新社会人が知っておきたいお金のこと 第17回 コロナ禍こそチャンス! 将来の自分に生きる「副業」をはじめよう /ファイナンシャルプランナー・飯村久美


基本的に給料が決まっている会社員の場合、収入が大きく変動しない安定性という恩恵を受けられる反面、「もっと収入を増やしたい」という悩みがつきまといます。そんなとき、多くの人が考えるのが「副業」をすることでしょう。

ファイナンシャルプランナーの飯村久美先生も、副業を強くすすめるひとり。ただ先生は、「ただお金を稼ぐことだけが大事なのではない」とも語ります。その真意を教えてもらいました。
○■副業をすることは、社員と企業にとって「Win-Win」の関係

――先生、会社員が少しでも収入を増やしたいという場合、どうすればいでしょうか。
飯村先生 もちろん、本業で成果を出して給料を上げることも大切でしょう。でも、それにはある程度の時間も必要だということを考えると、わたしからは「副業」をおすすめします。

――たしかに、最近は働き方改革の影響で社員の副業を認める、あるいはすすめる企業も増えていると聞きます。
飯村先生 そうですね。では、企業が副業をすすめるのはなぜでしょう?

――いまは可処分所得がどんどん減っているそうですから、企業側からすると社員に対して「自分たちで稼いでくれ」と思っているとか?
飯村先生 もしかしたらそういう思惑もあるのかもしれませんが、社員が副業をすることが企業にとってもメリットにもなります。本業をやっているだけでは、その社員が得られる経験も人脈もスキルも本業の範囲内のものにとどまります。

でも、副業をすればそれらの幅が広がりますし、そこから新しいビジネスのアイデアを思いつくということもあるでしょう。そういった新たな経験や人脈、スキル、アイデアなどを、自社にフィードバックしてほしいと考える企業も増えてきています。

――なるほど。社員は副業で稼げるし、企業は社員を社外で育ててもらえる。まさに「Win-Win」の関係ということですね。
飯村先生 そのように企業の姿勢が変化していることの他にも、いまこそ副業をやるべきチャンスだとわたしが考える要因があります。

――その要因とはなんでしょう?
飯村先生 新型コロナウイルスの感染拡大により、以前より自分の時間が増えているからです。それこそ、テレワークをしている人なら、在宅でできる副業をやるにはうってつけ。せっかくできた時間を娯楽に費やすだけではもったいないですよね。この機会にぜひ副業をはじめてみてはいかがでしょうか?
○■「得意なこと」の仲介サービスで、将来の自分に生きる副業を!

――副業といってもいろいろな仕事があります。どんな副業をすればいいでしょうか。
飯村先生 本当のことをいえば、それぞれの考え次第というところです。もしなんらかの理由で短期間にたくさんのお金を稼ぐことだけが目的なら、たとえば引っ越しのアルバイトなど肉体労働をしてもいいと思いますよ。

でも、「将来的に引っ越し業に携わろう」とでも考えているならともかく、そうではない人にとっては、その経験はそれほど生きてきません。そうではなく、将来の自分に生きる副業をしてもらいたいですね。

――逆にいえば、「将来的に引っ越し業に携わろう」と思っている人なら、引っ越しのアルバイトが大いに役立つということですよね?
飯村先生 もちろんです。将来的になりたい自分を思い描き、そのために生かせる自分の好きなことや得意なことはないのかと考える。そして、それらの好きなことや得意なことを深堀りできたり生かせたりする副業がいいですね。

――そういう副業はどこで探せばいいのでしょうか。
飯村先生 いまなら、個人の知識やスキルといった得意なことを出品・購入できるウェブサービスが登場していますよ。ウェブサイトやイラストの制作といったクリエイティブ系のスキルを出品している人もいれば、なかには面白いものとして、「霊視占いをします」という人もいます。店舗を持つといったリスクもありませんし手軽にはじめられますから、そういったサービスを利用するのがいいのではないでしょうか。

――そういう意味でも、いまは副業がやりやすい時代ですよね?
飯村先生 そうですね。かつてなら、個人のスキルを売ることができる相手は、身内や友人、その知り合いなどごく限られたものでした。インターネットを介したさまざまなサービスの登場は、スマホ依存症など弊害も生んでいますが、それらの登場によって受けられるようになった恩恵はしっかり利用したいものですね。
○■副業での年間所得が20万円を超えたら確定申告が必要

――最後に、副業をするにあたって注意点があれば教えてください。
飯村先生 確定申告が必要になるケースが出てくるということですね。会社員でも、「給与の年間収入が2000万円を超える場合」「給与所得及び退職所得以外の所得の合計額が20万円を超える場合」は、確定申告が必要となります。若い人で年収2000万円を超える人はそうはいないでしょうから、副業をした場合にあてはまるのは後者になります。

――つまり、副業で20万円以上稼いだときには確定申告をしなければならない。
飯村先生 そうです。それから、その20万円に含まれるのは、いわゆる副業で稼いだお金以外の臨時収入も含まれますから注意してくださいね。最後に、それら臨時収入の例をお伝えしておきましょう。
○【会社員でも確定申告が必要になるケース】

●給与の年間収入が2000万円を超える場合
●給与所得及び退職所得以外の所得の合計額が20万円を超える場合
※事業や不動産の所得はもちろん、次のような臨時収入も要申告
・懸賞で得た金品、福引の当選金品等(宝くじは非課税)
・競馬、競輪の払戻金等
・遺失物の拾得者が受ける報労金
・生命保険や損害保険での一時払いのもの等(一時所得に該当)
・FX、ビットコイン等で得た利益
・ネットショップでの収入

構成/岩川悟(合同会社スリップストリーム) 取材・文/清家茂樹 写真/櫻井健司

飯村久美 いいむらくみ 金融機関在職中にファイナンシャルプランナー(FP)の資格を取得。退職後、自らの経験から、お金の正しい知識を身につけることが「やりたいこと」や「夢」につながるだけでなく、「生活を守る手段」であると痛感。その経験を伝え、ライフプランを通じて家族が夢を持ち、一人ひとりが自分らしく生きるサポートをすることを目的にとして、2006年にFP事務所を開業(https://www.fp-iimura.jp/)。テレビやラジオ出演、セミナー講師など幅広く活躍中。監修書に『一生お金に困らない! 貯め方・増やし方』(ナツメ社)、著書に『ズボラでもお金がみるみる貯まる37の方法』(ゴマブックス)、『シングル女子の今日からはじめる貯蓄術』(成美堂出版)、『子どもを持ったら知っておきたいお金の話』(KADOKAWA/中経出版)などがある。
『一生お金に困らない! 貯め方・増やし方』(ナツメ社)
この監修者の記事一覧はこちら

当記事はマイナビニュースの提供記事です。

あなたにおすすめ

ランキング

ランキングをもっとよむ

注目ニュース

注目記事をもっとよむ

あなたにおすすめ