シャインマスカットと瀬戸ジャイアンツはどっちがうまい? 高級ぶどう頂上決戦

日刊SPA!

 近年、スーパーでもよく目にするようになった「シャインマスカット」。種がなく皮ごと食べられることや、女優・アナウンサーの田中みな実さんが「毎日食べる」と公言していることでも人気のぶどうだ。

同じく種がなく皮ごと食べられるぶどうとして人気なのが「瀬戸ジャイアンツ」だが、この2つの違いはどのようなものなのだろうか。そして果たしてどっちが美味しいのか……それぞれの魅力と、過去には『マツコの知らない世界 種ありぶどうの世界』に出演、岡山市北区津高にて100種類以上のぶどうを栽培している「林ぶどう研究所」の林慎悟さんに聞いた。

◆ぶどうはなぜこんなにも品種が多いのか?

ぶどうの種類といえば、前述の「シャインマスカット」と「瀬戸ジャイアンツ」そして巨峰くらいしか知らなかったが、林さんのホームページ「林ぶどう研究所」を見ると実に100種類以上のぶどうの種類があることに驚かされる。

「実はホームページに掲載しているものだけでなくまだまだ種類があります。そもそも、ぶどうはヨーロッパ・中東・地中海といった降雨の少ない乾燥地域で栽培されていたものが多く、日本のように環境はあまりぶどう作りには向いていません。そのため、日本の環境でも作ることができるようにと品種改良が繰り返されてきました。加えて、日本人好みの味へと改良を重ねた結果、品種がここまで増えたのです」(林さん、以下同)

とはいえ、一般流通されて我々が目にすることのできるぶどうの品種は限られているように思うが、なぜなのだろうか。

「たくさんのぶどうの種類の中でも、一般流通に乗るものは、生産者にとって栽培がしやすく、日本人の好みに合っていて、さらに輸送中に傷みにくく店頭での持ちがいいもの……と条件が限られてきます。たとえば一時期よくお店でも目にしていた”翠峰”は、実は栽培しにくく外観に黒点があるため見映えがあまりよくないこと、そして粒が輸送中に房から外れてしまいやすいことから最近ではあまり見かけなくなってしまいました」

◆なぜ最近シャインマスカットを多く目にするようになったのか

近年、やたらと店頭でシャインマスカットを見かける機会が増えてきたのは、作りやすく輸送中にも耐えうる「生産者側の流通させやすい理由」に加え、消費者が求める「わかりやすい美味しさ」も影響していると林さんは話す。

「シャインマスカットは糖度(甘さ)がとてもわかりやすく、消費者の方にとっても『とても甘い=美味しい!』と感じやすいことから人気が高まっています。シャインマスカットは病気にもなりづらい品種ですし、房から粒をもいだ後も長持ちしてくれるんです。生産者と消費者どちらの視点から見ても安定感のある品種なんですよね」

そんなシャインマスカットと「似ている」と比較されやすいのが「瀬戸ジャイアンツ」という品種。共に種がなく、皮ごと食べられることで同じくくりにされることが多い印象だが……。

「瀬戸ジャイアンツは約40年前に誕生し、シャインマスカットは約30年前に誕生しています。そこまで歴史に差があるわけではありませんが、そもそも全く血筋というか、系統が異なるものなんです」

実は瀬戸ジャイアンツはヨーロッパ地方の品種特性をもった掛け合わせの品種。ヨーロッパ系のぶどうを日本でも栽培しやすいようにと研ぎ澄ませていったもので、味はいわゆる「果物」っぽい甘さが特徴だ。

一方で、シャインマスカットはお菓子のような「砂糖」っぽい甘さが特徴。元々はアメリカの品種特性を持っていたものを日本人好みの味に改良したものだという。

「だからそもそも血筋も全く異なるものですし、全くの別物だという認識ですね。とはいえ、食感は近くどちらも果肉がしっかりとした食感でかため、皮ごと食べられるという部分は共通しています」

◆筆者が実食!感想は?

そもそもぶどう農家としては、「皮にも機能性の成分がありますので、食べていけないということはありません」と考えているのだそう。しかし、ぶどうの「皮ごと食べられるかどうか」の境目は果肉のかたさで決まっていることが多く、果肉がしっかりとしていれば皮の厚みの影響を受けづらく、口に残る違和感がなくなるため「このぶどうは皮ごと食べられる」とアナウンスされているというわけだ。

そこで、実際に筆者が「シャインマスカット」と「瀬戸ジャイアンツ」を食べ比べてみた。まずはシャインマスカット。ひとつぶ口に入れて噛んでみると「うわ……おいしっ」と思わず声に出るほどの甘さがあふれてくる。たしかに、ぶどうでは今まで食べたことのない圧倒的な甘さ。全国で大人気なのも文句なし。

次は瀬戸ジャイアンツを実食。こちらは噛む瞬間の触感が「ぷりっ!」としてて、口の中で弾ける感じ! 甘さは、こちらも十分甘いのだが、シャインマスカットとは違って一般的なフルーツ特有のみずみずしい甘さの極致といった感じ。

筆者としては、自分がフルーツ大好きなこともあって、瀬戸ジャイアンツのほうに軍配を上げたい。どちらもものすごくおいしいのだが、瀬戸ジャイアンツのほうがフルーツ感をより楽しめた。シャインマスカットは、もはやフルーツを通り超えてスイーツのような甘さ。完全に個人の好みにはよるのだが、フルーツが大好きな人は瀬戸ジャイアンツ、スイーツのほうが普段は好きだという人はシャインマスカットのほうがおいしく食べられるのではないだろうか……と。どちらもおいしすぎて自信はないがそう思う。

◆ぶどう生産者が推奨する「一番美味しい食べ方」とは?

最後に、ぶどうのことをよく知っている林さんがおすすめする、「一番美味しい食べ方」を教えてもらった。

「個人的にはそのまま食べるのが一番美味しいと思っていますが、冷やして食べたいという方は、食べる15分~30分前に冷蔵庫に入れて少しだけ冷やすのがおすすめです。冷やしすぎてしまうと味を感じにくくなりますので、「少しひんやりしているかな」くらいが味もわかるので美味しく食べられると思いますよ!」

また、せっかく買ってきても足が早くて腐りやすいぶどうの最適な保存方法も聞いてみた。

「保存期間にもよりますが、2~3日であればできるだけ涼しいところで常温保存がいいですね。夏なら冷蔵庫に入れる方がいい場合もあります。今の季節のように20℃を割り込むくらいの気温であれば、そのまま裸にしておくと乾燥してしまいますので、新聞紙などにくるみ呼吸を遮断しないような状態で置いておくと長持ちしてくれます。数日なら房ごとでもいいですが、すぐに食べられない場合には軸は付いた状態で1粒ずつに切り離して保存すると良いですね。果肉が出たところから傷んでしまいますので、軸は食べる直前までつけておいてください」

なんとなく「ぶどう」として食べるよりも、おいしい食べ方でその違いにも想いをはせながら食べるとより味わいが深くなるだろう。これからスーパーでぶどうを手に取る際にはぜひ意識してみてほしい。

<取材・文/松本果歩>

【松本果歩】

恋愛・就職・食レポ記事を数多く執筆し、社長インタビューから芸能取材までジャンル問わず興味の赴くままに執筆するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり、店長を務めた経験あり。Twitter:@KA_HO_MA

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

あなたにおすすめ

ランキング

ランキングをもっとよむ

注目ニュース

注目記事をもっとよむ

あなたにおすすめ