならないとされています(著作権法30条1項柱書)」。あくまで自分が楽しむ限りならば著作権侵害にはあたらないようだ。

■「公式グッズを買って作品を応援してほしい」


では、無償で友人などに配っていた場合であればどうなのだろうか。「私的利用については、友人だからよい、無償ならばいいとされているわけではありません。少なくとも、今回の出版社のリリースのように50枚もあるというのは、私的利用とは言えないでしょう」とのこと。

舟橋弁護士は、今回の発表を受けて「いちファンとしては、公式に無断で売られている商品ではなく、原作を買ったり、公式に販売されたグッズなどを買うことで、その作品を応援してもらいたいと思うばかりです」と述べた。

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(取材・文/しらべぇ編集部・二宮 新一 取材協力/レイ法律事務所・舟橋和宏弁護士)

当記事はしらべぇの提供記事です。

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