新団体GLEATが10・15後楽園でプレ旗揚げ! 田村潔司インタビュー「いろんなスタイルがあるなかでUWFのスタイルを一番見てほしい」

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10月15日(木、午後7時)東京・後楽園ホールにてプレ旗揚げ戦「GLEAT Ver.0」を開催するGLEAT(グレイト)。リデットエンターテインメント株式会社が運営する新団体の方向性でカギを握るのは、エグゼクティブディレクターに就任した田村潔司の存在だ。Uへのこだわりが大きい田村は早くからUWFの再構築を宣言。その対角線にいるのが長州力オブザーバーだ。


田村と長州と言えば、思い出されるのが1995年の新日本とUWFインターナショナルの団体対抗戦。あのとき、長州はUWFをプロレス界から消そうとし、田村は対抗戦への出場を拒んだ。あれから25年、両者はリング下からお互いの世界観をぶつけ合う。この状況を迎えるにあたり、田村はこのように言い切った。「GLEATは長州軍と田村軍による形を変えた10・9(ジュッテンキュー)になっていく」。10・9とは、Uが新日本に敗れた東京ドーム大会のことである。2020年10・15は、10・9新時代への幕開けとなる! (聞き手:新井宏)

――田村潔司エグゼクティブディレクターにお話を伺います。新団体GLEATが10月15日に後楽園ホールでプレ旗揚げ戦をおこないます。再びプロレス団体に関わることになると考えていましたか。

「ああ、考えてなかったと思いますね」

――リングから遠ざかっていた期間中、プロレスはご覧になりましたか。

「全然見てなかったですね。ボクのプロレスは昭和のアントニオ猪木さん、(初代)タイガーマスクの佐山(サトル)さん、藤波辰巳(現・辰爾)さん、長州力さん、前田日明さん、高田延彦さんらの昭和63年(1988年)くらいで終わってるんで、その頃のイメージしかないんですね。それ以降、平成に入ってからはボクもちょっとこの業界に入ってじっくりプロレスを見る機会もなかったんです。団体にはちょこちょこ観戦とかには行ったりしていたんですけど、その程度ですね」

――単発で観戦した程度で、継続的には見ていなかったと。

「ハイ、そうですね」

――団体に関わることになるとはまったく想像していなかったことになりますか。

「まったく。全然ないですね」

――昨年 NOAHの社外取締役兼エグゼクティブディレクターに就任したときはいかがでしたか。

「そのときは、大会を見て感想をいただきたいということで、大阪(9・16)と両国(11・2)を観戦させてもらったんですけど、ちょっとそこからNOAHさんといまのリデットとの関係がどうなったのか分からないですが、オーナーがたぶん忙しかった時期で、ボクが観戦させてもらったのはこの2試合。そこで意見をいただきたいということで拝見させていただいたんですけど、NOAH自体がちょっとオーナーの手元から離れてしまった」

――GLEATでもエグゼクティブディレクターという同じ肩書きの役職です。役割的には、NOAHからの継続という形になるのでしょうか。

「継続になると思います。ただ、オーナー自身がNOAHを一度経験されて、その興行形態なのかそういうのを勉強、経験されて、GLEATという新しくまた一から作り上げるとのことなので、ここの部分で言うとオーナー側なんですけど、ボクがGLEATを起ち上げると言うことに対してお話をいただいたときに、ボクはもう格闘技の、UWFしか知らない人間なので、UWFしか知らないですよというふうにお伝えしました。それでもいいということで、ボクは参加させていただくことになったんですね。そのGLEATという集合体があり、マネージメントでは長州さん、カズ・ハヤシ選手、NOSAWA論外選手がいらっしゃる。GLEAT自体の方向性はボクはちょっと分からないですけど、ボク自身のGLEAT内での方向性はUWFをやっていくということなんです」


――ということは、田村さんがめざすUWFの復活は団体の総意というよりも個人的な思いの方がいまは大きいのでしょうか。

「個人的な思いの方が今は大きいですね、ハイ。わりと好きにやらせていただいています」

――団体全体の方向性としてははじまってみないとわからない部分が多いと思いますが、現時点での田村さんのお気持ちとしては、UWFをやっていきたいと。

「そうです。ボクはボクのできることをやっていくことなので。『なにをやりたいのかわからない』というネットの意見があるようなんですけど、そこはあまり(意識しない)。ひとつの意見にこだわってもしょうがないのであまり気にはしていないですけど、なにがやりたいかって言われたら、ボクはGLEATの団体のなかでUWFをやりたいですと。それ以外は知りませんっていう感じです」

