居場所を示してくれるハンバート ハンバートが心に栄養を、PANの挑み続ける姿勢に力を漲らせ中華をチャージ、大人の苦味を怒髪天が憧れに変える『聴食の楽しみ方Vol.7』

SPICE

近年、エンタメに対する楽しみ方が多様化している。動画サイトでの配信やSNS上でのコラボ企画など様々。SPICE編集部でも一味違った形でエンタメの紹介をできないかと、「音楽」と「食」を組み合わせた連載を始動! 本企画は京阪神のグルメ最新情報を発信し続け、現在も関西のテイクアウトできるお店紹介などを発信するなど、関西のカルチャー好きから信頼を得る京阪神エルマガジン社の月刊誌『Meets』編集部に協力のもと、音楽ライターオススメの音楽とともに、その音楽に合うお店をご紹介! オススメの音楽を聴きながら『Meets』を読み、オススメのお店で(感染防止ガイドラインを守りながら!)外食を楽しもう。

担当ライターその7:後藤愛
1985年生まれ、丑年&魚座の編集/ライター。今、推したい漫画は『ハコヅメ~交番女子の逆襲~』『北北西に曇と往け』、永遠のバイブルは『いつも上天気』。よく「眠いの?」と聞かれますが、概ね元気です。

①ホーム=帰る場所を恋しく感じたときに聴きたい作品/ハンバート ハンバート「旅の終わり」× ニューオーモン




店主の自宅のようにアットホームな空間……そんな人肌の温かさを感じる一軒とくれば、私にはハンバート ハンバートが聴こえてきます。

佐野遊穂(Vo)と佐藤良成(Vo.Gt)からなる夫婦デュオ・ハンバート ハンバートは、2005年に4thアルバム『11のみじかい話』を発表。代表曲のひとつ「おなじ話」から始まり、さまざまな物語が奏でられる名盤中の名盤です(とはいえ、彼らの作品に名盤ならぬものはなく!)。

ふたりのハーモニーで綴る曲、会話の如く交互に歌う曲と、さまざまに歌声を聴かせてくれる彼らですが、こちらでは透明感あふれる声質の遊穂さんによる「旅の終わり」をピックアップ。アイルランド民謡「North Amerikay」を原曲に、<まるで家に帰ってきたみたいだよ>と歌う旅人の言葉は、ひとしずくのセンチメンタルを感じます。良成さんによる詞世界は、コロナ禍により一変した現状にリンクするところもあり、幾通りにも解釈できる奥深さが。

フォーキーで人間味ある音、言葉、歌。ハンバート ハンバートの音楽には、聴く者へ帰る場所や居場所をもたらしてくれ、いつの間にか心の栄養は満タンです。

それにしても、ランチパック大好き族の自分は、ニューオーモンさんの目からウロコなアレンジのバーガーにも興味津々!
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・ニューオーモン[京都・仁王門]

京都の人気骨董店の店主によるホルモン焼店。軒先の鉄板でホルモン焼や焼きそばを振る舞うのだが、オープンは平日17時からの2時間だけ! 夕飯時の店主の家に遊びに来たような、脱力系なゆるノリが心地良い。

②バンドのチャレンジングな姿勢を自らにもチャージする作品/PAN「ギョウザ食べチャイナ」× 炒麺・餃子 二六




6月に、大阪・吹田市出身の4人組・PANの配信ライブレポを担当した時のお話をば(ぜひ、こちらも併せてどうぞ!)。彼らは今年、結成25周年の節目であるにも関わらず、全国ツアーは中止となり、さまざまな思いを背負ってこの日を迎えたことは言うまでもなく。そのエモーションは観ている側にもひしひしと伝わり、モニターを飛び越えるようなド迫力のパフォーマンスを展開。一際、頭の中を占拠したのがこの「ギョウザ食べチャイナ」でした。

躍動感たっぷり、でもヘヴィーなリズムを下敷きにしたファンクなサウンドで、ただただ<ギョウザ 食べたいな><ギョウザ 間違いない>と歌う。というかタイトルでもう、出オチ。だがそれがいい! サビでの扉を開け放つような開放感にユーモア満載の言葉のチョイス、一聴すれば即シンガロングできそうなポピュラリティと、PANの良いところを凝縮しており、彼らを知るにはうってつけの1曲かもしれません。

ちなみに、前述の配信ライブではステージいっぱいにモニターを並べ、チャットのコメントをリアルタイムで上映した彼ら。その投げかけにメンバーも瞬時にリアクションを返すなど、まるで有観客ライブのような一体感を生み出す、斬新な仕掛けも印象的で。“餡辣炒麺”という新たな料理ジャンルを創造する炒麺・餃子 二六さんと、何だか通ずるものがあるかも?
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・炒麺・餃子 二六 [京都・丸太町]

京都府庁前にオープンの焼きそば&餃子酒場。看板はあんかけ焼きそば。天津飯と京都中華の「からしそば」をヒントに生まれ、黄金に輝く卵とじあんの中には野菜にうずら玉子、チャーシューもドーンと鎮座。贅沢気分に浸れるひと品だ。


③大人の苦味を憧れに変えてくれる、未来への勇気みなぎる作品/怒髪天「歩きつづけるかぎり」× aoma coffee




突然ですが、皆さんは何歳頃からコーヒーを飲むようになりましたか? 子ども時代の自分にとって、コーヒーは大人のシンボル。コーヒー好きな両親のカップを眺めても、その味を楽しめる未来は想像できなかったものです。大人は苦い、大人は窮屈、大人はおもしろくない……そんな大人像を音楽で覆してくれたのが、昨年結成35周年を迎えたR&E(リズム&演歌)バンド・怒髪天です。

彼らには「オトナノススメ」という、この上なく<オトナはサイコー!>な楽曲があるものの、ここでは敢えて2012年発表の「歩きつづけるかぎり」をご紹介。パノラマ感あるミドルテンポのロックに、ボーカリストの増子直純(通称:兄ィ)が作詞を担当。タイトル通り、どんな困難があろうとも己の道を突き進む姿を歌い、ライブでも拳を握らずにはいられない名曲なのです。

またMVが何とも素敵。たくさんの仲間との集合カットは、“歩きつづけて”きたからこそ出会えたもの。<未だ夢は覚めず 胸焦がしやがる>なんて、こんなにカッコいい大人が歌うんだから、憧れないでいられるでしょうか。コーヒーの美味しさを理解できるようになった今、前を見れば敬愛する兄ィたちが今も“歩きつづけて”いるのだから、未来は明るい!
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・aoma coffee [大阪・本町]
北浜の人気カフェ[EMBANKMENT COFFEE]の青野啓資さんが独立して開いたのは、豆本来の持ち味が出せる“浅煎り“だけのコーヒースタンド。果実のような酸味や甘みが引き立つ、透明感ある味わいの一杯で、オフィス街の喧噪を一気に忘れさせ、癒してくれる。


文=後藤愛

当記事はSPICEの提供記事です。

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