ザ・ノンフィクション前CPが手がける“美容整形バラエティ” 成立の背景に有村藍里の告白


●YouTubeのノウハウを地上波に投入
フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』の前チーフプロデューサーで、昨年6月末で退社した張江泰之氏が、きょう13日に放送される同局系特番『日曜THEリアル!「あなたを美しくします! 美容(ビューティ)ゴッドハンド」』(20:00~21:54)でプロデューサーを担当している。

現在BSテレ東で放送されている『THE名門校 日本全国すごい学校名鑑』(毎週日曜21:00~)のプロデュースを手がけているが、地上波番組を担当するのは、退社以来約1年ぶり。その間、様々なYouTubeチャンネルをプロデュースしてきた同氏は、久々となる古巣の番組で、日曜のゴールデンタイムという激戦区にどんな狙いを込めて挑むのか――。

○■手術を“行う側”にもフォーカス

『ザ・ノンフィクション』で、「整形シンデレラオーディション」の密着シリーズや、有村藍里が美容整形手術を告白した「あなたの顔、治します。」(19年3月3日放送)などを担当してきた張江氏。そのドキュメンタリーでは「心の闇を抱えていた女性が、整形によって変わっていく姿を追っていました」と整形手術を“受ける側”にフォーカスしていた。

それに対して今回の番組は、「外見を変えて、心も人生も変えていきたい」という人たちの思いに、人気美容外科医たちが応えていくという内容。「日曜の午後2時ではなく、ゴールデンタイムで放送するので、見る人の気分や生理が違うんです。そこで、各クリニックで腕のある医師=ゴッドハンドを競わせたら面白いんじゃないかという発想で作りました」と、手術を“行う側”にも焦点を当てているのが特徴だ。

VTRは『ザ・ノンフィクション』で、応援団の青春を追ったドキュメンタリー『青春エール』シリーズを手がけてきた勝亮輔ディレクターが担当する一方で、スタジオは千原ジュニアとテレビ朝日退社後他局で初の進行担当となる竹内由恵をMCに起用し、医師たちが総合格闘技のファイターのようにレッドカーペットから華々しく登場するなど、バラエティ色の強い内容となっている。

このスタジオ演出は、日本テレビの人気バラエティ番組を制作してきたチームが担当。手術を受けた女性の顔パネルを使って医師が具体的な施術方法を解説するほか、パネラーの尾上右近、アンミカ、ゆきぽよ、井戸田潤らが医師たちに「年収はいくら?」「奥さんも整形している?」といった質問をぶつけ、ぶっちゃけトークを繰り広げるコーナーも展開される。

○■不必要な部分をどんどん捨てる編集

プロデューサー、ディレクター陣は、40~50代のベテラン男性スタッフだが、AP(アシスタントプロデューサー)、AD(アシスタントディレクター)の女性たちの意見を番組作りに相当生かしているそうで、「『俺たちはこう思うから…』というこれまでのやり方は一切捨てて、今女性たちが何を見たいのかという声を積極的に取り入れ、F1・F2層(20~49最女性)をターゲットに作っています」という。

一部施術のシーンも登場するが、「ゴールデンの時間帯なのでそれは最小限にとどめ、モザイクもしっかりかけているので、家族で安心して見られる番組になっています」と強調。

張江氏はフジテレビを独立してから、様々なYouTubeチャンネルのプロデュースを手がけているだけに、「YouTubeは男女別・年齢別で何分見て何秒で離れるのかが全部分かるので、その意識は今回の番組でも応用しています。2時間番組で、スタジオは3~4時間収録しましたが、不必要な部分はどんどん捨ててかなりテンポよく見せ、僕が大事にしているハラハラ・ドキドキとワクワク感を2時間にどう込めるかを考えて編集を行っています」と明かす。

NHK時代から長年、ドキュメンタリー番組を作ってきた張江氏の手がける番組がここまでバラエティ色の強いものになるのは異例だが、「日曜日の人気番組が並ぶ時間帯なので、バラエティ要素を吹き込んでいかないと戦えないと思って割り切りました。だから、スタジオは取って付けたようなものではなく、ちゃんと面白く見てもらえるような作りにしています」と狙いを説明。

収録後は「千原ジュニアさんも『すごい面白かった』と言ってくれて、いろんな芸人さんにも『この番組は面白い』と伝えてくださっているようです」と手応えを感じている。

●世の中の整形への意識「完全に変わった」

美容整形を題材に、こうしたカジュアルな番組が成立する背景には、世の中の意識の変化があるという。

「“整形シンデレラ”のときは『いじめに遭いました』とか『ブスと言われて悩んできました』という心の闇が動機だったのが、今回登場する女性たちは、『憧れの韓流アイドルのような顔になりたい』『人気キャバ嬢になりたい』『老けて見られる顔を何とかしたい』と、かなり、変化しているんです」

この潮流に大きな影響を与えたのが、『ザ・ノンフィクション』での有村藍里の告白。「完全に空気が変わったというのを肌で感じます」といい、「実際、クリニックで話を聞くと、そういう雰囲気になってきていると言いますし、今回の収録でも、ゆきぽよさんが『メイクの延長という感じになっている』と言ってましたからね」と、以前は隠したがる傾向にあった整形が、堂々と気軽に行われる時代になってきたようだ。

今年の「整形シンデレラオーディション」のドキュメンタリーも手がけている張江氏。参加者の密着映像を、2月からYouTubeで連続配信しているが、コロナ禍でオーディションの日程が延期になっているため、本来予定していた全60話を、75話まで延長する計画だ。

「こちらもチャンネル登録が徐々に増えているので、需要を捉えながら進めていきたいと思います」と感触を語っている。

●張江泰之1967年生まれ、北海道出身。中央大学卒業後、90年NHKに入局し、『クローズアップ現代』『NHKスペシャル』などを担当。05年フジテレビジョンに入社し、『とくダネ!』やゴールデン帯の特番などを制作、15年からは『ザ・ノンフィクション』のチーフプロデューサーを務めた。19年6月末で同局を退社し、動画制作会社「Hariver」を設立。YouTubeチャンネルのプロデュースや、企業動画の制作、BSテレ東『THE名門校 日本全国すごい学校名鑑』のプロデューサーなどを務め、13日に放送されるフジテレビの特番『あなたを美しくします! 美容(ビューティ)ゴッドハンド』でもプロデューサーを担当する。

当記事はマイナビニュースの提供記事です。

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