自分で決める行き先で・・・I Crush Your Mic!『ヒプノシスマイク』舞台化第3弾レポート

エンタステージ


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『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage -track.3-(通称:ヒプステ)が、2020月10月11日(日)に東京・TOKYO DOME CITY HALLにて閉幕した。この第3弾では、荒牧慶彦らが演じるオオサカ・ディビジョン“どついたれ本舗”と、廣野凌大らが演じるナゴヤ・ディビジョン“Bad Ass Temple”が初登場。さらに、全公演でHuluにて日替わり企画のライブ配信も行われた。



オオサカ・ディビジョン“どついたれ本舗”を演じるのは、白膠木簓役の荒牧のほか、躑躅森盧笙役の里中将道、天谷奴零役の東山義久。ナゴヤ・ディビジョン“Bad Ass Temple”を演じるのは、波羅夷空却役の廣野のほか、四十物十四役の加藤大悟、天国獄役の青柳塁斗。

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このほか、大蜘蛛弾襄役として植野堀誠、小鳥遊ハル役として星乃勇太、綿本裕孝役として北乃颯希、茜ヶ久保遼太郎役として髙橋祐理が出演。これまでのヒプステでは、舞台オリジナルキャラクターをオリジナル・ディビジョンとして登場させてきたが、今回は大蜘蛛弾襄が新興宗教団体”糸の会”の教祖、ハル・裕孝・遼太郎は高校生漫才トリオ”道頓堀ダイバーズ”として描かれた。

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「track.3」が発表された時、オオサカ・ディビジョンとナゴヤ・ディビジョンでどのように物語を作るのだろうかと思った。「ヒプノシスマイク」はドラマCDにはじまり、2019年1月に公式コミカライズ化、2019年11月に舞台化、2020年3月にアプリゲーム化、そして2020年10月からはTVアニメの放送が開始されるなど、様々なメディアミックス展開を行っているが、オオサカ・ディビジョンとナゴヤ・ディビションの直接的対決はまだない。

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舞台冒頭の台詞でも明かされたが、簓と関係があったのはヨコハマ・ディビションの碧棺左馬刻であり、空却が敵意を持っているのはイケブクロ・ディビジョンの山田一郎である。舞台が物語の先を行くのか?いや、あくまでも本作は”オオサカ・ディビジョン”と“ナゴヤ・ディビジョン”の物語である。それぞれのキャラクターが持つ過去もきっちりと踏まえた、さすがヒプステと言える物語を、亀田真二郎の脚本と、植木豪の演出で描ききった。

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今回も、開幕前にはディビジョン・ダンス・バトル”D.D.B”よりToyotakaが登場し、時勢を踏まえた盛り上がり方やハンドサインなどをヒューマンビートボックスに乗せて解説してくれた。劇場がTOKYO DOME CITY HALLと大きくなったことで、Toyotakaのパフォーマンスもさらにパワーアップしていた。お笑い芸人である簓のラジオ番組など、チューニング中にオオサカ・ディビジョンとナゴヤ・ディビジョンの電波を受信するなど、細かな演出が見事。

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劇場全体を「ヒプノシスマイク」の世界に染め上げる映像演出はもちろん、音響や照明も一級品。特に照明は、登場する二つのディビジョンの性格を表現するような使い方になっていてしびれた。オープニングなどに登場する光るスーツはこれまで4体使われていたが、この「track.3」ではヘッドスピンのパフォーマンスで魅せるKENTAも着用し合計5体に。一層ド派手に舞台を盛り上げた。

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“どついたれ本舗”は、お笑いのピン芸人として人気を博す簓と、彼のかつての相方で現在は高校教師をしている盧笙、そして自称・詐欺師で謎の動きを見せる零の3人から成るチーム。

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コテコテの関西人でお笑い芸人の簓を、荒牧はよくぞここまで言いたくなる仕上げっぷりに。明るさの中に見え隠れする影の表現は、荒牧の持つ表現力が存分に発揮されている。里中が演じる盧笙との関係性に共感する人も多かったのでは。簓と盧笙が日替わりで漫才を披露するシーンもあったが、日に日に自由になっていく里中の姿は可能性でいっぱいだった。

