潘めぐみ×島﨑信長 “したかった青春”ができる、だから「声優の仕事は面白い」<アニメーション映画『思い、思われ、ふり、ふられ』インタビュー>

 

声優として活躍する潘めぐみさんと島﨑信長さんが、“血のつながらない姉弟”役で共演するアニメーション映画『思い、思われ、ふり、ふられ』が、9月18日(金)より全国公開されます。

本作は、同じマンションに住み、同じ高校に通う朱里、由奈、理央、和臣の男女4人が、それぞれを想い合う、切ない片想いの物語。

潘さんは恋愛に対して積極的な朱里を、島﨑さんはそんな朱里の血のつながらない弟であり、由奈に片想いをされる理央を演じています。
めるもでは潘さん&島﨑さんにインタビューを実施、意外にも「『ふりふら』では初の二人だけのインタビュー!」と無邪気に微笑み合うお二人に、キャラクターのことから声優のお仕事、失恋したときの“特効薬”までうかがいました!

 

 

――『思い、思われ、ふり、ふられ』にて、朱里を潘さん、理央を島﨑さんが担当されたことが意外でした。配役を聞いたときは、どう思いましたか?

島﨑信長:最初、自分たちでもそう思っていました!

潘めぐみ:話していましたもんね。配役を見たときに、私も「あ、信長さん、和臣じゃなかったんだ!」と思いました。

島﨑信長:僕も斉藤壮馬くんも、オーディションの時点では理央と和臣の両方を受けていたんです。結果、「受かりました、決まりました」と連絡をいただいたときに、僕の中で壮馬くんが理央をやるイメージがあったから、「じゃあ、僕は和臣かな」と思っていたら逆だった、という。ふたりして「お、逆だったね」と盛り上がったんです(笑)。

 

潘めぐみ:私は、オーディションを朱里のみで受けていたので、「受かればいいな」と思っていました。朱里が決まって、皆さんに発表になったときは、ファンの方の反応の中に、信長さんとご一緒したあの作品のことが……。

島﨑信長:そうね、タイトルを出していいなら『俺物語!!』で一緒だったからね!

潘めぐみ:そうです(笑)。『俺物語!!』だと信長さんのビジュアルは理央っぽくて、私が由奈寄りだったから、「あれ…? 由奈じゃないの……?」というリアクションをいただいたりもしていました(笑)。

 

――いざ作品を拝見すると、朱里も理央も本当にぴったりで感激します。

島﨑信長:ありがとうございます。結果的には、僕もこの配役で非常によかったなと思っているんです。僕自身、理央ととてもシンクロするというか、共感できる部分が多かったので。

潘めぐみ:皆さんの演じている姿を見ていると、それぞれの配役の理由がわかったといいますか。ご本人を通して見ると、「こっちだったのかもな」と納得する感じありますよね。

島﨑信長:あと、バランスもあったかも。由奈ちゃんが鈴木毬花ちゃんだから、そのバランスでいうと潘さん、ちょっとだけお姉さんというか。「由奈ちゃんよりも少し先に進んでる朱里」というところがあるから、二人のバランスがばっちりだなと思いましたもん。

潘めぐみ:わあ、本当ですか……!

島﨑信長:うん。由奈と朱里が掛け合っているシーンのバランス感というか、面白いですよね。よく“正反対の二人”という表現もあるけど、本当に真逆感が出ていた。だんだん成長していくにつれ、二人の関係性が変わってきて、「あれ、フワフワしてたはずの由奈ちゃんのほうがしっかりしてきて、朱里のほうがブレてきたぞ……!」とか、すごい面白かったです。

潘めぐみ:演じていても楽しかったです。由奈のヒーロー感が終盤に向けて加速していくのが、もうすごくて。「わー、由奈、本当にかっこいいな」という朱里のセリフもあるんですけど、私自身、心から心からそう思っていましたね、由奈のこと、そして、毬花ちゃんのことを。

 

――由奈を演じられた鈴木さんは劇場アニメ初出演になりますが、お二人から見て、いかがでしたか?

