パパ芸人がシングルファザー作家とガチで語る「父と子」の深いい話


シングルファザーとしての壮絶な13年の日々を綴った書籍『君たちにサンタは来ない』(ヨシモトブックス)。著者の朝田寅介さんと、パパ芸人のホープマンズ・森川やるしかねぇが、“父として”“子を育てるとは”を切り口に対談しました。初対面の2人は意気投合。森川が、父親として大先輩である朝田さんに思わず言います。「深い! まさに人生だわ」。

出典: ラフ&ピース ニュースマガジン

愛息との日々を切り取った動画をSNSにアップし、人気となっているホープマンズ・森川やるしかねぇ。5歳の息子・ゆうしくんにサプライズを仕掛ける「息子に突然シリーズ」では、その名のとおり、息子の前で突然バケツの水をかぶったり、パパがいきなりひょっこりはんに変わってしまったり、そのたびに見せるゆうしくんのびっくり顔がかわいく、評判を呼んでいます。子どもと親友に近い関係を築く「親友(おやとも)」であること――それが、森川の掲げるポリシーです。

そんな彼が、『君たちにサンタは来ない』の著者・朝田寅介さんと“父親対談”をしました。この本は、吉本興業が手掛ける「原作開発プロジェクト」の〈ノンフィクション部門〉で特別賞を受賞した作品です。ある日突然、妻が出ていき、幼い2人の子の親としてシングルファザー生活が始まった朝田さんが、東日本大震災などさまざまな苦難にぶつかりながら、必死で子どもたちと毎日を生きていく姿を描いています。

共通点は“父親であること”ですが、たまたま“同じ茨城県出身”でもあり、すぐに打ち解けた2人。立場は違えど、同じ父として“子どもとの接し方”や“父としての在り方”などの真面目な話を笑いも交えつつ、語り合いました。

勝手に「北の国から」の気分


――まずは、おふたりのパパ歴から教えてください。

朝田 僕は、いま上の子が23歳、下の子が20歳です。父親になったのは自分が22歳ぐらいのときで、父子家庭になったのは上の子が8歳、下の子がまだ5歳のときでした。

森川 僕は5歳の息子がいるんですが、いまの僕の状況で奥さんが出ていってシングルファザーになるってことですよね。いや、考えられない!

朝田 僕も「もう1回やれ」と言われても、もうできないです(笑)。

森川 そんくらい大変だったってことですよね。うわー言葉に重みあるわ。

出典: ラフ&ピース ニュースマガジン

――2人とも若くしてパパになられていますけど、すぐに父親としての意識は芽生えましたか?

森川 最初は気合いが入りすぎちゃって、とにかく稼がなきゃと思って朝からバイトして、夕方には劇場に出て、深夜はまたバイトという生活で、正直、家のことは奥さんに任せきりでした。でも、息子が1~2歳のころに「これは違うな」と思い始めて。子どもの成長もあんまり見られていないし、奥さんに全任せだし、なんなら夫婦の会話も減っているし。このままではいろんな意味で楽しめないしダメだなと思って、バイトを減らしてやり方を変えていったんです。

朝田 子どもたちとは積極的にかかわっていました。いま思えば、だからこそ奥さんが「この人ならなんとかなるだろう」と出て行きやすかったんだろうなと。でも、家事もわりとやるし、子どもとの関係も良かった僕でも、父子家庭は本当に大変でした。逆に、森川さんのお子さんとのかかわり方がうらやましい。子どもはどんどん大きくなっていく。その時々でしか見られない表情もある。それをきちんとキャッチしてあげられる環境にある、いまの森川さんが本当にいいなと。ここ数日、ゆうしくんの動画をずっと見ていたので「ゆうしくんが大きくなったなぁ」と、(ドラマの)『北の国から』を見ているような気分に勝手に浸っています(笑)。



出典: ラフ&ピース ニュースマガジン

子どもの寝顔に明日のやる気をもらっていた


森川 うらやましいなんて言っていただけるなんてめっちゃうれしいです。僕は朝田さんの本を読んでいちばん思ったのが「奥さんに出て行かれないようにしないとな」ってことで(笑)。朝田さんの人生が壮絶すぎて、ひとつ山を越えたと思ったら、また次の山が襲ってくる。それでも折れないじゃないですか。芯が強いなって本当に思いました。

朝田 僕も子どもたちに「(小説になるようなエピソードは十分に起きたから)もう俺、エピソードは要らないからな」と話しています(笑)。

森川 あははは。「もう山はいらないから平らな道を歩かせてくれ」ってことですね。

朝田 自分で言うのもなんだけど、本当に嘘みたいにいろんなことが次々に起こって。当時は1日の中でもうだめだって思ったり、もうちょっとやってみようと思ったり、感情の起伏がすごかった。でも毎夜、子どもたちが寝た後に寝顔を見ながら、「あと1日だけやってみよう」と。子どもの寝顔ってかわいいんですよね。それに次の日のやる気をもらってた感じです。

森川 寝顔、めちゃくちゃかわいいですよね! 僕は、息子との関係性で言うと、親というより友だちになっちゃおうと思っていて。一緒に成長していける関係でありたい。

朝田 それ、わかります。僕もそんな感じで接していましたね。でも、子どもは大きくなるから、その関係はいつか崩れるんですよ。そういうときも信念を曲げずに行ったほうがいいです。でも、3周くらいまわっていま、ようやくまた友だちみたいな関係性に戻りました。

出典: ラフ&ピース ニュースマガジン

パパ芸人・森川の仕事はラーメン屋!?