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一方、ほかのディビジョンの関係性から見ても、オオサカ・ディビジョンにおける零の存在に違和感があるのだが・・・東山の演じる零からほとばしるアダルトな雰囲気に思わず息を呑まずにいられない。東山といえば、ヴォーカル&DIAMOND☆DOGS」のリーダーであり、モダンジャズからコンテンポラリーまで、ダンスはお手の物。“D.D.B.”を従え踊る姿は、一瞬で観るものを虜にする。

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“Bad Ass Temple”は、「空厳寺」の僧侶である空却と、学生時代に過酷ないじめにあっていたが現在はヴィジュアル系バンドのヴォーカリストとして活躍する十四、そして金次第でどんな案件も請け負う弁護士・獄の3人で組んだチーム。

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空却役の廣野は、ここにきてポテンシャルの高さを爆発させた印象だ。ラップパフォーマンスも、“拙僧”らしい立ち居振る舞いも、彼にとってのハマり役と言えよう。これが初舞台だという十四役の加藤は、初々しさを武器に堂々とステージに立った。これからが楽しみな俳優がまた出てきた。

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また、獄役を演じる青柳の存在が、チームとしてのバランスの良さを保つのに効いていた。役としてのポジションはもちろん、全員で踊る時も、青柳の巧みさが “Bad Ass Temple”という濃い味をまとめるのに一役買っているように感じた。

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オオサカ・ディビジョンの内包する「お笑い」と「相方」への想い、ナゴヤ・ディビジョンの中に横たわる「家族」や「いじめ」という要素、そして前作「track.2」で出てきたストーリー全体に関わる「洗脳」というキーワードを、盧笙の生徒たちでもある“トリオ”の「道頓堀ダイバーズ」や「糸の会」をメタファーとして描くことで、まぎれもなく“オオサカ・ディビジョン”と“ナゴヤ・ディビジョン”の、奥行きのある物語に仕上げた。みんなが強くいられるわけじゃない。でも、意思があるところに道は開ける。すべてを分かり合えるわけじゃないけれど、自分はどうしたいのか?登場人物すべてに連なる物語が、問いかけ続けたその先にあったのは――。

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もちろん、このヒプステだけでも「ヒプノシスマイク」の世界をしっかり楽しめる。そして、様々なメディアミックス展開の中でもたらされる情報を消化しながらこの作品に触れると、さらなる大きな感情の中で物語におぼれることができるだろう。2020年2・3月に3都市で『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage -track.4-の上演も発表された。「track.4」には、ついにイケブクロ・ヨコハマ・シブヤ・シンジュクの4ディビジョンが顔を揃える。ヒプステ、そして「ヒプノシスマイク」の今後の展開からも目が離せない。

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なお、『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage -track.3-では公演の模様を収録したBlu-ray&DVDが2021年5月12日(水)に発売されるほか、ビジュアルブックも製作される。詳細は、以下のとおり。

<Huluで期間限定見逃し配信中!>
詳細:https://news.hulu.jp/hypnosismic-track3-hulustore/
【見逃し配信開始】各公演終了後から3日後 0:00~
【販売期間】各公演の見逃し配信開始から13日間まで
【視聴期間】各公演の見逃し配信開始から14日間まで
【販売期間】10月26日(月)23:59まで

Blu-ray&DVD


【発売日】2021年5月12日(水)
【価格】
<初回限定版>Blu-ray:11,800円+税/DVD:10,800円+税
<通常版>Blu-ray:8,800円+税/DVD:7,800円+税
【早期予約特典】アナザーカットブロマイド10枚セット
※ビジュアルブック早期特典とは異なる



(C)『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage 製作委員会

(取材・文/エンタステージ編集部 1号、写真/オフィシャル提供)

当記事はエンタステージの提供記事です。

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