BTS、3年前の解散危機を乗り越えて。彼らは“プレッシャー”といかにして対峙したか

wezzy


 BTSのドキュメンタリー映画『BREAK THE SILENCE: THE MOVIE』が2020年9月10日に日本公開された。

今作は2019年に行われたワールドツアー「BTS WORLD TOUR 'LOVE YOURSELF: SPEAK YOURSELF'」を追ったドキュメンタリー映画だが、そこで描かれていたのは、どんどん高まっていく名声や、それに伴い膨らむプレッシャーとの向き合い方を習得し、落ち着いた大人として成長した7人の姿だった。

BTSのワールドツアーを追いかけたドキュメンタリー映画は、今作が第3弾となる。これまでは、2018年に『Burn the Stage:the Movie』(2017年のツアー「2017 BTS LIVE TRILOGY EPISODE III THE WINGS TOUR」に密着した映画)、2019年に『BRING THE SOUL:THE MOVIE』(2018年のツアー「BTS WORLD TOUR'LOVE YOURSELF'」に密着した映画)が公開されている。

今作『BREAK THE SILENCE: THE MOVIE』で印象的なのはBTSのメンバーが明るい表情を見せ、グループの活動を楽しんでいると語る場面が多いことだ。

たとえばJIMINは、厳しいスケジュールでもBTSの活動を頑張る理由を「楽しいから」とあっさり答えている。

BTSの活動において「楽しい」ということを重視すると語ったのはJIMINだけではない。JUNGKOOKも同じようなことを語っている。JUNGKOOKはBTSがデビューして以降、「歌番組で1位をとることができるか」など、活動における数字を気にしている部分があったが、現在ではそれよりもいかにBTSの活動を通じて楽しいことができるかを考えていると話す。

これは前作までの映画と大きく異なる。というのも、これまでの映画では、誰もが想像だにしなかった世界的な成功への戸惑いや、世界中を回る過酷なツアーでの疲弊が強調されて描かれてきたからだ。

たとえば、アメリカで人気が急拡大していく渦中を描いた1作目『Burn the Stage:the Movie』では、プレッシャーに押し潰されて「解散危機」にあったとほのめかされるシーンがある。

解散危機の詳細について映画では直接語られなかったが、2018年12月に行われた「2018 Mnet Asian Music Awards(MAMA)in HONG KONG」の受賞スピーチでは詳らかに語られている。

このイベントで最年長メンバーのJINは、スピーチしながら泣いていた。

<今年を振り返ると、僕たちは年の最初から精神的に辛い思いをしていました。僕たちの中で、解散することも考えました>
<でも僕たちが体制を立て直して、よい結果を出すことができて、本当によかったです。僕を立ち直らせてくれたメンバーに感謝します。そして僕たちを愛してくれるARMYたちに感謝します>

この言葉からは、2017年のツアーで7人に重くのしかかったプレッシャーが、どれほど厳しいものだったか窺い知れた。

映画シリーズ2作目となる『BRING THE SOUL:THE MOVIE』は、2018年5月リリースの『LOVE YOURSELF 轉 'Tear'』がビルボード総合アルバムチャート(Billboard 200)で1位を獲得し、世界的にBTSへの注目が最高潮に達した時期のツアーを追っている。

ここでは特に身体的な疲労が描かれた。最もショッキングなのは、2018年10月のロンドン公演でJUNGKOOKが足をケガしてしまう一幕だろう。

この日、JUNGKOOKは開演直前のウォーミングアップ中にかかとを負傷。歩くことすら困難な状況で医療チームも駆けつける騒ぎとなった。診断の結果、傷口が広がる可能性もあることから医療チームは出演中止を促すが、JUNGKOOK本人はステージに出たがり、他のメンバーとも衝突。結局は椅子に座って歌だけの参加となった。その様子をカメラは克明に映し出している。

他にも、JIMINがダンスによる疲労で足を痛め満身創痍な様子を見せたり、喉の不調で思うように歌えなかったVがコンサート終演後に涙する場面があったりと、世界ツアーに伴った苦難を描いていた。
成熟したBTSが向かう次なる目標とは
 前2作とは違い、『BREAK THE SILENCE: THE MOVIE』にはこうした描写はほとんどない。むしろ、SUGAは「あなたにとってツアーとは?」といった質問に淡々とした口調で「日常」という答えを返している。BTSも周囲のスタッフも、世界ツアーや超大規模なスタジアムツアーに慣れつつあるのかもしれない。

もちろん、その背後には名声やプレッシャーと対峙する葛藤があり、悩みはいまでも尽きてはいないのだろう。映画のなかではリーダーのRMが休暇中に博物館へ行ったり、植物を育てたりといった過ごし方をする理由を「イカれないため」と説明する場面もある。

しかし、世界的なトップスターの仲間入りをして数年が経ち、経験を積んで大人になることで、名声やプレッシャーとの上手な付き合い方を身につけつつあるのが、これまでの映画の描写と見比べるとよく分かる。

BTSは8月21日にリリースしたシングル「Dynamite」がビルボード総合シングルチャート(THE HOT 100)で2週連続1位を獲得した。これまでシングルチャートでは首位を獲ることができなかったが、ついにその目標まで到達した。

名声やプレッシャーとの折り合いをつけられるようになり、心身ともに安定したBTSはかねてより掲げている「グラミー賞にノミネート」の目標へ向かって進み続けるだろう。

当記事はwezzyの提供記事です。

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