――おふたりとも、作家として、芸人としての活動を、お子さんはどんなふうに捉えているんでしょうか。

朝田 自分で書いているものについては、子どもたちに言うつもりもなかったんです。10年後、20年後になんかのきっかけがあったとき、読んでもらおうと思ってた。でも、それが本になると決まって、うれしくてテンション上がってしまいまして(笑)、子どもたちに言ったら、めちゃくちゃ喜んでくれて。それどころか、そこから子どもたちが明らかに変わりました。親父の印象が、本を出したことでとんでもないぐらいに上がったんだと思います。いまは2人とも東京で働いてます。

森川 むちゃくちゃいい話ですね! 息子も昨年の単独ライブに連れて行ったことで、「(僕のことを)あ、芸人なんだな」って理解したみたいですね。それまではずっとラーメン屋だと思ってたと思います(笑)。アルバイト先に息子を連れて行っていたので。動画をアップしたり、インスタライブをしたりしているので、なんか配信しているんだなという意識はあるんでしょうけど、これだけ多くの人に見てもらっているとかはわかってないと思います。

出典: ラフ&ピース ニュースマガジン

――子育てにおいて、大事にしていることはなんですか?

朝田 僕は子どもに何かを教えなきゃとか、そういうスタンスで接していなかった。本でも書きましたが、結局、いま自分がやれることを精いっぱいやるしかない。それは、親である僕もそうだけど、子であるお前もそうだぞと。それさえ守っていれば、いつかどこかで気づくんじゃないかなと思っていました。自分で考えて自分でやりたいことをやりなさい、というスタンスでいましたね。

森川 僕も子どもに何かを教えるとかおこがましいなと思っていて。自分はそんな立派じゃないし、なにも成し遂げてないので。

朝田 なんなら(子どもから)学ぶことのほうが多かったりしますもんね。

森川 ほんとそう! 子どもが持っている感覚ってすごいんですよ! 子どもと同じ目線になって人生を子どもと一緒にもう1回楽しみたいと思ってます。

“子育て”ではなく“一緒に成長”


――子育てで悩んでいる人に何か言葉をかけるなら?

森川 僕は、“子育て”っていう言葉があんまり好きじゃない。子育てではなく、ともに成長するっていう方向にシフトするべき。親としての責任感みたいなので気合が入りすぎて、苦しくなっちゃっている人がいっぱいいると思うんです。そういう責任感とかではなく、“楽しむ”に重きをおいてくださいと言いたい。

朝田 僕は、自分の経験を踏まえて“夫婦円満”としか言えないですね(笑)。1人で子どもを育てるっていうことは、どっかで無理がある。あと、なにがいちばんさみしいって、子どもたちの思い出を共有する人がいないんですよ。一緒の空間で一緒に生活をした人じゃないと分かち合えない感情なんじゃないかなと。いまになって夫婦ってそういうことなんだなって思ったりもします。

出典: ラフ&ピース ニュースマガジン

森川 なるほど! そんなん考えた事なかったけど、ほんとにその通り。奥さんのこと大事にしなきゃって、改めて思いました(笑)。

――最後に、おふたりにとって“子ども”とはどんな存在ですか?

森川 僕はやっぱり“親友”ですね。最初は自分も親としてこの子をしっかり育てなきゃって思っていたけど、目線をかえて一緒に成長していけばと思うようになって、自分の気持ちもラクになったし、気づかされることもいっぱいあった。最初は分からないから、どこまでも理想の親にならなきゃいけないんだろうとか考えちゃうんですよ。でも、そんなん無理だし。思い通りになるわけないし、俺の思い通りってそもそもおこがましすぎる。子どもには子どもの人格があるわけですから。

朝田 僕にとって子どもは、間違いなく僕という人間を証明してくれる存在ですね。子どもたちがいて、彼らが僕を“親父”と思ってくれている以上、僕は彼らの親父だし、それが存在する理由なんだろうなと思う。

森川 深い! そして、もうその言葉がまさに人生だわ(笑)!

出典: ラフ&ピース ニュースマガジン

プロフィール


朝田寅介(あさだ・とらすけ)

1974年3月27日生まれ、牡羊座のO型、独身、2児の父。小さいころになりたかった職業はプロレスラーとラジオのDJと小説家。十数年の父子家庭生活を脚色なしのリアルな物で書き残しておきたいと、ブログで執筆し始める。なかなか筆が進まなかったが、子どもに降りかかったある不幸な出来事により、このままではいけないと一念発起。茨城県内の書店内にあるカフェで約8か月間執筆し、書き上げた。

ホープマンズ・森川やるしかねぇ

1993年生まれ。2017年に相方の「樽見ありがてぇ」とお笑いコンビ“ホープマンズ”を結成。「息子に突然シリーズ」など、息子のゆうしくんとのやり取りを記録した動画をSNSに投稿し始めたところ、Instagramのフォロワーが8カ月で10万人突破するなど、幅広い世代のお父さんお母さんを中心に注目を浴びている(現在は約21万人)。

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書籍概要


出典: ラフ&ピース ニュースマガジン

『君たちにサンタは来ない』
朝田寅介 著
2020年6月10日発売
定価本体1,500円+税
版型:四六判
発行:ヨシモトブックス
発売:株式会社ワニブックス
ISBN 978-4-8470-9898-7 C0095
Amazonストアページはこちらから!

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