島﨑信長:鈴木さんは、とにかくまっすぐな気持ちで訴えてくるんです。技術や経験を積むと出しづらくなってくる、本当にどストレート、混ざりけのないまっすぐで、素直なものが出ていて、めちゃくちゃ強いなと思っていました。

潘めぐみ:本当にそう、強いです!

島﨑信長:僕も、相手役をしているときは、極力、技術的なこと・余分なものを削ぎ落として、まっすぐやれたらいいなと思ってやっていました。

 

――実際、声をあてるときは、人物像は掴んでいながらも、声の感じやニュアンスは、現場で作っていかれることが多いんでしょうか?

島﨑信長:うん、多いですね。たぶん人によってやり方は違うと思うんですけど、僕の場合は極力、事前に決めないようにはしています。声優って、「かっこいい声、かわいい声、面白い声を出す」というイメージがあるかもしれませんが、人と掛け合うお芝居で声を出すんですよね。もちろん、「こういう人間だな、こういう作品だな」というイメージや、役作りみたいなものはするんですけど、声については、「結果的にこういう声が出た」という感じだったりします。脚本を読んだときの印象よりも、実際にやったら「あ、もっとときめいたから、もっと笑顔になろう」とか、「結構イラッとしたから、もっと怒ろう」とか、気持ちで返すようにしています。

 

潘めぐみ:そうですね、私も信長さんと同じで、あまり事前にチェックしすぎたり、固めていきすぎたりしないタイプです。イメージ像はそれなりにありますけど、現場で新鮮な影響を受けて演じるというか。「毬花ちゃんの由奈だから、こういう朱里ができました」という感じなんですよね。『ふりふら』自体、自分ひとりの世界じゃなくて、相手とのやり取りの中で新しい自分に出会っていく物語のような気がしているので、お芝居も、受け取ったものでどんどん自分が引き出していってもらえるし、影響もされてしていく、と感じていました。今回はモノローグも、掛け合いも多かったので、心の通わせ合いがすごく生っぽかったというか、現場でも現実味を帯びていた気がします。

 

――潘さんのお話にあったように、『ふりふら』は現実味を帯びたアニメーション映画です。“ならでは”の面白さもあったんでしょうか?

島﨑信長:僕、こうした現実に寄り添ったリアリティーの作品が特に好きなんです。すごく面白みがあるな、と思ってやっていましたね。現実の人間として共感する部分がいっぱいあって、だからこそ本当に、彼らがこの世界で生きてるんだな、という感じがあって……。ある意味、演じやすいですし、それ故の難しさもありましたね。

潘めぐみ:わかる。あと、こういう高校生活って、我々も経験してきた世代じゃないですか?

島﨑信長:そうね。僕は男子校だったから、こんなにキュンキュンしてなかったけども……。でも、わかりますよ。この物語は、“したかった青春”そのものなので(笑)。

 

潘めぐみ:もちろん、ここまでの青春を送れていたかっていうと、そうではないですけど(笑)。好きな人がいたりとか、恋バナに花を咲かせたりしたこともあったし、経験があるものにプラスして、憧れが注がれたものが『ふりふら』には、あるかもしれないです。「こうでありたかった。けどできなかった。でも、この世界では今できる!」っていう。声優さんのお仕事って、そういう面でもちょっと夢がありますよね。

島﨑信長:うん、あるね! 声優だと本当に何でもやれる、なれるというか。普通なら僕は30歳を超えているわけなので、実写だとなかなかできないところを、本当にその場に生きている等身大の高校生としてやらせてもらえているわけだから。声優ならではの面白さだよね。

 

――失恋や相手を想い合うことによって変化していく四人の姿が印象的です。お二人が失恋したときの“特効薬”があれば、ぜひ教えてください。

島﨑信長:え、特効薬ですか!? ちょっと月並みな意見になっちゃいますけど、何か別のものに夢中になることですよね。それが新しい恋でももちろんいいし、スポーツ、学生さんなら部活でも勉強でも、社会人だったら仕事でもいい。何か打ち込むものがあれば、それに集中しているあいだは悲しさとかを忘れるじゃないですか。しかもね、集中してる先で達成感があったり、うまくいったりすると、どんどん気持ちも前向きになっていくと思うんです。落ち込んだときの気持ちって、負の方向にエネルギーが動いてるから、エネルギー自体はあるんですよね。それをバネにするというか、心が動いていれば、ポジティブでもネガティブでも原動力になると思うんです。前に進むエネルギーに変換できたらいいんじゃないかなと個人的には感じますね。

