一口でも1頭持ちでもない「共有馬主」という選択肢。なるにはいくらかかる?

日刊SPA!

 馬主で占い師のあらいちゅー(@araichuu)です! 本連載メインの占いで買った愛馬シトリンちゃんはただいま3戦2勝。秋競馬に備えて故郷の浦河で特訓中です。出走馬がいなくて寂しい毎日……と思われるでしょうが、実は馬主仲間と共有している馬が大井や門別で走っているので、引き続き楽しい馬主ライフを送っています。

共有というと一口馬主と勘違いされるのですが、制度上はまったく違う保有形態で、ある意味一口馬主と一頭持ちの長所をいいとこ取りしたものです。今回は共有制度がどういうものかという説明と、実際に私が共有ライフをどれくらいの予算でどう楽しんでいるのか、どうすれば共有馬主になれるのかというお話です。ぶっちゃけ、しょぼい占い師の私でも全然やれてますよ!

◆共有馬主と一口馬主はどう違うのか?

堅苦しい話をササッと済ませてしまいますが、共有馬主は競走馬を複数の馬主で出資比率に応じて分割して保有するものです。いっぽう一口馬主は競走馬を金融商品化したファンドの出資者という扱いで、厳密に言うと馬主ではありません。

つまり一口馬主も共有馬主も、分割して馬代金や維持費用を払っている点では同じなのですが、共有馬主は普通に馬主として扱われるので、出走馬がいればほとんどの競馬場で馬主席や駐車場が使えますし、厩舎エリアにも出入りできます。またレースに勝てば口取りにも参加できます。

馬主資格がないと共有馬主になれないのがネックですが、地方競馬の場合は手取り年収500万円ほどで資格を取得できますから、狙えるという人も多いのではないでしょうか?

◆南関東での共有馬主はいくらくらいかかる?

地方競馬の場合、最低20分の1の保有比率から共有することができます。一口馬主的に言うと、20口募集のうち一口という感じですね。南関東4競馬場を例にすると、預託料を平均的な30万円と仮定すれば月々1万5000円の負担になります。当然、出走手当や賞金を獲得すればその分は分配されますから、実際は数千円の赤字~数万円の黒字といったところです。中央の一口馬主なみの負担額で馬主として扱われるわけですから、申し上げるまでもなくメチャメチャお得で、競馬界でこれほど美味しい制度は他に聞いたことがありません。

とはいえ共有はあくまで共有なので、意思決定の最終的な権利は代表馬主にありますし、競馬新聞にも名前は出ません。厩舎でも代表馬主と共同馬主で応対が異なる場合がありますし、共同馬主が一斉に押しかけると馬主席のチケットが足りなくなることもあります。しかし逆に言うとデメリットはそれくらいなので、個人的にはまさしく「一口馬主と一頭持ちのいいとこ取り」だと思っています!

◆実際に共有馬主はどう競馬を楽しんでいるのか……?

というわけで、ここから私の体験談です。現在は大井に2頭、門別に1頭の共有馬がいるのですが、今回は大井で走っている「シンジュクホーク」号のこれまでについてご紹介します。

シンジュクホークは以前に勝SPA!で採り上げていただいた、「新宿区馬主会」のメンバーで共有している馬です。同馬主会のメンバーが2019年のトレーニングセールで購入し、身内に声をかけて6人で共有することになりました。私はそのうちの10%を保有しています。

日々の情報交換はLINEで行っており、全員が馬主なので次走のスケジュールや距離適性、馬具などについてワイワイ相談して、代表馬主を通じて調教師の先生(現在は大井競馬場の市村厩舎に所属)に伝えてもらうシステムにしています。適度な人数なので、揉めることもなければ意見が埋もれることもなく、また先輩の馬主さんたちから色々と教わることも多いです。

このあたり、クラブのホームページ更新を待つだけの一口馬主とは楽しみ方が全然違います。一口馬主は大人数で一頭を支えて夢の大舞台を目指す、言ってみればアイドルの推しに近い趣味で、共有はみんなで中小企業のプロジェクトを進めていく感じでしょうか。

競馬場での待遇は共有のほうが断然良いのですが、共有が上で一口が下でという話では全くなく、そもそも違う遊びという印象です。実際に、みんな個人ではキャロットやシルクに出資しまくっていますし、私もターファイトの会員です!

◆シンジュクホーク号の収支はいかに……?

