謎の種騒ぎでブラッシング詐欺表面化…のAmazonが種の米国輸出禁止令

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Image: You Tube
via Robbie and Gary Gardening Easy / YouTube

ブラッシング詐欺で使われたばかりに正規の種が大混乱!

注文した覚えのない種が中国から郵便で届く騒ぎの余波で、アメリカでは得体の知れない海外の種はネットで買えないようにしようということになり、Amazonが今月、米国への種苗輸出販売を全面的に禁じてしまいました。対象は米国外業者ですので、米政府所轄の米国内事業者による輸入販売には特に影響はありませんけどね…。

謎の種の中身




謎の種が送られている地域は日・米・英・カナダなどで、目立つようになったのは7月下旬から。ご覧のように「中国郵政」とラベルに書かれているので「中国の種」ということになっていますが、種の郵送は中国でも禁じられているので、指輪やアクセサリーを内容物として封書に記載することで検疫の目をかいくぐっています。

中国政府は「中国郵政のロゴ入りのラベルは偽造で、途中で張り替えられたもの。届いたら返送して捜査に協力して欲しい」と米政府に申し入れています。確かにラベルが二重構造になっていたりもするので、郵送料金の安いベトナムルートの可能性も指摘されています。

日本郵便や日本農林水産省も植えないように注意を呼び掛けていますが、アメリカでもそれは同じ。「植えるのはやめよう。ゴミに出すのも✖。埋立地に生えて農地に影響が広がるので、届いた人は開封しないで届け出るか、芽が出ないようにしてから廃棄して」と呼びかけてはいるのですが、全国民に情報が行き渡っているわけではないので庭の隙間に植えてる人もいます。

たとえば上のニュースに出てくるのは、警告が出る前に植えてしまったアーカーソン州の村人のDoyle Crenshawさん。2週間おきにMiracle-Groブランドの肥料をやったら「狂ったように育って」見事な白瓜の実がなり話題になりました。当局に相談したら、ほかの野菜が負けると困るからってことで引っこ抜かれたそうですが、まるでジャックと豆の木の世界です。

農業テロではなさそう


好奇心旺盛な国民と米農務省の調べで判明した種の種類は、あさがお、ハイビスカス、バラ、ハーブ、キャベツ、とうもろこし、トマト、ほうれん草、ローズマリー、セージ、ラベンダー、ミント、冬瓜といったもの。農地を荒らす雑草のようなものは混じっていないため、同省は「アグロテロリズム(農業テロ)の可能性はまずない」と言っています。害虫や雑草に注意が必要ですけどね…。

ブラッシング詐欺って?


テロじゃないならなんなの?と思われるかも知れませんが、「よくあるブラッシング詐欺」というのが各国当局の共通見解です。ブラッシング詐欺というのは、さくらレビュー用の偽アカウントを作成し、そこから商品をネットで発注し、まったくの別物を任意の住所に送り付けて配達を実行することでレビュー書き込みの権利を得る詐欺のこと。受け取る人は住所と名前を使われているだけなので、どこから情報が漏れたんだろう?という気持ち悪さはあるけど、売買は架空アカウントで完結するため請求されることはありませんし、商品をキープしても犯罪にはなりません。

使ってもいない商品をあたかも使ったかのように偽って5つ星の絶賛レビューや1つ星の致命的レビューを書いて売上を操作するのは古典的なバイラルマーケティングだけど、配達確認が要るようになって、「Amazonで購入済み」印が欲しいばかりに罪のない市民を巻き込んでこんな複雑なことになっているというわけです。

種である必要はまったくない


バーコード付きで配達されればそれで済むことなので、内容物は別に種である必要はなくて、実際、種がばら撒かれる前はUSB、懐中電灯、パソコン用掃除機などでした。種で足がついてからは数珠玉みたいなのが届くケースも報告されていますよね。多少のラッキー感があれば事が荒立てられることもないというわけです。

種は一番安い定型郵便で送れる重さと厚みなのでコストダウンにぴったんこ。まさかこんなに騒がれるとはさくらレビュー業者も思っていなかったんでしょう。コストばかり考えて、コロナのことをすっかり忘れてたのかな。ラッキー☆と思って植えるおっちゃんがネットで叩かれるのを見てこれはまずいぞと思い、すぐ戦略を変えたことは容易に想像がつきます。

正規の種まで巻き添えに


バイオテロでもなければ、さくらレビューのために種が利用されているだけなのに(受発注記録すら残っていない)、正規の種の輸出がブロックされるのもおかしな話だけど、騒ぎの影響で、種の出品を調べてみたら植物検疫の合格印のない種が混じっていることがわかったので、調査が終わるまでそっちも全面ブロック。という流れかと。

想像以上の規模で架空注文のレビューは行なわれている


それにしても焦るのは種が届いた人の数です。米国だけでも数千人。ということは、さくらレビューも数千件。7月下旬だけでこれ。種みたいに騒ぎにならないアイテムまで含めたらどんだけの数になるんだ? 想像もつきません。そういえばこないだ買った掃除機も絶賛レビューが山のようについて5つ星だから安心して買ったのにまったく吸わない…騙されたかも…。星5だから信用していいということには全然ならないのね…とほほ…。

Source:The Wall Street Journal

当記事はギズモード・ジャパンの提供記事です。

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