 

――経験に裏打ちされた、すごく実用的なアドバイスに聞こえました。

島﨑信長:(笑)。割とね、自分の経験もそうですし……(笑)。あと僕、結構人間について考えることが好きなんですよ。「人生をより良くするには」みたいなことをよく考えるので、前に進むエネルギーにしたほうがいいんじゃないかなって、個人的には思います!

 

――ありがとうございます。潘さんは、いかがでしょうか?

潘めぐみ:これは……たぶんこの仕事特有だと思うので、あんまりおすすめできないんですけど……。

島﨑信長:ほう!?

潘めぐみ:なんでも肥やしになってしまう!

島﨑信長:そうね、そうね(笑)。

潘めぐみ:失恋した悲しみだったり、失恋だけじゃなく、友達とケンカしちゃって傷ついちゃったりしても、この感情がこの仕事には活かせるから、とても肥やしにはなるんです。けど……皆さんがそういうわけじゃないので、特効薬というと……(悩)。例えば、その瞬間にはその人しかもういないと思っても、男の人は世界にひとりではないです!

 

島﨑信長:確かに!

潘めぐみ:相手の人、女性でも男性でも誰でも、自分が好きになる相手はひとりじゃないはずです! 人生、長く生きていくほど、「今の別れがあってよかったんだな」と思えるくらいの人にまた絶対出会えると思っています。それは時間が解決してくれたり、ほかの友達だったり、学生生活なり社会人生活を送るなりする上で、たぶん出会えていくものだと思うから、ちゃんと出会えます。

島﨑信長:そうだよね。理央だって「絶対朱里しかいない、世界でこの人しかいない」と思っていたはずだから……。視野を広く持つことは大事ですね。

 

 

――ありがとうございました。本インタビューは、「めるも」という趣味女子メディアで掲載されます。最後に、今、お二人が一番ハマっている趣味について教えてください。

島﨑信長:最近の趣味は、お酒です。特に、この自粛期間中に結構いろいろ飲み比べたりして、今一番ハマってるのがブランデーです。

潘めぐみ:うわ、いい!

島﨑信長:いいんですよ~。中でもコニャックと言われるもので、しかもストレートで飲むようになっちゃったんです。ストレートが一番おいしいんですよ。

潘めぐみ:おいしいけど……危険だ(笑)。

島﨑信長:うん。ウイスキーとかブランデーとか、すごいハマってて。アルコール度数がやや高めのお酒の飲み比べを始めてしまったので、大人になったなと思いながらも、体に気をつけていきたいなと思います。

潘めぐみ:私は、友達と長電話することです。朝までオンラインで長電話しているんです。ずっと、オンラインゲームでバーッと話しながら、気づくと朝の7時とかで(笑)。声を潰さないように、楽しみます……!(取材・文:赤山恭子、写真:iwa)

 

アニメーション映画『思い、思われ、ふり、ふられ』は、2020年9月18日(金)より全国ロードショー。

 

出演:島﨑信長、斉藤壮馬、潘めぐみ、鈴木毬花 ほか
公式サイト:furifura-movie-animation.jp
(C)2020 アニメ映画「思い、思われ、ふり、ふられ」製作委員会 (C) 咲坂伊緒/集英社

WRITER

  • 赤山恭子
  •        

  • エンタメ雑誌編集部に勤務後、ハリウッド映画の版権を買い付け日本国内で販売するディストリビューターを経て、フリーの映画/エンタメライターに。現在は、監督・俳優のインタビューを中心に、現場取材、映画紹介コーナーほかも担当。相手の心に寄り添い、時に突っ込みながら深めてゆくインタビューが持ち味。

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