ミシェル・オバマ夫人の兄、10歳で経験した警察による人種差別を語る「人生初の“レイシャル・プロファイリング”だった」

このほどミシェル・オバマ元大統領夫人が司会を務めるポッドキャスト番組の最終回が放送された。自身の母マリアンさんと兄クレイグさんをゲストに招いて行われた最終回では、クレイグさんの実体験を絡めながら人種的偏見に基づく“レイシャル・プロファイリング”などについてのトークが展開された。

アフリカ系アメリカ人として初のファーストレディとなったミシェル・オバマ元大統領夫人(56)は、ホワイトハウスを去ってからも執筆や講演、映像制作、チャリティー活動など様々な分野で活躍し、今も変わらぬ人気を誇っている。7月末に始まったポッドキャスト番組『The Michelle Obama Podcast』では自ら進行役を務め、第44代大統領を務めた夫バラク・オバマ氏をはじめ様々な著名ゲストを招き、人間関係や結婚、パンデミックなど多岐にわたるトピックでトークを繰り広げてきた。

好評を博した同番組は米時間16日に『Family Ties: On Raising Kids with Craig & Marian Robinson』(家族の絆:クレイグ&マリアン・ロビンソンと子育てを語る)と題した最終回を放送、アメリカで黒人の子供を育てることの現実や“Black Lives Matter”ムーブメントについて、また幼少期に体験した人種差別などについて母マリアンさんや兄クレイグさんとともにトークした。

ミシェル夫人と兄のクレイグ・ロビンソンさん(58)は、基本的人権と人種差別撤廃を求める公民権運動の名残が色濃く残る1960年代初頭にイリノイ州シカゴで生まれた。黒人に対するステレオタイプやあからさまな人種差別が日常茶飯事だった当時、クレイグさんは10歳頃に自身の身に起こった悲しい体験を明かした。

クレイグさんはある日、自身の所有物である自転車を「盗んだ」容疑にかけられ、2人の黒人警官に呼び止められたそうだ。彼らはクレイグさんの自転車を強く掴んで離さず、クレイグさんを次から次へと質問攻めにしたという。クレイグさんは「何かの間違いです」「これは僕の自転車で、盗んだものではありません」と何度も訴えたものの一向に信じてもらえず、そのことで「本当に心が折れてしまった」「警察は僕達の味方で、真実を語れば信じてくれる、そう教えられて育っただけに、本当におぞましい体験だった」と当時を振り返った。それでもクレイグさんは最後まで屈せず、「それなら僕を家まで連れて行ってください。この自転車が自分のものであることを証明しますから」と警官に伝え、母マリアンさんの待つ自宅に戻ったそうだ。

その後マリアンさんは、2人の黒人警官に向かい「真実を伝える息子をなぜ執拗に質問攻めにしたのか」「あなた方のしたことは、私が親として長年子供達に教えてきた価値観を覆す行為です」と抗議、警官は非を認め、後日謝罪のために再びロビンソン家を訪れたという。

クレイグさんは2017年に行われたあるインタビューでもこの出来事について語っており、

「これが私が人生で初めて体験した、いわゆる“レイシャル・プロファイリング”でした。」

と述べていた。“レイシャル・プロファイリング”とは、犯罪捜査の際に警察が人種によって行動を類型化したり、司法機関が人種的要素を加味した判断を下すことで、“Black Lives Matter”ムーブメントで人々が訴える怒りやフラストレーションの背景にあるのも、人種的偏見に基づくこの“レイシャル・プロファイリング”だ。

ミシェル夫人はそんな現実とどうにか折り合いをつけながら過ごしてきた日々を、次のような言葉で表現した。

「自宅という安全な場所から一歩でも外に出れば、そこにあるのは黒人であること自体が犯罪という現実。だから自宅の外は常に恐怖と隣り合わせで、慎重に行動しなければならないということを、私達は学ばざるを得なかったのです。いつ何があるかわからないですからね。」

クレイグさんの身に起こった“自転車盗難事件”から間もなく半世紀が経過しようとしているが、現在も多くの黒人達が夫人と同じような心境で日々をやり過ごしている。

画像は『Michelle Obama 2020年9月16日付Instagram「For my final episode of The #MichelleObamaPodcast, I brought on my wonderful mother and brother @CraigMalRob to talk about everything from our upbringing on the South Side of Chicago to our approaches to parenthood.」』のスクリーンショット

(TechinsightJapan編集部 c.emma)

当記事はテックインサイトの提供記事です。

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