気になる収支の話ですが、まず支出の部からご紹介すると、シンジュクホークはセリでの購買価格が480万円、競馬場に入るまでの育成費が120万円ほどかかっています。2019年の11月に大井競馬場でデビューし、これまでの預託料について具体的な額は書けませんが、大井競馬場の平均と言われる月40万円ならば10ヶ月で400万円ほどです。トータルの支払額は1000万円で、私の負担額は10%出資なので100万円ですね。

次に収入の部ですが、8月時点での成績は0-2-0-6で、獲得賞金が204万円。進上金(騎手や厩舎への成功報酬)をマイナスすると160万円ほどです。そこに大井競馬場や東京都馬主会から支給される新馬補助金、出走手当、疾病見舞金などを加えると、収入の合計は400万円ほどになります。私の獲得額は10%の40万円です。

これらをまとめて一口馬主的に書くと、60万円で出資し、毎月の負担額はプラマイゼロ、ということになります。トータルではまだ馬代金のぶんが赤字なのですが、このように地方競馬の共有馬主なら、10%持ちでも意外なほど月々の出費は少ないんです! 税金などの処理は還付もあってややこしいので割愛します。

◆シンジュクホークが9月に待望の初勝利!

そんなシンジュクホーク号にいよいよ初勝利のチャンスが回ってきました。9月10日の大井2R、3歳240万条件のレースに出走です。 メンバーが大幅に弱化するので初勝利のチャンスと見て、この日は競馬場で生観戦することにしました。一般のお客さんはまだ自由に入れませんが、共有馬主は馬主という扱いなので、ありがたいことに馬主席に入ることができます。

相手は手頃、パドックの気配も抜群なのですが、馬体重が減っているのが嫌われたのか7番人気の低評価。これならいける、お買い得だと信じて単勝を購入しました。

レースはイケメンのガッツマン、江里口裕輝騎手が抜群のタイミングでスタートを決めてくれました。シンジュクホークの弱点すごい気性難によるゲートだけなので、すんなり出ればもうこちらのものです。そのまま難なく押し切って、2着に2.4秒差の大差勝ちで嬉しい初勝利となりました!

このレースの1着賞金は160万円で、出走手当その他が20万円近くあります。進上金と預託料を差し引いても今月は100万円以上のプラスで、私にも10%の10万円以上が入ってきます。今回の勝ち時計は上位クラスで十分通用するものだったので、このペースで勝ち進んでくれれば、来年にも黒字が見えてきそうです!

◆共有馬主をはじめるにはどうすればいいの?

最後に共有馬主のはじめ方ですが、新馬を買ってきたり、馬主仲間を集めるのが大変だという方は、社台グループオーナーズ・ハッピーオーナーズクラブ・ビッグダディオーナーズクラブなど、共有馬主専用のクラブに加入するのが手っ取り早いと思います。馬主資格がない場合は取得のサポートもしてもらえるので、一口馬主感覚で共有をはじめることができます。ただし、運用方針や会員同士でのコミュニケーションなどはクラブごとにルールや文化が異なるので、じっくり比較して、共感できるスタイルところに参加するのが良いと思います。

馬主資格がもうある・馬のことなら手間をいとわない・新馬でなく中古馬ではじめたいという方は、クラブではなく私のように仲間とスタートするのが向いています。仲間を集める取っ掛かりがないと思われがちですが、実はTwitterで共有馬主を募集している馬主さんがチラホラいます。サラブレッドオークション(中古馬のネットオークション)開催の翌日などに募集ツイートが出ていることがあるので、コンタクトを取ってみてはどうでしょうか。

共有仲間と濃密な馬主ライフを堪能して、勝利の美酒を共にできたなら、これ以上に楽しい遊びはなかなかありません。大井競馬場では勝ち馬主として口取り式に臨むと、警備員さんや係員さんまでもが「おめでとうございます!」と祝福してくれました。競馬場全体から祝ってもらえるこの感覚、みなさんにも味わって欲しいです!

◆今月のシトリンちゃん情報!

さて、占いで買った愛馬シトリンちゃんですが、冒頭でご紹介したとおり、浦河のBTCで特訓中です。入厩が近づいてトレーニングの強度も徐々に上がり、坂路やダートコースでガンガン乗り込んでもらっています!

調教をつけてくれているナンバーナインの木村社長によると、脂肪が筋肉に変わりつつあるそうで、もうちょっとで競馬場に戻せるのではないかと思います。復帰後はC1に格付けされるので苦戦するとは思うのですが、なんとか特訓の成果を生かしてほしいところです。サクッと突破できれば中央挑戦のプランも見えてくるのですが……!

【あらいちゅ~】

氷河期世代ど真ん中の生まれ。馬主で占い師で大家で零細企業の経営者。副業と投資と占いで「普通の人でも馬を持てる!」ことを証明するべく奮闘中。占いは四柱推命・紫微斗数をメインでやっています。Twitter:@araichuu

当記事は日刊SPA!の提供記事です。

あなたにおすすめ

ランキング

ランキングをもっとよむ

注目ニュース

注目記事をもっとよむ

あなたにおすすめ