夏ドラマ名作ベスト3。わたナギ、MIU、半沢直樹…TBSが強すぎた

女子SPA!

 2020年7月クールのドラマがすべて最終回を迎えました。そこで、今クールも僭越ながら、わたくしドラマウォッチャーの中村裕一がベスト3を選ばせていただきました。みなさんの評価はいかがでしょうか?

◆第3位 『私の家政夫ナギサさん』新しいライフスタイルを提示

まず3位は『私の家政夫ナギサさん』(TBS系)。

仕事は出来るが家事はまったく出来ない製薬会社のMR・相原メイ(多部未華子)はある日、妹の唯(趣里)からスーパー家政夫・鴫野ナギサ(大森南朋)を派遣されます。当然のごとく初めは面食らうメイでしたが、ナギサの誠実かつ的確な働きぶりに、次第に心を開いていきます。

二人の前にはライバル会社のMR・田所優太(瀬戸康史)が現れるなど、物語は紆余曲折を経ますが、最終回、メイとナギサは“結婚”という選択をし、めでたく結ばれます。

これに対しては「よかった」という意見もあれば「あり得ない」という意見もあり、ネットでは賛否両論が飛び交いました。しかしながら、足りない部分を互いに補完し合うという意味では、極めて合理的ではないでしょうか。

昭和生まれの筆者としては、人の心はそんなに簡単に割り切れるものだろうかと、ついつい穿(うが)った目線で見てしまいましたが、これも立派な愛の形。新しい時代に生きるカップルの、新しいライフスタイルを提示した、新しいドラマと言えるかもしれません。

◆第2位 『MIU404』“時代”の空気感を見事に切り取った

2位は『MIU404』(TBS系)。

警視庁に新設された“機捜”こと第4機動捜査隊「MIU404」の志摩一未(星野源)と伊吹藍(綾野剛)が主人公の刑事ドラマ。会話のテンポやキ立ち回りといい、志摩と伊吹のコンビネーションはバディものとして秀逸な仕上がりで、キャラクターの違う二人は毎回対立しながらもスリリングに事件を解決していきます。

最終回、違法ドラッグを世の中に流していた久住(菅田将暉)を追い詰めた二人は、苦闘の末、彼を確保。志摩は「生きて俺たちとここで苦しめ」と久住につぶやきます。そしてラストはオリンピックが中止となった2020年夏の日本の街を、マスクをした二人が車で駆け抜けていくというシーンで幕を閉じました。

それはまるでコロナによって加速した、閉塞感あふれる現代社会で生きていく私たちへのささやかな呼びかけなのか、それとも怒りや憤りを込めた静かなメッセージなのか。いずれにせよ“時代”の空気感を見事に切り取った、まさにテレビドラマならではの作品だったと思います。

◆第1位 『半沢直樹』不正に対して正しく怒ることの意義を問いかける

そして堂々の1位は『半沢直樹』(TBS系)。

東京中央銀行のバンカー・半沢直樹(堺雅人)は、7年前の前作で出向となった東京セントラル証券で企業買収をめぐる不正を暴き、銀行を救った手柄が認められ本店に戻ります。復帰早々、巨額の赤字を抱えた帝国航空の再建プロジェクトを任されますが、そこにはとんでもない落とし穴が。「やられたら、やり返す」がモットーの半沢の“倍返し”がダイナミックに描かれていきました。

今さら語るでもなく、「お・し・ま・い・Death!」や「詫びろ詫びろ詫びろ!」など、今回も名場面&名ゼリフがたくさん生まれましたが、特に印象に残ったのが、物語も大詰めの第9話。大和田(香川照之)が力ずくで箕部幹事長(柄本明)への土下座をさせようと、半沢の背中にまるでオンブバッタのように乗っかったときは、シリアスな場面にも関わらず、失礼ながら思いっきり笑ってしまいました。

あらためて振り返ると、決めゼリフの「倍返しだ!」はもちろん、熱のこもった俳優陣の顔芸が前作以上のインパクトだった本作。勧善懲悪というテーマ上、ストーリー的にはかなり都合の良い展開だったと思いますが、それを上回って余りあるほどのパワーと熱量がビシビシ伝わってきたことは間違いありません。

揺るぎない信念を抱き、社会における自分の役割を考え、不正に対して正しく怒ることの意義を、半沢はまるで仁王像のような憤怒の表情とともに私たちに問いかけているように思えました。

今クールは『わたナギ』『MIU』『半沢』と、総じてTBSのドラマが強かったクールでした。少しずつではありますが、新型コロナウイルスの影響から立ち直っている印象のあるテレビドラマ。秋からスタートする新ドラマも楽しみにしています!

<文/中村裕一>

【中村裕一】

Twitter⇒@Yuichitter

当記事は女子SPA!の提供記事です。

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