Pixel 5レビュー:トレンドに逆らって大正解

201020_pixel5rev1
Photo: Sam Rutherford - Gizmodo US

いろいろと独特。

Google(グーグル)のフラッグシップスマホ、Pixel 5が発売されました。スマホ市場の空気を読まず、大きなサイズがなかったり、頑ななまでにカメラを3つにしなかったりと独特の方向性が目立ってるんですが、実際どうなんでしょう? 米GizmodoのSam Rutherford記者が実際使ってレビューしています。


GoogleがHTCを買収して、米国と台湾のチームを統合してからというもの(最初に台湾メインでデザインされたのはPixel 3aでした)、GoogleはPixelの方向性に関して迷いがあるように見えてました。2年前にはデュアルセルフィーカメラと背面指紋センサーを搭載した大きなPixelを打ち出したかと思えば、去年のPixel 4は前面カメラがひとつに戻り、背面カメラはふたつ(うちひとつがズーム)、指紋リーダーの代わりに3D顔認識となりました。

今年のPixel 5は他のほとんどのフラッグシップスマホより1段下のプロセッサー、ズームじゃなくて超広角カメラ、そしてサイズは6インチのみでXLバージョンなしの展開です。6インチというのは2020年では相対的に小さめなのに、大きいサイズがないんです。でも価格は700ドル(日本価格7万4800円)と、Samsung(サムスン)やApple(アップル)、さらにOnePlusと比べてさえも、フラッグシップの中では数万円安くなっています。

Googleはスマホ市場の中で、予想を裏切ってトレンドをスキップし、競合他社とはあえて違う方向に進んでいるようです。そして面白いのは、その戦略がちゃんと当たってることです。Pixel 5はコストパフォーマンスが高く、2020年もっともユニークなスマホのひとつで、いろいろな意味で究極のGoogleスマホなんです。

Google Pixel 5
201020_pixel5rev2
Photo: Sam Rutherford - Gizmodo US

これは何?:Google最新フラッグシップスマホ。

価格:ストレージ128GBで700ドル(日本価格7万4800円)。

好きなところ:バイオレジン仕上げのユニークなデザイン、やたらめったら長いバッテリーライフ、すごいカメラクオリティ、便利な動画手ブレ補正モード、リバースワイヤレス充電、Pixel独自ソフトウェア。

好きじゃないところ:microSDカードスロットもヘッドホンジャックもズームカメラもXLモデルもない、スピーカーの音質がまあまあレベル。

小さくてすっきりしたデザイン


2年くらい前の基準なら、6インチのスマホはそんなに小さくないんですが、今はもう違います。Pixel 5は今年リリースされたほぼどんなスマホより小さく、例外はiPhone SEとiPhone 12 miniくらいです。というか、ベゼルが薄くなったせいもあって、Pixel 3より画面は大きいのに本体は小さくなってます。初代Galaxy Note以降、スマホがさらに着実に大きくなってる中で、逆に小さくしたことかなり勇気のある決断です。

それでも個人的には、メインのPixel 5は小さくてもいいので、そのXLバージョンを作ってくれれば…と思うんですが、このサイズが新鮮であることには代わりありません。普段巨大スマホを使っている身からすると、軽くて小さくて扱いやすいスマホはうれしいですね。
201020_pixel5rev3
Photo: Sam Rutherford - Gizmodo US

今のスマホは、本体上端に小さな耳を当てるための穴(イヤピーススピーカー)があってそこから音が出てくるのが普通になってますが、Pixel 5はそうじゃありません。Pixel 5の場合、ディスプレイの中にスピーカーがあります。通話するときは、画面が振動して音が出ます。本体下部にもスピーカーがあるので、一緒に音を出すことでなんちゃってステレオ的なものになります。ただ音質的には低音が足りない感じがしますが、スマホで低音がズンズン来るものってそもそもほとんどないので、そこはしょうがないかなと。イヤピーススピーカーがない分、Pixel 5のベゼルは薄くて余計なものがなく(あ、セルフィー用パンチホールカメラはありますが)、前面の見た目がすっきりしています。

Pixel 5には、Pixel 4にはあった3D顔認識機能も、他のスマホがこぞって載せているディスプレイ上の指紋センサーもなく、背面にクラシックな指紋センサーがあるだけです。今はマスクをしてると顔認識が役に立たないので、古い手法にもまだメリットがありますね。

