まさか“オネエ黒崎”の背中に泣かされるとは…『半沢直樹』大満足の第8話

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撮影スケジュール調整のため、1週間のブレイクがあり迎えた『半沢直樹』第8話。前回、帝国航空再建のため、政府主導のタスクフォースにより進められていた融資銀行の債権放棄案に、銀行側はノーを突きつけ、いよいよ政府と全面対決の様相を呈してきた半沢直樹。大和田役の香川照之が第8話の内容の濃さを強調していたが、その言葉通り、強烈な回となった(以下8話ネタバレあり)。

■半沢と大和田のシェイクハンド

まず、大きな見どころとなったのが、半沢と大和田の再タッグ。

銀行側の反逆により国土交通大臣である白井亜希子議員(江口のりこ)は赤っ恥を描かされ、後ろ盾となっている政界のドン・箕部啓治幹事長(柄本明)を本気で怒らせてしまった半沢ら東京中央銀行。

紀本常務(段田安則)が箕部幹事長と内通していることを突き止めるため、大和田は再度半沢と手を組むことを提案する。そのやり取りが、これまでの半沢と大和田の壮絶なるバトルの集大成となるようなシーンになった。

まず、紀本常務と箕部との関係を探る半沢に、大和田は「改めて手を組まないか?」と提案する。半沢は「冗談じゃない。あなたには何度も手のひらを返されてきた。1ミリたりとも信じられません」と突き放す。すると大和田も「信じていただかなくても結構。私だって君なんかに信じられたら虫唾が走る、寒気がする」と応戦。さらに「本音を言えば、お前ごときと手を組むだなんて口が裂けても言いたくない」と言うと「私はこの世でお前のことが一番嫌いなんだよ」と吐き捨てる。

ここまでは前回もあったような2人のやり取りだが、しかし大和田はここからある意味で、もっとも言いたくなかったであろう一言を発する。

「だがバンカーとしての実力だけは認めてやる」

大嫌いだが、バンカーとしての実力は認める……半沢にとって一番の誉め言葉かもしれない。

その後大和田は「頭取のためだ」と言うと、真相を掴むためには「猫の手だろうが、犬の手だろうが、半沢の手だろうが借りなければならんのだ」と手を差し出す。普通ならここで、すんなり手を組む流れでもいいのだが、半沢は「人にものを頼むときには大事な7文字を以前教えていただきましたね。もうお忘れですか? あなたは小学生以下ですか」と挑発。

ここでもファンタジスタ大和田は魅せる。手を震わせながらまさかの「お、お、おねしゃす」。すかさず半沢は「2文字足りない」と鋭い突っ込みを入れるが、この2人のやり取りにネット上は大反響。Twitterでは「おねしゃす」がトレンド入りするほどの盛り上がりだった。



その後、半沢と大和田は握手を交わすが、その時間はおよそ1秒。この一瞬のシェイクハンドも2人の関係性をあらわす名シーンと言える。

■まさかの味方に……タブレット福山

続けて『半沢直樹』ファンにとってたまらなかったのが、前シリーズで東京中央銀行融資部次長として登場し、タブレットを駆使して行内の情報を収集する“タブレット福山”の異名を持つ福山啓次郎(山田純大)の登場だ。

以前は大和田の犬として、半沢に敵意剥き出しに挑んだものの、コテンパンにやられて撃退されてしまった、いわゆる雑魚キャラだったが、本シリーズではまさかの味方に。相変わらず半沢に対しては嫌味を言いまくっていたが、大和田&半沢連合軍のコマ使いとして、なかなかの活躍を見せてくれた。

SNSでも「タブレットニキ」「タブレット福山」がトレンド入り。「もうタブレットニキなんて呼ばせない。タブレットヒーロー福山だ」や「格好良かったけれど、こんなキャラだったっけ?」、「黒崎に引っ張られてオネエになった?」など大反響だった。

■オネエ黒崎が半沢直樹に影響を!

とにかく見どころが多かった第8話だが、そのすべてを持っていってしまったのが、“元”金融庁担当検査官の黒崎駿一(片岡愛之助)。前半はいつものテンションで半沢と絡み、部下である古谷(宮野真守)への強烈な股間掴みを見せるなど、濃すぎるキャラクター全開だったが、後半に思わぬ展開が。

箕部の強烈な圧力に、東京中央銀行の紀本や大和田らは完全に白旗状態。半沢ですら、一旦は箕部の前で深々と頭を下げ、負けを認めたが、黒崎は担当検査官のプライドを通し、箕部の身辺を徹底調査。

しかし、そのことが箕部の逆鱗に触れ、金融庁を追い出されてしまうことになってしまったのだ。ここで感動的だったのが、黒崎たちの部下の表情。みな一様に寂しさと悔しさをにじませた顔を見せていた。超個性的なキャラクターで、部下に容赦なく罵声を浴びせる黒崎だったが、実はものすごく慕われていたことが分かる。半沢が、東京セントラル証券を去ったときを思い出すようなシーンだった。

黒崎の移動を知った半沢は、血相を変えて金融庁へ出向く。そこで半沢は、黒崎が金融庁の建物に向かって深々と頭を下げる姿を見る。半沢を見つけた黒崎は「政府に逆らうなんて本当にバカなことをしたわ。誰かさんに影響されたせいかしら」といつものテンションでおちゃらけるが、最後に半沢に事件のカギを握る情報を提供。そして半沢に「あなたのことなんて大っ嫌い。だから最後まで私が大っ嫌いなあなたでいてちょうだい、半沢次長」と思いを託す。

寂しそうに、しかし胸を張って去っていく黒崎の後ろ姿に、深々と頭を下げる半沢。このあまりにも男らしいオネエ黒崎の行動にネット上は絶賛の嵐だった。まさかあの黒崎に泣かされるとは思わなかったと感じた視聴者も多かったのではないだろうか。

大和田と黒崎に「大嫌い」と言われた半沢。宿敵からもらったこの言葉を胸に、半沢は箕部という巨大な敵に立ち向かう。ラスト2話、半沢がどんな戦いを繰り広げるのか……目が離せない。

文:磯部正和

日曜劇場『半沢直樹』

第9話 9月20日 日曜 よる9時放送

(C)TBS

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