――個人としても、また、エグゼクティブディレクターとしても、UWFをやりたい。UWFのスタイルができる選手を育てていきたいということですか。

「そうですね、ハイ」

――その選手同士でUWFの試合をさせたいのですか。

「それもありますし、10・15後楽園では船木(誠勝)さんと田中稔選手にも協力をしてもらうので、ああいうベテランのUの選手とこれから育っていくUの選手がいる。これからの選手にはいろんな経験を吸収してもらいたいと思います。ボクの役目というか、ボクが本当にUを語りたいのは、歴史をつないでいきたいんですよ。ボクは第2次UWFに1988年に入門して、前田さん、高田さん、山崎一夫さん、安生洋二さん、宮戸優光さんたちにお世話になり、フロントの方にもお世話になって、そこからUインターになってプロレスから総合格闘技に移っていく時代なんですけど、そこのどこかでUというものが消えつつもある。これが消えてしまうとボクの歴史が終わってしまうんですよ。だからボクが歴史を語ることによって過去にお世話になった、第2次からお世話になった選手を含めてボク自身も名を残したいので、自分自身がやっている感じですよね」

――田村さんの分身というものを育てていきたい?

「ハイ、育てていきたいですね」



――田村さんが育てたUの選手と純プロレスの選手と競わせたい、闘わせたいとの気持ちはありますか。

「全然あります、全然あります。ただ、UWFのスタイルというのは格闘技のスタイル。プロレスの枠の格闘技プロレスです。ちょっとそこは誤解してほしくないんですけど、プロレスラーがUWFのスタイルをやりたいのは全然OKです。手を挙げていただきたい。ただ、格闘プロレスというのは、練習内容は格闘技なんです。だから、リングで表現するのもプロレスなんですけど、格闘技のプロレスなんです。だからプロレスラーが格闘プロレスに参加していただいて、そのなかで理にかなった表現をしてもらえるなら全然OKです」

――そういったなかで試合を積み重ねていくうちに、UWFスタイルで育てた選手同士の闘いであったり、UWFスタイルvs純プロレスであったり、いろんな組み合わせの可能性が出てくると思います。そのなかでUWFvs純プロレスとなると思い出すのが、(1995年10月9日、東京ドームでの)UWFインターナショナルvs新日本プロレスの対抗戦。

「ハイ、そうですね」

――これはある意味、長州さんと田村さんのかつての出来事を思い出させますよね。形を変え、時空を超えた長州力vs田村潔司なのかと興味が沸きます。長州さんがプロデュースしたカードや選手が、田村さんが育てた選手と闘う。長州さんと田村さんがその闘いをリングサイドで見守る。そういった光景を妄想してしまいます。

「なるほど、なるほど。それはいいですね。ボクも同じ考えで、形を変えた“10・9(東京ドームの新日本vsUインター対抗戦)”って言ってるんです。どちらも意味は似たようなことだと思うんですね。

――当時、対抗戦に出ることを否定した田村さんとUWFの存在を否定し消そうとした長州さん。それが時空を超えて弟子同士が闘うのはすごいドラマチックだなと。

「そうですね。長州軍と田村軍と言いますか、純プロとUWFが闘う図式。実際、開催を重ねていくうちにその図式になっていくのもおもしろいと思います。純プロと格闘プロレスの融合もすごいおもしろいですけど、Uのスタイルというのはボクのなかですごく奥が深いんですよ。Uのスタイルのなかでも、Uの格闘プロレスごっこみたいな試合もありますし、そこはボクのなかでははずれます。真剣にやってるU。真剣にやってるUというのはボクと桜庭(和志)のような試合。で、真剣にやってお客さんも楽しませるような試合というのはボクの例で言えば(リングスでの)ヴォルク・ハンとの試合だと思うんです。Uの試合のなかでもいろいろカテゴリーがあって、ボクの中ではちょっとUをほじくると深いんですね。そこを深掘りしていくのは楽しみでもあるんですけど、一般に見ていただくファン、お客さんに対しては、格闘プロレスを見ていただきたいなと。そのなかで長州軍、田村軍、形を変えた10・9という図式もおもしろいですし、船木さん、田中稔選手といったUのレジェンドの方々に出ていただくのもすごくおもしろいと思いますので」


