榎木淳弥インタビュー アニメ『呪術廻戦』で「自分の理想としている“生きているリアリティ”を表現できたら」

SPICE


TVアニメ『呪術廻戦』が2020年10月2日(金)よりMBS/TBS 系全国28 局ネット“スーパーアニメイズム”枠にて、深夜1時25分より放送開始となる。今回、物語の主人公・虎杖悠仁(いたどり・ゆうじ)を演じる榎木淳弥のインタビューをお届け。呪いを祓うべく呪いとなった少年の、後戻りのできない壮絶な物語について、そして激しいアクションシーンなどアニメーションとしての見所を聞いた。

★記事の最後には、直筆サイン色紙が当たるプレゼント情報も!最後までお見逃しなく。

TVアニメ『呪術廻戦』PV第3弾

呪いをめぐるダークファンタジー『呪術廻戦』


芥見下々による『呪術廻戦』は、『週刊少年ジャンプ』(集英社刊)にて連載中、シリーズ累計発行部数680万部を突破している大人気ダークファンタジー作品。

驚異的な身体能力を持つ少年・虎杖悠仁は、仲間を救うために特級呪物“両面宿儺の指(りょうめんすくなのゆび)”を喰らい、己の魂に呪いを宿してしまう。虎杖は最強の呪術師である五条 悟の案内で、対呪い専門機関である「東京都立呪術高等専門学校」へと編入することになり……。呪いを祓うべく呪いとなった少年の後戻りのできない、壮絶な物語が廻りだす──。

【インタビュー】榎木淳弥が語る「役者の生き様」



◆理想としている「生きているリアリティ」を表現できたら

──初めて『呪術廻戦』の原作や台本を読まれた際の印象をお聞かせください。

 最初に原作を読んだときは、“呪術”っていうちょっとダークな題材をテーマにしている作品だったので、少年ジャンプのなかでも珍しい立ち位置の作品なのかなと感じました。読み進めていくと、シリアスな展開も続きますし人も沢山死ぬんですが、その合間にホッとするような笑えるシーンもあって、流れがすごく面白いなと。いかにも「ここが決めシーンです」っていうところが少なくて、流れるようにストーリが進んでいきながら、大事なシーンがさらっと挟まってくるので、まるで海外ドラマのような物語の造りという印象を受けました。

──完成したアニメーションをご覧になった感想をお聞かせください。

 第一話を拝見させていただいたんですが、アクションシーンの動きがとにかく滑らかで、すごいクオリティになっていて驚きました!  アクションはすべて手描き作画だそうです。第二話でも、キャラクターとカメラの視点がグルグル回転するなど、すごいことになっています。呪術を使った戦闘シーンだけでなく、肉弾戦の殴り合いも多いんですが、そういう所の作画も派手なところはものすごく派手。その中にリアルな動きなんかも含まれていて、今まで見たことのないようなアクションの組み立て方をしているので、見ていてすごく引き込まれましたし、楽しかったです。
(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

──主人公・虎杖悠仁役に決まったときの心境と、演じる上で気をつけているポイントをお聞かせください。

 昔から色々なジャンプ作品を読んでいたので、その主人公を演じられるというのはすごく光栄で嬉しかったです。とはいえ、だからがんばろうと思うといつも通りじゃなくなってしまう感じもするので、やる事はいつも通り。自分なりにがんばろうと思いました。どの作品でもそうですが、なるべく自然体に、気持ちを表現しすぎずに、見ている人に分かりやすく伝えることを目指して演じています。なので虎杖も、入れ込みすぎず力みすぎずに、自分の理想としている「生きているリアリティ」を表現できたらなと思っています。

──実際に演じてみて虎杖悠仁はどんなキャラクターだと感じましたか?

 ぱっと見は元気なキャラクター。基本的にはそれがベースになっているんですが、亡くなる間際におじいさんと交わした約束の影響で、「大勢に囲まれて死ぬ」ということを意識していて、「人を助けたい」という気持ちが強いキャラクターだと原作を読んで感じました。彼の場合は元気なだけじゃなく、場合によっては相手を殺してやりたいと思うぐらい怒ったり、自分が死にそうになったらかなり弱気になったりと、感情にすごく振れ幅があるんです。そういったところが、演じていて面白いですね。
(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

──新型コロナウイルスの関係で集まってのアフレコなどは難しい状況かと思いますが、現場での伏黒 恵役:内田雄馬さん、釘崎野薔薇役:瀬戸麻沙美さん、五条 悟役:中村悠一さんとのかけあいなどはいかがですか?

 情勢的に全員が集まってのアフレコは難しいので、主にその四人で人数を分けて、かけあいのあるキャラクター同士で集まってやっている状態です。おかげで、学生三人の空気感や、五条と話すシーンの師弟感みたいなものはすごく作りやすい状況になっています。みんなで集まると、作品のことや車の話をよくしていますね。他の三人が車好きなんですけど、僕は免許を持っていないので「ふ~ん…そうなんだー」みたいな感じです(笑)。そんな雑談もしつつ、和気藹々としながら仲良くやっています。

――虎杖にとっても重要な存在となる、両面宿儺役の諏訪部順一さんについてはいかがですか?