背面へのこだわり

201020_pixel5rev4
Photo: Sam Rutherford - Gizmodo US

これもちょっと独特なんですが、Pixel 5で一番面白い部分は背面です。ガラスやポリカーボネートじゃなく、Pixel 5の本体はアルミ製なんです。ただ外側は「バイオレジン」って素材で覆われてるので、中がアルミであることは普通じゃ多分気づきません。バイオレジンは他の素材に比べて滑りにくく、ケースが要らないような感じすらします。Pixel 5の色展開はSorta SageとJust Blackなんですが、前者の淡い緑っぽい色が、この素材感で深みを増してる気がします。

背面の独特っぷりには、ふたつの意味があります。まずひとつめは、バイオレジンの感触がプラスチックというより革や紙に近いことです。もうひとつの独特さは、ほとんどのスマホメーカーがワイヤレス充電への影響を嫌ってアルミを使わないのに、Googleはあえて使ってるってことです。Pixel 5のアルミの背面には、充電コイルがきっちり入る穴が空いてるので、ワイヤレス充電に干渉しないんです。だからPixel 5は普通のプラスチックやガラスより丈夫でありつつ、そのために犠牲になったものはほとんどありません。

しかもリバースワイヤレス充電(Googleはバッテリーシェアと呼んでます)もできて、Qiをサポートするデバイスを充電できます。工夫がすごいですね。

201020_pixel5rev5
Photo: Sam Rutherford - Gizmodo US


201020_pixel5rev6
Photo: Sam Rutherford - Gizmodo US


201020_pixel5rev7
Photo: Sam Rutherford - Gizmodo US


201020_pixel5rev8
Photo: Sam Rutherford - Gizmodo US


201020_pixel5rev9
Photo: Sam Rutherford - Gizmodo US


201020_pixel5rev10
Photo: Sam Rutherford - Gizmodo US


さらにバッテリーライフがものすごく長いので、バッテリーシェアは使っててうれしくなる機能です。Pixel 5は小さいのにバッテリー容量は4,000mAhと、Pixel史上最大です。我々の動画再生テストでは16時間48分持ち、今年僕がテストした中ではMoto Edge+(17時間18分)、Asus ROG Phone 3(16時間56分)に次いで3番めの長さでした。今までPixelはとくにバッテリーが強みじゃなかったんですが、この点大きく進化しました。

あえて空気を読まないGoogleの思考は、ハードウェアにも及んでます。他のプレミアムAndroidスマホとおそろいでSnapdragon 865を採用するんじゃなく、Pixel 5にはSnapdragon 765Gが入ってます。それもむやみに型落ちを選んだわけじゃなく、Snapdragon 765Gはちゃんと5Gのメジャーなバージョンを全部サポートしてて、パフォーマンス的にも十分でありながら、Pixel 5の価格を下げるのにも役立ってるんです。

ディスプレイも2,160×1,080ピクセルと、きれいだけど超ハイレゾってわけじゃないので、もしSnapdragon 865が入ってたらその性能はムダになってたはずです。なのでSnapdragon 765Gでも、動作は速いってレベルを優に超えてます。それにチップのコストを下げたので他の機能、たとえば最大リフレッシュレート90Hzの美しい有機ELディスプレイといった部分にお金をかけることができてます。おかげでゲームやWebサイト、その他いろんな動きが、超高価なスマホの120Hzとか144Hzにはもちろん及ばないものの、目に見えて滑らかです。ベースのストレージも、先代の64GBから128GBになりました。

カメラは相変わらず優秀

201020_pixel5rev11
Google様、どうかPixelのカメラはトリプルにしていただけないでしょうか。
Photo: Sam Rutherford - Gizmodo US

でもPixel 5に関してもっとも重大な決定は(少なくともゆるく見守ってきた者にとっては)、カメラでPixel 4やPixel 3と同じソニーのIMX363センサーを使ってることだと思われます。スマホメーカーが毎年毎年新しいものを打ち出すことを期待されてる中で、3年間同じセンサーを採用するのは奇妙に見えるかもしれません。でもここにはちゃんと理由があります。画像処理とかカメラのアルゴリズムを毎年考え直すんじゃなく、一貫したプラットフォームを持つことで、より深く最適化できているんです。そのことは撮れる写真に現れてます。

明るい環境ではPixel 5は深い鮮やかな色とディテールを生み出し、それはどんな価格のどんなスマホでもかないません。暗い場所では、(ポートレートモードでも使えるようになった)Night Sightのおかげで今ある中ではベストのひとつです。動画手ブレ補正モードが3つ(ロック、アクティブ、シネマティック)追加されたこともよいと思います。これでPixel 5は、静止画でも動画でも、特別な瞬間を保存するためのベターな道具になりました。