――GLEATでは長州さん、田村さんの世界観にプラスして、同じく執行役員であるNOSAWA論外選手、カズ・ハヤシ選手の世界観もある。いろいろな世界観のぶつかり合いになりそうですが。

「そうですね。でも正直言うと、ボクは関係ないって言ったら関係ない(笑)。ハヤシ選手、NOSAWA選手とも普通にしゃべりますけど、勝手にやったらいいと思います。ボクはUを勝手にやらせていただいているので」

――なるほど。そういった違ったものがぶつかるからこそおもしろいですよね。

「おもしろいと思いますね、ハイ。長州さんの世界観とカズ・ハヤシ選手、NOSAWA論外選手の世界観、ボクの世界観。たぶんGLEATっていまの現時点で言うと、ボクもわからないんですよ、なにをしたいんだって。逆にボクがなにがしたいんだって聞きたいくらい(笑)」

――はじまってみないとわからないですね。

「そうなんですよ、ハイ」

――どの世界観がGLEATの中心に来るのか、勝負ですよね。

「そうです」

――田村さん自身はUWFをやりたいということで、元WRESTLE-1の伊藤貴則選手、渡辺壮馬(元ペガソ・イルミナル)選手という新入団選手にUWFスタイルを教えていらっしゃるんですよね。この2選手のポテンシャルについてはいかがですか。

「ボクが教えることが多すぎて、そういう意味でまだまだなんですけど、彼らたちもプロレスの経験値で言うとデビューしてからまだ一合目を歩いている感じ。そんな状況なので、Uとはというのを彼らに押しつける必要もないと思うんですね。ただボク自身がやりたい、求めているのは、格闘技の強さの部分の練習をしてもらいたいんですね。Uのスタイルでボクは練習すべて公開できますし、公開したいんです。彼らがUの格闘技の技術で成長していく姿だったりも見てもらえると思うので。だけどまだまだ、なんて言うんですかね、やること本当にたくさんあるので、まだ教える段階というか。伊藤選手に関しては体重がいま105キロくらいあるので、まずは90キロ台にして、そこから80キロ台にはしてもらいたいですかね。1ヵ月後に80キロ台じゃなくて、1年後とかちょっと長いスパンで見てもいいと思います。そういう意味で伊藤選手が身体を絞っていく成長の姿だったりを見てほしい。試合で彼がなにをするのかわからないし、ボクからは全然彼らとの距離がありますけど、練習は教えてます。プロレス観だったりUとは?というところにちょっと距離感がありますが、ちょっと時間かけて距離を縮めていきたいと思ってますね」


――そういった作業がまだはじまったばかりだと。

「ハイ、そうです」

――新しくデビューを目指す選手が入門すれば、田村さんが教えていく形になりますか。

「そうです、教えていくようになると思いますし、むしろ逆にGLEATっていう団体を見て、(UWFをやりたいという)プロレスラーの方にも手を挙げてもらいたいなと思います」

――今回、プレ旗揚げ戦での5試合のなかに女子のUWFルール(朱里vs優宇)が組まれています。これは田村さんの発案とのことですが。

「そうですね」

――女子のUWFというところに当時では考えられなかった現在ならではの発想がありますね。UWFの復活であると同時に、新しいものもGLEATで打ち出すという。

「ハイ。女子の試合についてはあまり細かいこと言わないで自由に表現してもらいたいなとは思ってます。朱里選手に関しては、いろいろと振り幅が広い。ハッスル経験してプロレス経験して、それこそ格闘技も経験している。ボクが押しつけるわけじゃないですけど、彼女みたいな選手はもしかしたら格闘技のプロレスにすごく向いているのかなと思いますね。たぶん彼女って本能で動くタイプだと思うんですよ。アタマで考えて動くタイプではないと思う。ボクも本能で動くタイプだったので、そういう意味ではすごく向いてるとは思います」

――では、プレ旗揚げ戦ではどういったところに注目してもらいたいですか。

「10・15はまず大まかに言うと、形を変えた10・9。細かく見てもらうと、GLEATのなかにいろんなスタイルがあるなかで、ボクはUのスタイルを一番見てもらいたい。あとは、(10・15以降も)選手の成長を見てもらいたいですね」






GLEATの真実と進化がここにある
グレイト公式YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UC2PAyViYA-fin48Swq_QWig
基本毎週木曜17時動画配信

当記事はSPICEの提供記事です。

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