『ガキ使』最年少作家・白武ときお氏が思い描く“お笑い第7世代”との未来


●“罰ゲームを考える”趣味が仕事に「素敵な仕事だなと(笑)」
日本テレビ系バラエティ番組『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』や、お笑いコンビ・霜降り明星のYouTubeチャンネル「しもふりチューブ」などに携わり、お笑い界の“裏方”として活躍している放送作家・白武ときお氏(29)。

同世代の芸人とともにお笑い界を盛り上げたいという思いで、“お笑い第7世代”の霜降り明星やかが屋らとタッグを組み、テレビやラジオだけでなく、YouTubeの放送作家として、媒体を“越境”して活躍している。

著書『YouTube放送作家 お笑い第7世代の仕掛け術』(発売中)を刊行した白武氏にインタビューし、放送作家としての挑戦や今後のエンタメ界について話を聞いた。

――子供の頃は人前でネタを披露されることもあったそうですが、裏方として企画を考えることに面白さを感じるようになったきっかけを教えてください。

中学の頃にひょうきん者になって怒られたくない、お調子者になるとモテなくなってしまうと思ったのがまず一つ。また、僕の周りには面白い人たちがたくさんいたので、人を笑わせるんだったら面白い友達に吹き込んで何かを言わせたり。高校生の頃には顕著に、自分はパフォーマンスをせずに、何かを考えてその場が面白くなること考えるようになりました。そちらのほうが性に合っていると思ったんです。

――芸人さんになりたいとは思わなかったですか?

高校生の時に『爆笑レッドカーペット』が全盛で、ベルトコンベアでバンバン面白い人が出てきていましたが、父親から「この中で生き残るのは数組だ」と言われ、これだけ面白い人たちがいるのに少ししか生き残ることができないなら自分は無理だなと思い、目指すこともしなかったです。

――放送作家を目指している中で、『学校へ行こう!』の放送作家・樋口卓治さんに出会い、自分から声をかけたことで放送作家への道が開けたそうですが、行動力がすごいなと思いました。

自分では行動力があると思ってなかったのですが、この本を読んだたくさんの人から「行動力がすごい」と言っていただきます。自分が好きなことに関してはスイッチが入るのかもしれません。ほかのクラスの面白い人に声をかけたり、そういうことは昔からやっていました。

――放送作家としての活動をされるようになってから、イメージしていた仕事と違うなとギャップを感じたことはありましたか?

2010年代はただ面白いテレビというより、ためになる情報バラエティが視聴率をとっていました。そういう状態が続いていたので、楽しいことだけできるわけではないんだな痛感しました。ひとつ面白い番組があり、ほかは仕事としてやるというプロフェッショナルもあると思いますが、なるべくなら楽しいことだけやりたいので、霜降り明星やかが屋らと、小さい場所でも楽しくできる場所をつくって挑戦するようになりました。テレビは偉大な先輩が多く、なかなか20代の作家が参入できない状態が続いていますが、ほかのところでやっていたら少しずつ呼んでもらえるようになったという感じです。

――放送作家の仕事って最高だなと感じる瞬間を教えてください。

昔から罰ゲームを考えるのが好きだったので、自分が考えた罰ゲームですごいセットが組まれて、例えば出川(哲朗)さんがそれをやるとか。罰ゲームを考えてリアクションを楽しむという、自分が学生時代からやってきたことが仕事になってお金を生んでいると思ったら、素敵な仕事だなと思います(笑)。毎年、「笑ってはいけない」シリーズの罰ゲームのコーナーを担当しているので、一流の芸人さんが挑戦するものにアイデアを出して実行してもらえるのは楽しいです。

●「ムーブメントを起こすパワーのある総合バラエティを」
――霜降り明星の「しもふりチューブ」や、かが屋の「みんなのかが屋」など、YouTube作家としても活躍されていますが、テレビで活躍している方の中にはYouTubeを敵対視している方もいます。白武さんはYouTubeをどのように考えていますか?

今は、テレビ画面を使ってHuluやNetflixも見られますし、一方でテレビ番組も今秋からネット同時配信が始まります。きっとテレビ番組は、YouTubeでもどんどん流れるようになるでしょうし、テレビもYouTubeもそんなに変わらなくなっていくのかなと思います。僕が理想としているのは、YouTubeチャンネルでテレビ番組っぽい作り方をしたチャンネルができるとか。そうなるとアメリカのテレビ局のように、100チャンネルの中から自分の好きなメディアを選んで見ることになってきて、より面白い番組が生まれると思います。

――変わっていくメディアの世界で、白武さんはどういう立ち位置でいたいですか?

僕は、YouTubeで番組が見られるようになっていく、その前線にはタッチしていたいですね。テレビは60年の歴史があり、継承されている技術や制作力がすごく、全国の家の中にテレビが置いてあるという届けやすいシステムがあるので、そこでも面白いことをやりたいですし、YouTubeラジオ局の運営も始めたので、いろんなところで得た知見を生かして、最適なメディアで最適な企画をやっていけたらなと思います。

――テレビのバラエティ番組については、今後どのように期待されていますか?

コロナの影響もあってか、タメになる番組よりも『有吉の壁』に代表されるような、「楽しい」「笑える」番組が増えてきている印象です。僕個人としては、お笑い濃度高めの『めちゃイケ』や『はねトび』のようなムーブメントを起こすパワーのある、毎週やっていることが違う総合バラエティを同世代の人たちと作れたらと思います。

――そういったパワーのあるバラエティ番組が誕生するには何が必要だと思いますか?

若い世代に見られている番組が広告として価値があるという方向に完全にシフトしてきています。今、お笑い第7世代の番組が今後も増えていくと思いますし、大型のネタ番組も各局作っているので、ここからまた戻ってくると思います。

――霜降り明星さんやかが屋さんら同世代の芸人さんと、『ガキの使い』などで知られる放送作家・高須光聖さんとダウンタウンさんのような関係を築いていきたいという思いがあるそうですが、放送作家としての今後の活動への意気込みをお願いします。

20代の芸人さんだけで今までとは違うパワーなり面白さがある番組を生み出せたらなと思います。テレビマンもしばらく総合お笑いバラエティを作っていないのでお笑いスタッフが育っていないと聞きます。コント一つやるにしても、どうやってセットを作ったら面白く見えるのか、罰ゲームをするにしても熱々ってお湯は何℃でやるなど継承されていない。このまま途切れるのではなく、なんとか次の世代にもバトンを渡せるよう面白い番組を作れたらなと思います。

――最後に、放送作家を目指している方たちに向けて、放送作家として成功するカギを教えてください。

僕はテレビ作家としてはまだ成功していませんが、YouTubeやネットテレビなど違う場所でも活動しているので、こうやって本を出させてもらったりしているのかなと思います。放送作家として、他の人に負けないめちゃくちゃ詳しい分野があるといいと思います。僕の場合は、お笑いやYouTube、映画などに詳しく、上の世代の人にも共通言語があると思ってもらえたのは一つあると思うので、誰にも負けない詳しい分野を持つことは大事だと思います。

■白武ときお
1990年12月17日生まれ、京都府出身。放送作家。担当番組は『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ)、『霜降りミキXIT』(TBS)、『霜降り明星のあてみなげ』(静岡朝日テレビ)、『真空ジェシカのラジオ父ちゃん』(TBS ラジオ)、『かが屋の鶴の間』(RCC ラジオ)。YouTube では「しもふりチューブ」「みんなのかが屋」「ジュニア小籔フットのYouTube」など、芸人チャンネルに多数参加。

当記事はマイナビニュースの提供記事です。

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