201020_pixel5rev12
Pixel 5は色再現も正確だし、花びらのディテールもよりよく撮れてます。暗所、ズーム、超広角での比較も見てください。
Photo: Sam Rutherford - Gizmodo US


201020_pixel5rev13
Photo: Sam Rutherford - Gizmodo US


201020_pixel5rev14
Photo: Sam Rutherford - Gizmodo US


201020_pixel5rev15
Photo: Sam Rutherford - Gizmodo US


201020_pixel5rev16
Photo: Sam Rutherford - Gizmodo US


201020_pixel5rev17
Photo: Sam Rutherford - Gizmodo US


201020_pixel5rev18
Photo: Sam Rutherford - Gizmodo US


201020_pixel5rev19
Photo: Sam Rutherford - Gizmodo US


201020_pixel5rev20
Photo: Sam Rutherford - Gizmodo US


201020_pixel5rev21
Photo: Sam Rutherford - Gizmodo US


201020_pixel5rev22
Photo: Sam Rutherford - Gizmodo US


201020_pixel5rev23
Photo: Sam Rutherford - Gizmodo US


201020_pixel5rev24
Photo: Sam Rutherford - Gizmodo US


201020_pixel5rev25
Photo: Sam Rutherford - Gizmodo US

…とはいえ、独特にも限度がある


とはいえ、Googleは僕としては無視してほしくなかったトレンドまでもすっ飛ばしてしまいました。それは、背面のカメラが3つじゃなく2つであることです。たしかに、ズームレンズを入れずに超広角だけっていう考え方はわかるんです。ズームのほうはソフトウェアで、Super Res Zoomで実現すればいいので、視野を広げるよりやりやすいんですよね。でももしPixel 5が広角、超広角、望遠のトリプルカメラになってれば、他のカメラに対してもっと強く出られたと思うんです。

Super Res Zoomの5倍ズームは、Galaxy Note 20 Ultraの5倍光学ズームとはやっぱり比較になりません。まあNote 20 Ultraは価格もPixel 5のほぼ倍なので、フェアな比較じゃないんですが、でもSuper Res Zoomに2倍でも3倍でもいいから光学ズームが付いてきたらもっとシャープな望遠写真が撮れたと思います。

それから同じイメージセンサーを3年使う作戦も、有効なのは今年までじゃないかと思います。上の比較だと、ほとんどの条件で(とくに暗いところで)iPhone 11や最新Galaxy Noteよりうまく撮れてたんですが、その差は完全に縮まってます。そして明るい環境では、つねに他よりもよいってわけじゃなくなってます。ポートレートモデルでのNight Sightみたいな機能も、意図されたほどの効果が出てなくて、これはセンサーのせいじゃないかとつい思ってしまいます。そして11月には、ますますカメラを増強したiPhone 12 Pro Maxが発売になるので、さらにAppleに有利になりそうです。
201020_pixel5rev26
Photo: Sam Rutherford - Gizmodo US

小さめ好きにはベスト


でも今回Googleがいろんな暗黙の了解を無視してることを考えると、700ドルのスマホにズームカメラがない程度はマイナーな問題です。総合すると、Pixel 5はやっぱりすごい。カメラのクオリティは高いし、パフォーマンスも十分以上だし、デザイン的にも賢くできてるし、DuplexとかCall Screen、自動キャプション、Pixel Recorder(僕としては一番気に入ってます)といった独自のソフトウェアの便利さは言うまでもありません。XLサイズがないので万人向けじゃないかもしれませんが、小さめが好きな人にとってはベストなAndroidスマホだし、全体的なコスパもかなり高いと思います。今年のGoogleは「脚本を捨てよう」と言ったわけですが、Pixel 5はもうそれ以上のことを実現しています。

まとめ


・Pixel 5にはXL版がないので、大きいスクリーンがほしい人はPixel 4a 5Gを選ばなきゃいけません。

・フラッグシップのPixelの背面カメラは、トリプルにしてほしいものですね…。

・Pixel 5のスピーカーは従来のイヤピーススピーカーじゃなく、スクリーンを振動させる仕組みです。この仕組みは通話だけじゃなく、オーディオ一般でも使われてて、その場合下部のスピーカーと一緒に動作します。

・新しいカメラモードはポートレートモードでのNight Sightと、動画撮影での手ブレ補正設定3つ(ロック、アクティブ、シネマティック)。

・バッテリーライフはとてつもなく長くなっています。

・Pixel 5は、今ある小さなAndroidスマホの中ではベストです。

当記事はギズモード・ジャパンの提供記事です。

あなたにおすすめ

ランキング

ランキングをもっとよむ

注目ニュース

注目記事をもっとよむ

あなたにおすすめ