 第一話で両面宿儺が高笑いをして登場するんです。高笑いって、ヘタをすると小者っぽい感じになってしまうんですけど、諏訪部さんの場合は得体の知れない感じというか……ものすごく純粋な悪が登場した感じがあって、強烈に印象に残りました。同じ身体で虎杖と宿儺が入れ替わり立ち替わりしゃべるシーンがあるんですが、僕と諏訪部さんは声が違うので、急に別人の声になる不気味さみたいなのがすごく際だっていました。
(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

◆すべてのキャラクターが自分自身

──ここからは榎木さん自身についておうかがいしたいのですが、虎杖を演じるにあたって榎木さんのどんな面が引き出されていると感じますか?

 どの作品でもそうなんですけど、キャラクターは全部自分の一部を使って演じているので、「キャラクターに引き出されている」というよりは「友達と居るときの自分」「こういう状況にいるときの自分」みたいなものを当てはめて演じています。なので、引き出されているというよりは、キャラやシーンごとにそのときの自分が出てるという感じですね。

──虎杖を演じるなかで、役を掴めた・理解できたと感じた瞬間はありましたか?

 これもさきほどの質問と通じるのですが、僕は演技をしていて「何かを掴めたこと」が無いんです。すべてのキャラクターが自分自身なので、掴む・掴まないでは無いのかも知れませんね。そのときの自分でいられるかどうか、みたいなところで演じています。……それがまた難しいんですけど。自分が考えたキャラクターではないので、気持ちを完璧に理解することは無理なんです。でもその無理をやらなきゃいけないですし、そこをがんばるのが僕ら役者の仕事なので、できる限りキャラクターに寄り添っていきたいと思っています。

──虎杖の強力な敵となる呪霊側のキャストが漏瑚役:千葉繁さん、花御役:田中敦子さんと先日発表されました。

 まず楽しみだなっていうのが最初にありますね。他にもベテランの方が多い現場なので、皆さんがどういう風に演じられるのか見られるのは純粋に楽しみですね。

──花御を女性の田中敦子さんが演じられるというので驚いたのですが、榎木さんはいかがでしたか?

 そうですね。僕もちょっと意外だったんですけど、戦いの最中に花を咲かせたりするようなシーンもあるので、女性らしい一面があるんじゃないかと思います。
(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

──シリーズ後半では呪術高専・京都高のキャラクターなども増えてきますが、榎木さんが注目しているキャラクターはいますか?

東堂 葵(CV:木村 昴)とパンダ(CV:関 智一)です。僕含め、全員同じ事務所(アトミックモンキー)というのもありますし、東堂とは特に「親友(ブラザー)」になる関係。二人でガッツリ戦ったり共闘したりするので、ぜひ注目してほしいです。そのあたりのシーンのアフレコはこれからなので、楽しみです。

◆「難しい」っていう気持ちが原動力

──『呪術廻戦』のキャラクターは負の感情を源とする呪力で戦いますが、榎木さんご自身はどんな感情をエネルギーにしてお芝居をしていますか?

 「難しい」っていう気持ちが原動力になってるのかなと思います。というのも、演じていてうまくいくことなんてほとんどないというか……何もかも分からないんです。キャラクターの気持ちも、僕は原作の先生じゃないから100%は分かりません。でも、その分からないところをがんばって分かろうとするのが、芝居の面白いところ。なので、とにかく一所懸命演じてさえいれば、原作者さんが伝えたかったことが勝手に伝わってくれるんじゃないかと思って挑んでいます。
(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

──虎杖はおじいちゃんの死をきっかけに「呪術師」として生きることを選びますが、榎木さんご自身の生き方を変えるきっかけになった人や出来事があれば教えてください。

 絶対的な出来事がきっかけというよりは、親戚も声優をやっている(『響け!ユーフォニアム』高坂麗奈、『ガールズ&パンツァー 最終章』押田などを演じる安済知佳)というのもありますし、アニメも大学時代によく見ていたので、就職するかどうかというタイミングで、「面白いことをやりたいな」という軽い気持ちで声優を選びました。

──「生き様で後悔はしたくない」という悠仁のセリフがありますが、後悔しないために心掛けていることはありますか?

 なるべく自分で決めたことはちゃんとやろうと思って生きていますが、それでも後悔は……しますよね、基本。生きていれば毎日何かしら後悔がありますし、後悔しない人なんていないと思います。なので、後悔しないことをあきらめています。(笑)。

──それでは最後に、放送を楽しみにしている読者の方へメッセージをお願いします。

 絵のクオリティもすごいものになっていますし、アクションシーンはカメラアングルが非常に面白いものになっています。今まで見たことの無いようなバトルが見られるんじゃないかと思います。そのなかでキャラクター達も活き活きと活躍していきますので、ぜひご覧ください。よろしくお願いします!


ジャンプ作品の主人公役であっても、あくまで自然体な芝居を追求する榎木。「その分からないところをがんばって分かろうとするのが、芝居の面白いところ」という言葉は、まさに役者としての生き様なのではないだろうか。TVアニメ『呪術廻戦』は、2020年10月2日(金)よりMBS/TBS 系全国28 局ネット“スーパーアニメイズム”枠にて、深夜1時25分放送開始。

取材/斉藤直樹 構成/実川瑞穂

当記事はSPICEの提供記事です。

あなたにおすすめ

ランキング

ランキングをもっとよむ

注目ニュース

注目記事をもっとよむ

あなたにおすすめ